よくこれだけの企画が実現できたな、というのが正直な感想。実際に実現してこうやって発売されているのだから、誰でも聞いてみたくなるのではないでしょうか。日本では「霧のサンフランシスコ」で有名なトニー・ベネットですが、トニー・ベネットはジャズ・シンガーとして、デューク・エリントンやカウント・ベイシー、スタン・ゲッツ、ビル・エバンス、アート・ブレイキーといったジャズの巨人達と競演を果たしてきた歌手です。90年代、70歳になって再び盛り返し、80歳の記念に出されたのがこの作品。この作品にデュエットに参加した人達は、音楽を人生としているトニー・ベネットを深く尊敬しているのでしょう、きっと。リスペクトが感じられるのが何といっても嬉しくなります。ポピュラー音楽の記念碑的な作品ですね。
高齢ということもあるのでしょうか、ゲストを迎えた作品の続くT.ベネットの新作です。今回は一曲ごとに相手を変えた作品で、これまでになく豪華なゲストを迎えています。ベネット作品の常連k.d.langほかこれまでにもコラボレーションしたことのある人選が多いです。ビッグ・ネームが多いですが、比較的知名度が低いのは指揮者・ヴァイオリン奏者のPinchas Zukerman、ラテン系の若手で2000年のデビュー作がラテン・グラミー賞で3部門とった新人Juanes、Faith Hillの夫でもある若手のカントリー・シンガーTim McGraw、若手のビッグ・バンドのシンガーMichael Buble 、Stingとの活動が有名なトランペット奏者Chris Bottiあたりでしょうか。
近年作品はご高齢のためか声量が衰えつつあり、「賞味期限切れ」という厳しい声も聞かれます。しかし暖かく優しい声や音楽に乗っかる様子はますます良く、こうした味はこの年齢ならではのものだと思います。
なお、CDはヴァリエーションが少なくとも3つあり、うち2タイプは19曲の構成で19曲目が"If I Ruled the World"(with Wang Leehom)または"How Do You Keep The Music Playing?"(with George Michael)となっております。日本盤のみその両方を収録した20曲ヴァージョンになっています。
Disc1
1.ブロードウェイの子守歌(デュエット相手:ディクシー・チックス)
2.スマイル(バーブラ・ストライサンド&ピンカス・ズーカーマン)
3.プット・オン・ア・ハッピー・フェイス(ジェイムス・テイラー)
4.ザ・ヴェリー・ソート・オブ・ユー(ポール・マッカートニー)
5.いそしぎ(フアネス)
6.ラグス・トゥ・リッチズ(エルトン・ジョン)
7.ザ・グッド・ライフ(ビリー・ジョエル)
8.コールド、コールド・ハート(ティム・マッグロウ)
9.イフ・アイ・ルールド・ザ・ワールド(セリーヌ・ディオン)
10.ザ・ベスト・イズ・イェット・トゥ・カム(ダイアナ・クラール)
11.フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ(スティーヴィー・ワンダー)
12.アー・ユー・ハヴィン・エニー・ファン?(エルヴィス・コステロ)
13.ビコーズ・オブ・ユー(k.d.ラング&クリス・ボッティ)
14.ジャスト・イン・タイム(マイケル・ブーブレ)
15.ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリームス(スティング)
16.アイ・ワナ・ビー・アラウンド(ボノ)
17.シング・ユー・シナーズ(ジョン・レジェンド)
18.霧のサンフランシスコ(ソロ)
19.ハウ・ドゥ・ユー・キープ・ザ・ミュージック・プレイング?(ジョージ・マイケル)
20.イフ・アイ・ルールド・ザ・ワールド(ワン・リーホン) ※アジア用ボーナストラック