カスタマーレビュー
<ネタばれ>何かを成し遂げるって大切なこと サン・ジャックへの道 [DVD] ミュリエル・ロバン
母の遺産を相続するためにはル・ピュイからサンディアゴまで歩かなきゃならない。なんとも突飛な展開から始まるこの映画には沢山の人の想いや気持ち、そして交流が描かれる。
遺産を相続するために一緒に歩くことになった兄ピエール、妹クララ、弟クロードはなんとも仲の悪い兄妹。ピエールはアルコール依存症の妻を抱え、自分は薬に頼るある会社の社長。クララは高校教師でクロードは酒びたりの失業者。メッカに行けば失読症が治ると信じ参加したラムジィとその友人サイード。サイードの高校の校長の娘カミーユとその友人エルザも偶然一緒のグループに。いつもスカーフを頭に巻いている不思議な女性マチルドを加えたこの8人を案内するのがガイドのギイ。3人の兄妹はケンカばかりだしサイードとカミーユはお互い惹かれながらもなかなか心の内を言い出せない。失読症のラムジィは字が読めないことで周りの同情を買ったり金持ちの娘エルザは途中で荷物を捨てる始末。ハチャメチャな展開で進んでいく序盤は衝突ばかり。だけど徐々に登場人物たちの交流が始まり心温まるストーリーへ。
ピエールは途中で薬を間違って捨てたことで薬無しでも生きていけることを発見。クララは失読症のラムジィに言葉を教える。サイードとカミーユとの関係も発展を見せる。
いろんな景色が映し出されその映像だけでも心を癒してくれる。広大な草原、急な坂道、岩だらけの砂利道。そんな険しくも美しい道をみんな一生懸命歩いて行く。最初は問題だらけだったけど『自分自身を探す旅』が最も適切な言葉であるような意義ある旅になっていく。そんなキャラクターたちの心の変遷にはとても感情移入してしまう。ユーモラスに表現された楽しい映画。何かを成し遂げるってとても大切なことと気づかせてくれる作品です。
独創的な夢の情景 サン・ジャックへの道 [DVD] ミュリエル・ロバン
旅の道すがら、登場人物たちが夜に見るそれぞれの夢の光景が
何度なく描かれるのですが、その映像がかなりオリジナリティに
あふれていました。
自分の街に残してきた家族のことや、心配事、自分のコンプレックスなど、
個々の想いがさまざまな形で夢にでてきて、
夢の中の場所もすべてサン・ジャックまでの道の途中。
つまり何もない草原、です。
正直なところ、本編見終わった後の、メイキングがより一層面白かったです。
10数秒の夢のシーンだけでも、撮影には何もない草原まで
動物の衣装や様々なセットや小道具を持ち込んで…
空の色合いが美しい時に撮影したりと、苦労と工夫がみえて楽しめました。
非常にこだわって創りこまれた映画です。
なかなかの良作 サン・ジャックへの道 [DVD] ミュリエル・ロバン
親の遺産を受け取ることが目的の3兄弟を中心とした、聖地巡礼の旅を行う人々を描いた物語。
特に見たい映画が無い状態で、何回かレンタルショップの店頭で見かけてるし見てみようぐらいの軽い気持ちで見たのですが、
期待以上に楽しめる内容でした。
まず全体の作風がいいですね。
病気や家庭環境に悩みを持つ人々が宗教や人種といった問題に触れながら笑いあり・涙ありの旅を繰り広げ、各々が自分や他者・環境と向かい合っていく。
こんなあらすじに惹かれる人ならばとりあえず楽しめるだろうと思います。少なくともハズレではないかと。
また、登場人物も魅力的です。
いい意味で素朴ながらくせのある人々が揃っており、みな個性的です。役者と役柄も合っているように思います。
何度か夢の内容を描いた抽象的な映像が挿入されますが、ここだけはいいか悪いか難しいところ。
こういった挿入無しで全編描いてくれた方が素直に楽しめた気もしますが、
端的に人物の心情・状況を描いて映画のアクセントになっていたりとマイナスばかりでも無いかなぁとも思います。
まぁ良くも悪くも物語の根幹に影響するほどの描写ではないです。
難しいことを考えず気楽に見られる作品。
ライトなノリながら内容はしっかりしてまとまりもある、シンプルな佳作です。
無心になって映画を見たい人に サン・ジャックへの道 [DVD] ミュリエル・ロバン
フランスからスペインのサンティアゴまでの巡礼旅行を通じて描かれるヒューマン・コメディ。カソリックのベタなプロパガンダ映画かと思いきや、宗教に批判的な高校教師やメッカへの巡礼と勘違いして参加するアラブ人少年がメンバーに入っているせいか、宗教色はほとんどいっていいほどスクリーンからは感じられない。
野を越え丘を越え、大きな石がゴロゴロしている未舗装路が生臭な巡礼者たちを苦しめるのだが、ツール・ド・フランスの選手たちが駆け抜けるアスファルトな風景とは異なり、手付かずの自然がなんとも美しく観客の心をなごませてくれる。そして、歩き疲れて巡礼者たちが宿泊所で見る、サルティンバンコチックな夢がまたいい。シャガールやダリの絵画を思わせるシュールな映像が、なぜか巡礼地の草原ととてもマッチするのだ。
仲の悪かった3兄弟の再生はともかく、せっかく文字が読めるようになったラムジイには局留の手紙を読ませて悲しい知らせをするべきだったし、スカーフおばさんの秘密をあれだけ引っ張ったにもかかわらず、ガイドの軽い種明しで流されてしまったのはなんとももったいない気がした。
歩いて歩いて歩きぬく。ただひたすら無心になって映画を見たい人におすすめしたい1本だ。
とても綺麗! サン・ジャックへの道 [DVD] ミュリエル・ロバン
母の遺産を相続するために、長い(何週間もの間自身の足のみで歩く)巡礼の旅に出る事になった仲の悪い3人の兄弟、兄(経済的成功を収めているが、妻が心的トラブルを抱えている神経質な男)、妹(国語教師にもかかわらず、非情に毒舌でイヤミが的を得ている、失業中の夫と子供がいる)、弟(以前結婚して娘がいる、その娘にまで金を借りて酒を飲もうとする程のアルコール中毒)、が参加する9人のグループの物語です。
それ以外の参加者もみな一癖も二癖もある人間が、時にはケンカもし(もちろん3人兄弟はケンカしまくり)様々な事を乗り越えていく話しです。スト−リィも、俳優も、そしてカメラもとても綺麗で素晴らしい。もっと話しとしてはイジレた様な気も致しましたが、とても素敵な映画です。また何よりも、その景観がスゴイ!!この旅に出たくなります。
特にチャーミングなのがアラブの字が読めない少年。彼はとても良かったです。
旅に出たいのだけれど、出れない事情のある方、一癖も二癖もあって毎日がキツイという方の息抜きにもオススメ致します。
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