カスタマーレビュー
透明で清楚な歌唱 カヴァー・アルバムの難しさ SONGS 山本潤子
山本潤子がいた赤い鳥、ハイ・ファイ・セット、と彼女の歌声に魅了されてきたものです。1969年デビューですから40年のキャリアをもつJ-POPを牽引してきた山本潤子のカヴァー・アルバムですが、どうも期待が先行したようです。
歌唱力はありますし、歌心もありますが、どうしてもそれぞれの原曲のイメージのほうが勝ってしまいます。それは多分山本潤子の歌唱の個性なのでしょう。赤い鳥もハイ・ファイ・セットもグループでのメインヴォーカルですから、どちらかと言えばハーモニーを崩さない透明な歌声のほうが、まとまります。ちょうど正統派の歌唱とも言うべきものでしょうか。良くも悪くも個性で勝負するのではないタイプだということでしょう。
原曲を上回る個性を持つほうが、カヴァー・アルバムの場合成功するように思います。オリジナルがヒット曲の場合、なおさらですから。
中島みゆきの「空と君のあいだに」はそれが良いほうに影響がでています。中島みゆきの強烈ともいえるあくを抜いた分、詩の持つ意味合いがとらわれなくリスナーの心に届くのは収穫でした。逆にいえば、中島みゆきの歌唱が図抜けて個性的である裏返しなのでしょう。
作曲者である村井邦彦のアレンジで歌われた「翼をください」は、40年前、赤い鳥がロンドンで収録した英語ヴァージョンを思い出しました。このようなジャズ・アレンジでこの曲を世に出したかったのでしょう。悪くはありませんし、素敵な楽曲に仕上がっていますし、山崎まさよしのコーラスもよい雰囲気を出しています。
なぜこの「翼を下さい」なのか? SONGS 山本潤子
だめです。
人の歌を歌ってる部分は、そこは潤子さんなので、歌は勿論安心して聴けるのですが。
あの「翼を下さい」は何なんでしょうね?あのガショーン、ガショーン、って音は何でしょうか?
別に敢えてこのCDに「翼を下さい」を入れる必要ないのでは?売り上げのために必要なら、ピアノだけの伴奏とか、それこそ完全なソロとか。ヴォーカル・アルバムなんだから。
「翼を下さい」の無垢な気持ちと、あの「ガショーン」が全く合っておらず、非常に興ざめでした。
よくあのアレンジで発売に踏み切ったな、と正直思いました。
歌のバランスが抜群で安定して原曲・歌の構造が楽しめ、且つその浸透力に驚くカバー SONGS 山本潤子
1.サンキュ.(DreamsComeTrue)
2.CROSS ROAD(Mr.Children)
3.恋の予感(安全地帯)
4.Missing(久保田利伸)
5.ロビンソン(スピッツ)
6.桜坂(福山雅治)
7.空と君のあいだに(中島みゆき)
8.最後の言い訳(徳永英明)
9.世界にひとつだけの花(槇原敬之)
10.一本桜 〜心根〜
11.翼をください
12.一本桜 ヴォカリーズver.
これぞ歌手の中の歌手によるカバーの素晴らしさ、です。でも感動したのは歌声だけじゃなくそのしなやかな表現力。歌い手のイメージが曲の隅々にまで行き届き、新しいいのちが通っているのを実感します。同じ曲調なのに気品と優しさで洗練されると、驚くほど物語の表情が変わり澄んだ色彩になります。すると本来もっている旋律の美しさが益々際立ってくるんですね。それは歌声のよさだけでない掌握の凄さではないかと。例えば山下達郎は「カバーをやれない歌手は信用できない」と言ったそうですが、やはり一流歌手のカバーというのは技術だけではなく、内面的な理解と掌握であり、そこへのイメージの浸透とアウトプットであるような気がします。小田和正が彼女を稀代の歌手、と呼ぶ意味の一端もそういう歌力からではないでしょうか。美声だけでなく魂が宿り且つくどくならない、当に邦楽カバーを代表する品質です。
1最後の台詞はこんな素敵な大人の言い方が、と発見。2は癖の強いサビも、洗練されしなやかな説得力をもつ大人のかたちに。7も印象が涼しさに変り、詞の純粋性が増したよう。ここにいるよという透明な鳴りに驚きです。3、4、8は男声曲を女声が掌握してゆくお手本音源かも。5、6、9は一層爽やかで、自身の10はNHK「どんど晴れ」挿入歌。POPSを超えうたとしての存在感が大きく、今作一番の聴き所です。12は無歌詞。11は緩やかなグルーヴでBVには山崎まさよしも。
やっぱりすごい SONGS 山本潤子
9曲までは、カバーにもかかわらず「ああ、いい歌だ。元歌は誰の?」
という詮索はまったく必要ありません。
すっかり山本潤子さんのものになってしまっています。
徳永英明のVocalistシリーズに、はまったのと同じパターン。
願えるなら是非SONGS2を出してもらいたいです。
「恋の予感」は、冒頭の「なぜ、なぜ〜」からゾクゾクっと来ました。
小田和正のDVDボックス「風のようにうたが流れていた」
でゲストで出演されているところは、もう何回も何回も見ました。
赤い鳥でデビュー以来ずーっとリアルタイムのファンの一人です。
赤い鳥の頃、小田さんが「稀代のボーカリスト」と称された、
その声は、現在少しも衰えることもなく味わいを増しています。
溢れる幸福感 SONGS 山本潤子
「うまい歌手がいい歌を聴かせる」という単純なこと。
いつまでも聴いていたいという優しい幸福感に包まれます。
カーペンターズを初めて聴いたときのような、喜びを久々に感じました。
理屈は必要ない。ただただいつまでも聴いていたい。
最新レビュー SONGS 山本潤子
収録曲・トラック
Disc1
1.サンキュ.
2.CROSS ROAD
3.恋の予感
4.Missing
5.ロビンソン
6.桜坂
7.空と君のあいだに
8.最後の言い訳
9.世界に一つだけの花
10.一本桜 ~心根~
11.翼をください
12.一本桜 ヴォカリーズ・ヴァージョン
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