1892年に初演されたチャイコフスキー最晩年の名曲『くるみ割り人形』の全曲と、1900年に初演されたグラズノフの『四季』。19世紀末のロシアのバレエ音楽をカップリングした二枚組CD。
『くるみ割り人形』は、全体にゆったりとしたテンポで語られていくロマンティックな演奏。第1幕の後半、「客人たちの出発、その夜」から「戦闘」「冬の松林」「雪片のワルツ」にかけての夢幻的な音楽の表情が素敵ですね。
ディズニーの映画『ファンタジア』でお馴染みの「アラビアの踊り」や「中国の踊り」といったディヴェルティスマンの小曲たちや、有名な「花のワルツ」といった曲では、ロイヤル・フィルハーモニーの管楽器奏者たちの艶やかな音色がよかったなあ。惚れ惚れさせられましたよ。
カップリングされたグラズノフの『四季』は、冬から春、夏、秋にかけてのロシアの移り変わる自然を、パノラマ風に描いたもの。チャイコフスキーの名曲に比べると明らかに音楽の質は落ちますが、これはこれで親しみやすいロシアの四季の音楽描写。ひとつ違和感を覚えたのが、全曲の白眉ともいうべき「秋」のバッカナールでの音楽の表情。結構気に入っている箇所なのですが、ここでの音楽の流れが、何かぎくしゃくしているように感じられたのが気になりました。
録音は、1989年11月と1990年9月、ロンドンにて。
それぞれの音楽を丁寧に説明した小倉重夫の解説文。分かりやすく、また、読みごたえのある文章でした。
Disc1
1.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 序曲
2.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第1幕 第1場 第1曲:クリスマス・ツリー
3.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第1幕 第1場 第2曲:行進曲
4.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第1幕 第1場 第3曲:子供たちの小ガロップと親たちの登場
5.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第1幕 第1場 第4曲:ドロッセルマイヤーの到着とプレゼントの配布
6.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第1幕 第1場 第5曲:くるみ割り人形とグロスファーターの踊り
7.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第1幕 第1場 第6曲:客人たちの出発、その夜
8.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第1幕 第1場 第7曲:戦闘
9.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第1幕 第2場 第8曲:冬の松林
10.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第1幕 第2場 第9曲:雪片のワルツ
11.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 第10曲:お菓子の王国の魔法の城
12.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 第11曲:クララとくるみ割り人形の到着|バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 第12曲:ディヴェルティスマン
13.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 a)チョコレート(スペインの踊り)
14.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 b)コーヒー(アラビアの踊り)
15.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 c)お茶(中国の踊り)
16.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 d)ロシアの踊り
17.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 e)あし笛の踊り
18.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 f)メール・ジゴーニュとポリシネル
Disc2
1.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 第13曲:花のワルツ|バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 第14曲:パ・ド・ドゥ
2.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 a)アダージョ|バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 b)ヴァリアシオン1:タランテラ
3.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 c)ヴァリアシオン2:こんぺい糖の踊り|バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 d)コーダ
4.バレエ≪くるみ割り人形≫ 作品71 全曲 第2幕 第15曲:終曲のワルツとアポテオーズ
5.バレエ≪四季≫ 作品67 第1場:冬
6.バレエ≪四季≫ 作品67 第2場:春
7.バレエ≪四季≫ 作品67 第3場:夏
8.バレエ≪四季≫ 作品67 第4場:秋