カスタマーレビュー
『夜会』のための巣作り 歌暦 中島みゆき
1986年12月、真冬の両国国技館が真っ赤に燃え上がった。中島みゆき自身、初のライブアルバム『歌暦Page86』は当時発表された新譜『36.5℃』からの曲目を中心に構成されている。当時、実際にこのステージを観た。客電が落ち、暗くなったステージ。真赤な襦袢に裸足といういでたちで登場したみゆきが歌い出すのは『片想86』一小節目がリードヴォーカルのみでステージが始まる。『狼になりたい』『悪女』はオリジナルよりもプッシュビートの利いたアレンジ。そして前半の締めくくりは弾き語りで未発表曲『クリスマスソングを唄うように』をつややかに歌う。後半は一転して黒のタイトドレスで『阿呆鳥』〜『最悪』〜『F.O』とアップテンポの曲目が続く。そしてこの時の圧巻はクロージングの『縁』だった。ピアノとパーカッションのみで曲は進むが、中盤からパーカッションのみ、そして最後はノーマイクでの中島みゆきの歌声。オープニングとの対をなすステージ構成だった。アンコールではシャウトし、声がひっくり返り、涙で声が詰まるなどのシーンがあったが、このステージが後の『夜会』へのステップだったことは間違いない。それは歌で物語りを物語る形が十分に伝わってきたからである。「1対1でも1対1000でも常に同じ歌い方をしたい」と語る中島みゆきのこだわりが垣間見えたコンサートアルバムである。
硬派な時代のみゆきさんのライブ 歌暦 中島みゆき
みゆきさんの存在自体もかっこいいし、サウンドもかっこいいし、
かっこいいずくめのライブ・アルバムです。
「36.5℃」からの曲は、どれも臨場感溢れていていきいきしていて、
「HALF」なんて、アルバム・ヴァージョンよりずっといい程です。
名曲「鳥になって」は、オリジナルはストリングスのみ伴奏でしたが、
ここではギターの弾き語りになっていて、どちらも捨てがたい演奏です。
このライブ用にアレンジされたものはどれもとてもかっこよくなっていますが、
「縁」のできは本当に素晴らしいです。重々しいアレンジが曲によく合うし、
マイクなしの生声だけで歌った最後のリフレインなど、
みゆきさんの心の叫びがストレートに聞こえて来そうなくらい迫力があります。
オリジナルが少し古いサウンドになってしまった「阿呆鳥」も、
エスニック風のスパイスの効いたかっこいい曲になっていますし、
オリジナルの乾いた音から、なんと硬派でかっこよくてしっとりしたサウンドに
生まれ変わった「波の上」も、みゆきさんの名演中の名演に数えられます。
涙で声が詰まった風のくだりも、また一つの聴かせ所となっています。
このアルバムでしか聴くことのできない「クリスマスソングを唄うように」は、
このためにこのアルバムを買ってもいいくらい素晴らしい小品で、
後の「LOVERS ONLY」につながる、しかし内向的で控えめな、
本当にいじらしい曲です。
夜会のビデオとはまた違った良さがあって、これは必携のアルバムだと思います。
それに、ジャケットの赤襦袢のみゆきさんの姿が、なんとも美しい!
名ライブ 歌暦 中島みゆき
これが出れば過去の作品は廃盤のものを除いてすべてヤマハから再販されたことになります。この作品は86年のライブツアーからの音源で当時ご乱心時代真っ只中だっただけにロックなアレンジが目立ちます。かなりかっこいい1枚だと思います。今までの作品で再販にあたってリマスタリングされたものは1枚もないので今作もリマスタリングはなしと思われます。欲を言えばカットされた曲も入れてフルで発売してほしいとこだけどそれもなさそうですね。でも満足できる内容になっていると思います。
最新レビュー 歌暦 中島みゆき
収録曲・トラック
Disc1
1.片想’86
2.狼になりたい
3.悪女
4.HALF
5.鳥になって
6.クリスマスソングを唄うように
7.阿呆鳥
8.最悪
9.F.O.
10.この世に二人だけ
11.縁
12.見返り美人
13.やまねこ
14.波の上
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