カスタマーレビュー
現代にも通じるテーマ 評決 [DVD] ポール・ニューマン
「医療過誤」
作品のテーマはもちろん裁判での法廷、そして弁護士と依頼人といった人々が主人公ですが、
視点を変えてみれば、
「医療過誤」という、現代まさに日本でも起きているテーマが興味深いところです。
演技や演出と言う点においては、他のレビューでもみなさんが仰っている通り、
ポール・ニューマンの鬼気迫る演技(アル中だとは知らなかった)、
そして相手の弁護士役であるジェイムズ・メイスンという好敵手があったからこそ、
ニューマンの演技も光る物語だと思います。
最初に戻りますが、
現在の日本でも、カルテの改ざんなどにより、医療過誤がまかり通っている現状があります。
無理やり示談で済ませよう、とする病院側の姿勢もあからさまです。
その中で、今まさに裁判員制度がスタートしようとしている日本において、
この映画のように、被告のあからさまな攻撃に耐えられる原告、そして弁護士がいるかどうか・・・
ついそういう思いを抱きながら鑑賞しました。
たしかに、物語の中でも、証拠は曖昧なまま、原告は判決を待つ身に置かれます。
映画では勝訴となりますが、その後のラストシーン。
電話で向かい合う2人のように、妙にすっきりとしない(悪い意味ではない)余韻を残す・・・
そういうケースが多くなるような気がします。
ともあれ、ポール・ニューマンの演技も堪能できて、これ以上の評価はできません。
満点です。
相手方の弁護士も素晴らしい! 評決 [DVD] ポール・ニューマン
本作は、弁護活動をめぐる疑惑を機にエリート街道を転げ落ち、
アル中でピンボールに夢中、交通事故遺族にダニのようにたかり、
夢も希望も失ったような壮年の弁護士が、
ある医療過誤訴訟に、原告側代理人として情熱を燃やして取り組み、
同時に己の人生に栄光を取り戻そうと奮闘する姿を描いた佳作です。
主人公を演ずるポール・ニューマンは、実際に撮影時にアル中だったとかで、
グラスを持つ手の震えや精気のない眼差しには、凄みすら感じさせます。
しかし、弁護士の生き様としては、
ジェームズ・メイスン演ずる被告側代理人の方が理性的でかっこいいです。
チームワーク、確かな訴訟戦略、さらに、証人尋問でつまづいても、
判例を駆使して見事に裁判長に訴えかける有様は、
一見市民の憎しみを買いそうですが、弁護士としての優秀さを如実に示しており、
お金を出してでも雇う価値があるプロフェッショナルと言えるでしょう。
少なくとも証拠法上は、勝訴ではないかと思います。
他方、主人公はどうでしょうか?
もちろん、「プロジェクトX」ばりの再生劇や陪審員の心をつかむ様は、
人間的魅力に満ち溢れており、感情移入させられます。
しかし、原告の家族がはらはらしっ放しであることに象徴されるように、
和解を蹴ったり、原告側に有利な証人の管理が甘かったりする点等には、
プロフェッショナルとしては負けていると言わざるを得ないでしょう。
ともあれ、言い古されてはいますが、写真の現像とともに闘志を静かにたぎらせるシーン、
電話が鳴り響くラスト・シーンなど、印象に残る場面も多く、
また、裁判員制度導入直前に、考えるヒントも提示している作品だと思います。
法廷ドラマの傑作でもあるが、後期のポール・ニューマンの代表作 評決 [DVD] ポール・ニューマン
先日、惜しくも他界してしまったポール・ニューマン。浮き沈みの激しいハリウッドの中でこれほど長く主役を張れた俳優も少ないのではないでしょうか。そんな彼の後期の代表作といえば、迷わずにこの作品を推します。
監督はディスカッション・ドラマや室内劇を撮らせたら右に出るものはいないシドニー・ルメット。抑えた演出ですがジェームズ・メイソンやジャック・ウォーデンといった実力派を脇に配して、法廷ものの傑作のひとつになりました。
ポール・ニューマン扮するアル中の弁護士が病院で死亡した患者家族から医療訴訟を依頼されます。当初は安易に和解を考えていた彼が、調査を続けていくうちに和解を拒否して裁判に持ち込むことを決意します。彼自身も自分の今までの人生のやり直しまでを決意して、この裁判に賭けていく姿は、ニューマンの演技力もあって感動的。
対する被告側の弁護士を演ずるジェームズ・メイスンも本人がもっとも納得のいった演技とインタビューで答えているほどの名演で一歩も引かず、中盤からの法廷でのこの2人のやりとりの緊張感とスリルは、ルメット自身の往年の名作「十二人の怒れる男」を彷彿させるほどの出来。ニューマンを支えるジャク・ウォーデンも存在感があった。シャーロット・ランプリングの役に関しては賛否両論かもしれないが、彼女の役があったからこそ鳴り続ける電話のベルという印象的なエンディングが可能であったことを考えれば十分に存在意義はあったと思う。
最後の評決結果の根拠が、理論的にはちょっと腑に落ちないのが気になりますが、法廷ドラマとしては文句なしの★5つです。
沢山の素晴らしい作品有難うございました 評決 [DVD] ポール・ニューマン
引退を表明後、わずかな期間で亡くなり、残念です。トムハンクスとの共演で、存在感のある役柄を見事に演じ、元気な姿を観てさすがだなあと思っていましたが。スティング、明日に向かって撃て、タワーリングインフェルノ、などすべて小学生時代に映画館で観てましたね。当時はビデオもDVDもない時代ですから。この作品も大学の時に観たように思います。懐かしく初DVD化された時に購入しました。いい意味で物語も画面も淡々と静かに進みます。評決の前の台詞も見事です、けっしてオーバーじゃなく深みのある演技が、観る者を圧倒します。ケビンコスナーも好きな役者ですが、JFKと見比べてもらえば、良く分かります。もう、こんなスターは出ないでしょうね。どんな役柄でも違和感のない貴重な人でした。長い間お疲れ様でした。ご冥福をお祈り致します。
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