カスタマーレビュー
天に唾する女 シークレット・サンシャイン [DVD] チョン・ドヨン
夫を交通事故で失ったピアノ教師シネ(チョン・ドヨン)が、再出発をかけて夫の故郷密陽を一人息子のジュンとともに訪れる。自分に好意を寄せるジョンチャン(ソン・カンホ)や隣人たちの助けもあり、生活の歯車が順調に回りはじめたシネではあったが、息子ジュンの誘拐殺人事件をきっかけに精神のバランスを完全に崩していく・・・。
夫と息子を失い絶望のどん底に突き落とされた女は、韓国では日本のS学会以上にメジャーな宗教団体である統一教会に身を寄せるようになる。映画中盤では、この教会における活動によって次第にシネが元気を取り戻していく様子がしつこいほど描かれているため、たちの悪いプロパガンダ映画なのでは半分疑いながら見ていたのだが、愛息子ジュンを殺した犯人との面会シーンから、映画の雰囲気がガラっと変ってくる。
「私があんなに苦しんだのに、あの男はすでに神に許されはれやかな表情をしていた」宗教の歪んだ平等主義に納得ができないシネは、神を冒涜するような行為を次々とおかしていく。万引、不倫、集会妨害、自殺未遂・・・。天に唾する女役チョン・ドヨンの鬼気迫る熱演はそれなりに見ごたえがあるが、そんなシネを傍らからそっと見守るジョンチャンや、シネが気にかける不良少女の絡み方が浅いため長尺でありながら物語に厚みを感じないのも事実。ジョンチャンの手持鏡に反射した光が、髪を切るシネに降り注ぐラストの方がわかりやすかったのかなぁという気がした。
神様って シークレット・サンシャイン [DVD] チョン・ドヨン
愛する息子、自分の命よりも大切な存在を失って、あっさり宗教で救われる様子に、非常に違和感を感じましたが(私が無宗教の日本人だから?)話はもちろんそこで終わりません。
神様は犯罪者も等しく赦してくださるという残酷さ。
宗教だって人が作ったものですからね。
最後のよすがさえも失って、完全に精神のバランスを崩すチョン・ドヨンの演技に圧倒させられますが、それでも変わらず寄り添い続けるソン・ガンホの存在感が素晴らしいです。
韓国ってほんとうによい役者さんがいますね。
それにしても、気がふれても尚自分を愛してくれる存在なんて、それこそ神様が人になって自分を救いに来てくれたが如き希有な存在ですよね。
もしも実際に本当に大切な存在を失った時、人はどうして救われるのだろう?ソン・ガンホ的な人がそんな都合良く現れないだろうし。なんて考えちゃいました。
<ネタばれ>神とは何か。そしてすべてを失った母親の心の推移 シークレット・サンシャイン [DVD] チョン・ドヨン
新しい町に引っ越してきた母シネ(チョン・ドヨン)と死んだ夫との息子ジュン。最初は新しい町での新しい生活、新しい人間関係が描かれる。なんだかだらだらとした映画展開で、あまり起伏もない前半に早くも飽きがきてしまった。140分位ある少し長い映画で、うまく2時間程度にまとめられなかったのかなと、観た後として1つの感想を持ちました。
いったい何が起こるのかなと辛抱強くも観ていると、ジュンが誘拐されて殺されてしまう展開に…。全財産を相手に渡したにもかかわらず帰って来ない息子。深い悲しみに映画は包まれる…、と書きたいところだけどなぜかその悲しみがうまく表現できていない。母親のシネを演じたチョン・ドヨンという女優の演技が悪いというわけではない(女優賞を受賞している)。詳しく言うと息子が死んだ直後の演技はよくなかったけれど、次第に悲しみを大きく表現していく様がよかった。最愛の息子の死が映画の中で、どうも軽く扱われている気がした。さらっと流してしまったような感じ。そこにちょっと不満を感じました。
そしてシネは周りの人々の勧誘もあって教会に足を運び、神に救いを求めるようになっていく。ここでやっと映画の核の部分が出てきたなと感じた。信仰がテーマだったのかと。「神の愛は平等です」「神を信じれば見えないものが見えるようになる」などなど信仰が出てくると必ずと言っていいほどの決まり文句がセリフに入り、宗教的な色合いを見せてきた。でもここで映画の表現したいことがついに出てくる。シネが神に対し疑問を感じ始めるのだ。徐々に核心を見せていく映画展開で、ここは目が離せなかった。信仰に裏切られすがるものを失った一人の母親。その心の推移が印象的で、観たあと深く考えさせられました。
神は運が良ければ助けてくださるかもしれない シークレット・サンシャイン [DVD] チョン・ドヨン
子供を誘拐されたうえ殺された経験は今のところ無い
確かに神は見守って下さっている!!!・・・ってか子供がいないだけですが
この映画は癒されたり、救われたり、喜びもしくは悲しみを共有したり、
みんなで助け合ってガンバっていきましょうYO!!!!
