カスタマーレビュー
社会派映画の傑作 帝銀事件 死刑囚 [DVD] 信欣三; 内藤武敏; 笹森礼子; 北林谷栄; 高品格; 鈴木瑞穂; 佐野浅夫
なぜ、平沢 貞通(ひらさわ さだみち)がかような事態に陥ったのか。
アメリカの占領下におきた事件であり、かつ、その手口の鮮やかさは、日本旧陸軍細菌部隊(731部隊)関係者たちの仕業としか思えない。最初の弁護側の論告が正しいと私は思っている。報道側に圧力を加える占領側。
そこで、公平な裁判が行われるとは思わない。
平沢 貞通が逮捕され死刑判決をうけた以後、どうなったのか。その家族はどうなったのか。
『ウィキペディア(Wikipedia)』で帝銀事件をご覧になることをお薦めする。
現在の日本より 納得できない事態に疑義申す者たちは当時はいた。
彼らは、今も疑義申し立てしている。
その執念に感服する。
熊井監督は見事にこのような作品を制作してくれていた。
平沢には裁判がある。まだ犯人と決まったわけじゃない! 帝銀事件 死刑囚 [DVD] 信欣三; 内藤武敏; 笹森礼子; 北林谷栄; 高品格; 鈴木瑞穂; 佐野浅夫
この映画の見所は、冤罪云々よりも記者達の動きだと思います。最初はスクープ狙いだったのが、やがて真実を追い求めて動き始めます。
記者達が取材を進めていく中で、占領軍の命令により取材を断念させられてますが、その時に『我々は占領されているとはいえ、そのような命令はデモクラシーの精神に反します。』とやり返したり、投石される平沢家で記者が群集に対して『平沢には裁判がある。まだ犯人と決まったわけじゃない!』と一喝するシーンは、現代マスコミが失ったジャーナリズムとは何か?を感じさせます。
出演陣は、記者に鈴木瑞穂・内藤武敏・井上昭文・藤岡重慶・庄司永健、刑事に高品格、元軍人に佐野浅夫、平沢貞通に信欽三と渋め揃いですが、最近の媚びた映画やドラマと違って、重厚な映画となっています。特に、B・Tと只野仁が出演していた松本某原作のスペシャルドラマはこの映画と比べたら唾を吐きたくなります。
故熊井啓監督のデビュー作 帝銀事件 死刑囚 [DVD] 信欣三; 内藤武敏; 笹森礼子; 北林谷栄; 高品格; 鈴木瑞穂; 佐野浅夫
今年亡くなった熊井啓監督のデビュー作品です。追悼の意味をこめて同時リリースされる「日本列島」と一緒にチェックしておきましょう。
昭和23年1月26日,東京都豊島区長崎帝国銀行(後の三井銀行。現在の三井住友銀行)椎名町支店で毒物による前代未聞の大量殺人事件が発生,容疑者としてテンペラ画家の平沢貞通(信欣三)が逮捕されますが,裁判では自白を翻して無実を訴えます。新聞記者ら(内藤武敏,鈴木瑞穂,井上昭文)は独自に調査を開始しますが,そこで意外な犯人像が浮かび上がってきます。
何といっても見所は事件の真犯人を追ううちに旧日本帝国陸軍の化学兵器開発に絡む暗部が浮かび上がってくる部分のスリリングな展開とキャスティングの見事さです。
平沢貞通を演じる信欽三は,被害者の証言で「ろれつがまわらない感じ」と表現される容疑者にこれ以上の適役はないと思われます。そして対照的に「キビキビした」口調の真犯人を演じるのが加藤嘉という絶妙な組み合わせで,これだけですでに映画になっています。また,この映画でも731部隊の生き残りとして後に「日本列島」でも極めて重要な役柄を演じる佐野浅夫を登場させています。
ラストに平沢貞通とその娘の愁嘆場を設けて泣かせを演出していますが,このあたりが熊井啓監督らしいところだとは思うのですが,どうなんでしょう。なお,犯人とされた平沢貞通氏は,昭和62年5月に95歳で獄中死しています。
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