エディターレビュー
2006年10月に公開された、上野樹里主演のヒューマンドラマ。共演は、本上まなみ、沢田研二ほか。成長著しい上野が、期待の女性監督・安田真奈のもと、家族の絆を再発見してゆく娘の姿を印象的に演じている。思春期〜20歳前後の女性にありがちな父親への反発や嫌悪感、気に入らないものをうざったく思う気持ち、自尊心の強さなど、主人公・怜(上野)の振る舞いはどこか可愛らしくもあり、深い共感をおぼえる。また、一見家族をないがしろにして店に賭けているような父(沢田)の姿は、その内面を知るうちにしみじみといとしく思えてくる。さらに、舞台となった和歌山県田辺市界隈の風景や、味わいのある和歌山弁で交わされる言葉は趣きがあり、本作をより情緒豊かなものにしている。故郷や肉親の尊さを見つめ直せる、素敵な物語。(みき〜る)
カスタマーレビュー
街の小さな電気屋さんの実態 幸福のスイッチ [DVD] 上野樹里
これを見れば現代のリアルな街の小さな電気屋さんの実態が手にとるように分かります。まるで追体験しているような錯覚に陥る。自分は三日間電気屋気分です。
それから方言もかわいい。みかんもおいしそう。
しかし上野樹里はそんなに美人ではないね。フツーぽいところがウケたのかもしれない。今の時代、上京したてのイモねーちゃん役といえばこの人しかいない感じ。こういう素朴な女の子が昨今めっきり減った気がする。
なぜ三姉妹は父親の浮気疑惑を不問に付したのか? 幸福のスイッチ [DVD] 上野樹里
これが、この作品を見終わって最初に感じた感想です。
この父親の浮気エピソードは作品中のひとつのヤマだと思うのですが、最初からあまり気にしていなかった姉(本上まなみ)はともかく、あとの二人(上野、中村)の心境の変化を追うことが出来ませんでした。そのためになんとなくまとまりのない作品に感じられました。
このあたりが丁寧に描けているともっと良かったと思います。
オルゴールのシーンが響いたなあ 幸福のスイッチ [DVD] 上野樹里
安田監督の作風は決して派手なものではない。本作も静かな語り口で、また絵にかいたような低予算(笑)ムービーである。3姉妹と沢田研二の出演料で「ザッツ・オール」みたいな感じだが、それでもこの作品が胸にジンと響くのは、矛盾なく書き込まれた脚本と、ベベチオの歌うテーマソングの効果が大きい。いくらいい俳優を揃えても「ありゃりゃ」という作品はそこかしこにあるし。加えて主演の上野樹里の完璧な演技。これだけ役柄に応じて感度を変えられる女優はそうはいない。ネチッこいんだが、イヤミにならない。ヒネクレてるんだけれど、応援したくなる。本当にそこいらにいそうな娘っぷりが凄いのだ。本上まなみ、中村静香も田舎娘らしい好演で、温かい良作に仕上がった。夜、山合いの町に電気がポツポツとついていく様だとか、人との交流で徐々に心を開いていく怜の心情の変化だとかもグッとくる。そして何より最後のオルゴールのシーン。あのシーンはダメだ。涙が止まらなくなる。怜のココロに「幸福のスイッチ」が入った瞬間である。怜は最終的には田辺の町に戻っていくのではないか。そんなことを予感させるラストシーンも秀逸だった。ポスタービジュアルがイマイチかな、と思うが(笑)、中身は最高の作品なので、あらゆる世代の人に観てほしい。
普遍的な家族愛 幸福のスイッチ [DVD] 上野樹里
上野樹里のこれまでにない表情が見れて良かった。演技も田舎の雰囲気に溶け込んで違和感がない。
最初はセーラー服で女子高生として登場し、デザイナーになって東京であか抜けたファッション。ジャージは、ある意味おなじみかもしれないが、電器屋の制服姿も似合ってる。
きっと上野樹里ファンは、映像と演技で満足できるかと思う。
しかし、映画のストーリーはあまりにも普通で、家族ってそういうもんじゃないの?っていうのが見終わった感想。特別に幸せな家族でもないし、予想外の事件が起こるわけでもない。
きっとみんなこういうもんだよね。と納得はできるけど、結局何が面白いのかと言われると答えにくい。
自己主張の強い主人公は仕事がうまくいかず、いらだって辞めてしまう。そこで、実家に無理矢理帰されて、反発していた家業を手伝う中でお客さんと向き合い、自己を主張するよりも、相手の要望を聞くことが大事だと電器屋の仕事から学んでいったようだ。
ちょっと仕事でイライラしてる人ならば、デトックスには良いのかもしれない。
幸福を求める人が見つけなければならないスイッチ 幸福のスイッチ [DVD] 上野樹里
小さな田舎町の小さな電気屋「イナデン」を舞台にした物語。
3人娘の真ん中のレイが主人公で、
顧客第一で仕事に励む父や、姉妹、
そして「イナデン」の客との交流を通して、
レイの心の成長や感性の変化が、ほのぼのと描かれている。
「親の心、子知らず」とはよく言うが、
子供が親の心を少しずつ理解していくプロセスが、
なんともあたたかく描かれていて、
鑑賞後には鑑賞前よりも少し前向きになっている自分に気づく。
この作品が与えてくれる「元気」のおかげだ。
また、町の小さな電気屋と大型家電量販店の戦いや、
弱者がビジネスを継続、拡大するためのヒントにも満ちている。
大企業が謳う「お客さまのため」というセールストークは、
もはや我々の心には響かない。
本当の意味で「人の役に立ちたい」と願い、
泥臭い仕事にも文句を言わずに気持ちよく取り組む
かよわき人々の偉大な戦いが見事に描かれている。
父や姉妹にイライラ、彼氏にイライラ、
周りの人にケチばかりをつけていたレイも、
必死に生きる人たち、厳しい状況の中でも前向きに生きようとする人々を目にし、
あのスイッチの存在に気づき、
パチンとONにすることで、
前に見えなかったもの、感じなかったものに気づいていく。
「ジョゼと虎と魚たち」でも変テコなおばあちゃん役を演じた新屋英子、
頑固親父を演じた沢田研二がとてもハマリ役で、
両方ともなんともいい味を出していた。
心が疲れている人たちにぜひみてもらいたい。
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