というヌルい作品では無く、最後まで神様は彼女を助けてくださいませんでした。
「信じる者は救われる」とは良く言ったもので劇中でも熱心に教会通いを続けて
救済を得ている人も多数いるので、彼女に信仰の素養が無かったからとも考えられます。
キリスト教なんてたった2000年前にできた人心掌握のマニュアルでしょうよ!
なんて穿った見方しか出来ない私ですので同じ立場にたったとき神を信じて
罪を許す事は出来そうにありません。許した自分を受け入れる事も出来そうにありません
この映画のラストは、絶望に打ち拉がれた信仰心ゼロの貴男や貴女にとっての
一筋の光明になるかも知れません・・・ならないかも知れません・・・
好き嫌い好き嫌い愛してるの多い韓国映画、たまにこんな怪物を撮ってしまうんだから
目が離せないなぁ 天を仰ぐチョン・ドヨンの目元は特にステキでした
人生時間と映画時間 シークレット・サンシャイン [DVD] チョン・ドヨン
総評としては「詰め込みすぎ」の一言に尽きると思います。
「詰め込みすぎ」ということは、とりもなおさず、「図式的すぎ」ということでもあります。
結果として、物語の進行具合が「作為的(つくられたもの)」に映り、最終的な映画としての「余韻」に欠けている、という、残念な事態を招いていると思います。
どういうことかと言いますと、
確かに、この映画は、無駄なカットは一切ありません。その点では、映画的鉄壁さを持っている映画だとも思います。けれど、最大の欠点も、その「合理性」にあるのではないか、と思うのです。
そもそもの話、この映画では、「人生」という「時間感覚」を、かなり計り間違えていると思います。
実例をあげると、この映画の女主人公は、だいたい、
絶望→希望→絶望→虚無
というような精神遍歴を経るのですが、
これほどの、一人の人間の紆余曲折な精神遍歴を、二時間余りで語ろうとすれば、それは、どうしたって、「図式的」な映画にもなると思うのですが。
だから、結果として、観ている側は、ラストに向かうにつれて、「ああ、この女主人公と共に二時間かけて長い旅をしてきたなぁ」という、映画の最大の魅力である、あの映画的カタルシスには到底到達できないのです。
女主人公にとっては肉体的な「人生体験」であっても、私達には、二時間程度の「情報体験」に堕してしまう。
だから、いくら、悲痛な表情で、七転八倒されても、作為的なプロットと、時間的感覚のずれが、感情移入を許さない、といったところでしょうか。
人に救いはあるのか。また、宗教とは何なのか。
それが、この映画のテーマだと推測されますが、それは私にはわかりませんでした。ただ、それをわかろうとするには、絶対に、二時間では足りない、ということは、わかっていることでしょう。
この映画は、一見、正統派に見えて、かなり危ういバランスで成り立っていると思います。そういう人の救いだとか、絶望だとかを「図式的」にすまそうとしているのですから。つまり、「真実を追究している」という本音主義を盾にした、「虫のよさ」が、実は潜んでいるような気がするのです。
だから、観る人によっては、この映画の、「真に迫る演技」や、「突き放した表情」や、「真実を追究した映画」という長所が、逆に、「世にあふれる惰弱なエンターテイメントのアンチテーゼとしてシリアスに本当のことを追求すればいいと思っている」案外に「虫のいい映画」にもなりかねない、とも考えられます。
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