エディターレビュー
事故で視力を失ったミチルは、父と二人暮らしだったが、その父も病で亡くなり、ひとりぼっちになってしまう。気丈にふるまうミチル。そんな彼女の家に、家の前で起きた殺人事件の容疑者のアキヒロが、しのびこんできた。ミチルが目が不自由だとわかっていて家宅侵入をしたアキヒロは、ミチルに見つからないように気を配りながら、その家にいついてしまう。しかしミチルは人の気配を感じるようになり…。 乙一の傑作サスペンスを映画化。言葉をかわさないまま、音もたてずに、ミチル宅に潜むアキヒロ。何も知らずに生活をするミチル。家族を失った目の不自由な女性と居場所を失った男性が、お互い見知らぬ関係のまま、ひとつ屋根の下で生活をする姿は、状況を考えるとかなりサスペンスだが、本作はサスペンスに趣を置かず、孤独なふたりの間にたゆたう空気をていねいにすくいとって魅了する。ミチル役は田中麗奈、アキヒロは台湾の人気俳優チェン・ボーリン。監督は「AIKI」の天顔大介。(斎藤 香)
カスタマーレビュー
原作も気になる作品 暗いところで待ち合わせ プレミアム・エディション [DVD] 田中麗奈.チェン・ボーリン.井川遥.宮地真緒
乙一の原作を映画化。 少々耳慣れない題名も気になり、映画館で見たかったのですが、こちらを購入。 終盤の一部の展開は確かに急すぎて火サス。 が、閉鎖された穏やかな生活、奇妙な生活の始まり、主人公の心の変化・成長… 見て良かったと思います。 近所をお昼間に歩いて、周りの景色を見渡してみたくなります。 また、社会風刺のつもりは全くないと思いますが、当時〜現在の日本のバリアフリーのレベル、 日本人の視覚障害者への理解の低さに胸が痛みます。 盲学校などの近隣住民でなくても、杖を持ってツータッチで歩いている時点で 注意して通行するのが当然に思いますが、フィクションとはいえ、あまりにひどい。 ああいう若者って実際にどこにでもいるのでしょうね… 特典映像(メイキングが事細か!)の豪華さも含めて星五つで!
田中麗奈の演技力はすげえ 暗いところで待ち合わせ プレミアム・エディション [DVD] 田中麗奈.チェン・ボーリン.井川遥.宮地真緒
まず、気になったところから書いてしまうと、
原作では日本人であった主人公を中国人とのハーフという設定にした点。
この変更ははたして必要だったか、大いに疑問。同僚たちとうまくやって
いけず、孤立した主人公の立ち位置を強調するという意味では、
あながち失敗ではなかったと思いますが、ちょっとリスクが大きい変更で
はなかったでしょうか。差別問題やら、言語的ディスコミュニケーション
といった点やら、本来この物語には関係なかった余計な副産的解釈の余地を、
観る者に与えてしまっているような気がします。
それ以外に関しては、マイナス要素はあんまし感じられない素晴らしい作品
ではありますな。田中さんの演技は鳥肌モノの素晴らしさだし、演出的にも
かなりデリケートに原作の味を再現しようとしていると思います。後半には
思わずジンワリきてしまう場面もありまして、正直、ここまでよいとは思って
ませんでした。文句なしで良作といえる出来ですね。ただ、欲をいえば、
もうちっと・・・もうちょびっと(原作が持っていた、と私が個人的に思い
込んでいる)乱歩的官能が加わると、さらによかったと思いまっす。
おかあさーん! 暗いところで待ち合わせ プレミアム・エディション [DVD] 田中麗奈.チェン・ボーリン.井川遥.宮地真緒
ほぼすっぴんの田中麗奈が見られるという以前に、映画としての出来が出色だ。今村昌平監督の長男で『AIKI』を撮った天願大介の脚本家、映画監督としての手腕に拍手である。130分という上映時間を長いと感じない。いやあ、むしろこの物語を十分に描くには130分よりもっと時間をかけてもいいと感じるくらいだった。小説での設定と違いアキヒロは中国人とのハーフで中国育ちである。職場で「いじめ」に遭い強い孤独感と疎外感、そして敵意を抱いている。ミチルもまた自分の周りに柵を張りめぐらし、殻に閉じこもり、そこから出ようとしない。アキヒロは職場で、ミチルは友人と、言葉を交わす相手との関係では本当に心を開くことができないでいる。しかし、ある目的を果たすために侵入者になり続けるアキヒロと、その存在感からしかアキヒロのことを知るしかないミチルとには、二人の間にしか生じ得ない信頼関係が生まれ、その関係はじわじわと心に広がっていく。
中国の母に偽りの幸福を電話で知らせるばかりのアキヒロ。父親の葬儀の日に戸口まで来て帰る母親に向って「おかあさーん!」と何度も叫ぶミチル。お互いを闇の中から救うのは、闇の中でもがくお互いの姿なのだ。この感情の深みを、弱冠24歳で描いてみせた乙一の資質と、それを映像化した天願監督の誠実な描写力は素晴らしいとしか言いようがない。ぎこちない生き方しかできないアキヒロを健気に演じたチェン・ボーリン、内向的な性格の女性という今までにない役を演じることに挑んだ田中麗奈。二人の演技がさりげなく結実するラストでは、気持ちに日が差し込んでくるようだった。
弱味に付入る人間の醜い姿が、恐ろしいまでに醸し出されている。 暗いところで待ち合わせ プレミアム・エディション [DVD] 田中麗奈.チェン・ボーリン.井川遥.宮地真緒
静寂が続く淡々とした映画だが、待受ける"まさか"により明かされる真意はサスペンスならでは。
ミチルとアキヒロ。お互いに行場のないそれぞれが抱える事情(伏線)にリンクするストーリーが、せつなさをより一層惹き立てる。
終盤で一気に加速する展開には、何時しか目が放せなくなっていました。
田中麗奈のスタームーヴィー 暗いところで待ち合わせ プレミアム・エディション [DVD] 田中麗奈.チェン・ボーリン.井川遥.宮地真緒
本作のモチーフは原作の有無に関わらず、オードリーの「暗くなるまで待って」であろう。全体的なノリも似ているし。そう見ると、本作は田中麗奈のスタームーヴィーということになる。確かにここまで女優にフォーカスした日本映画は珍しく、いかにミチル=麗奈を綺麗に撮るか、魅力的に見せるかが最重要課題になっているようだ。ほぼノーメイクで充分イケる女優っていうのも、田中麗奈くらいかと思うので、その一点を持ってこの作品は成立している。脚本そのものはかなり甘いと思うし(いくら片田舎での事件とはいえ、交番のお巡りさんくらいしか捜査に当たっていないのは不自然だし、被害者の交友関係も洗うはず)、名優・佐藤浩市がどうして大石(チェン・ボーリン好演)をいじめるのか、その動機もハッキリしない。でも、そんなことはどうでもよいのである(笑)。オードリー作品も中身はいまひとつだったが、盲目のオードリーを世界の観客が見守るだけで大ヒットしたのだから。本作も同じである。メイキングでの麗奈はいつも通りのハジケぶりで現場を和ませている。打ち合わせ中のドリンクは律儀にもサントリーの天然水。なっちゃんはスポンサーも観客も裏切らないのだ(笑)。重厚なサスペンスを期待する向きには合わないかもしれないが、田中麗奈の良さを再発見するにはおススメの一作である。
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