エディターレビュー
『アメリカ,家族のいる風景』で、ヴィム・ヴェンダース監督は『パリ、テキサス』で初めて取り組んだ文学的、比喩的な作品に再びチャレンジした。アメリカ南西部が舞台になり、脚本にサム・シェパードが関わったのも以前と同じである。今回はシェパードが主役も務めた。彼が演じるハワード・スペンスはかつての西部劇スターだ。ある日モニュメント・バレーで撮影をしていた彼は、ブーツを脱いでネバダ行きの電車に飛び乗り、母親(いつまでもチャーミングなエヴァ・マリー・セイント)に会いに出かけた。映画関係者に雇われた探偵サター(ティム・ロス)が、彼の後を追っていることには、まだ気づいていない。次にスペンスはモンタナへ行き、身内の死から立ち直ろうとしている若き女性スカイ(サラ・ポーリー)に出会う。そして、クリス・アイザックのように歌う、どこか反抗的な青年アール(ガブリエル・マン)。彼が若気の至りの行為によって生まれた自分の子どもだということを、スペンスはまだ知らなかったが、後にこの衝撃の事実を知ることになる。ビュートにいる間に、彼は昔の恋人ドリーン(ジェシカ・ラング)を捜し当てる。この『アメリカ,家族のいる風景』で、ヴェンダースとシェパードは回顧的な雰囲気を大切にしたため、スペンスは『パリ、テキサス』でハリー・ディーン・スタントンが演じたトラヴィスよりも年を取っており、悲嘆的になっている。強烈な印象を残すわけではないが、西部をテーマにした近代映画のうちの名作に加える価値がある。フランツ・ラスティグの撮る画面は燃えるような赤に萌えるような緑など色彩が美しく、T=ボーン・バーネットの物憂げな音楽もいい。(Kathleen C. Fennessy, Amazon.com)
カスタマーレビュー
なぜモンタナ州ビュート アメリカ、家族のいる風景 [DVD] サム・シェパード
というのは、ヴェンダース監督の「ハメット」の最初のほうにモンタナ州ビュートという地名が出てくるのですが、きっと彼はアメリカでこんな映画を撮るのが夢だったんじゃないだろうか!?
グーグルアースで見るとビュートは何にもないところにある小さな町。映画に出てくる通りもわかるほど。アメリカの田舎(ど田舎)で、いかにもありそうなお店やいかにもいそうな人々が出てくる映画です。きっとドイツ人がアメリカを見たときの印象から来ているので、日本人がアメリカを見るときと共通するものなんだろうなと思います。主人公のお母さんとか、ウェイトレスとか、インディアンとか、フィットネスクラブ、単純に真四角の建物とか、砂漠、馬、道路。ストーリーや豪華なキャストにも目が行きがちですが、そういったところにもアメリカらしさがよく出ている映画だと思います。
普通の「アメリカ」 アメリカ、家族のいる風景 [DVD] サム・シェパード
アメリカというと、
ニューヨーク、ワシントンといった都会しか
イメージできないほど、アメリカについては
何も知らないのですが、
アメリカの普通の田舎町が、どんなところなのか、
ということをこの映画を通じて知ることができました。
へー、こんなに静かで、人が少ないんだ・・・・
諦めの受容 アメリカ、家族のいる風景 [DVD] サム・シェパード
独身中年男性が、現在の自分の人生に虚無を感じ、仕事をほっぽり出して、存在する自分の子供を捜しに旅に出かけるロードムービー。
西部の荒涼とした空疎なアメリカの砂漠が、どこまでも映し出される。ティム・ロスが砂漠で、さらりとフィリップスの電動シェーバーを使って髭を剃る。この髭を剃るシーンがとてもきれいだ。開拓されていない空っぽの砂漠と、トリプルトラックヘッドシェーバーとの対峙が、やわらかな陽光の下とても美しい。
男は幸せな家庭を築くことを自分の夢とするのか、自我の実現を自分の夢とするのか、といった野暮ったい話ではない。どちらかを選択する以上、必ず後悔するというペシミスティックな話でもない。旅をすることで、濃密な空疎の中で、人生のある種の諦めを受容する話ではある。朗らかな風が、人間味のある旧車が、1人の男の旅を、優しく当然のこととして称えている。
映像の色彩 アメリカ、家族のいる風景 [DVD] サム・シェパード
まったく期待せずに観たのだが、素晴らしかった。
秀逸なセンスとカメラワークでアメリカ西部の乾いた空気感や、
他者との「コミットメント」に飢えてる人々の寂寥感を出している。
そして、映像の色彩というか、「色合い」が素晴らしい。
いかにもアメリカらしい青い乾いた空の鮮やかさ。
しかしそれは「カリフォルニアの青い空」とは違うのだ。「寂しい青」とでも言おうか。
そこにはためいているアメリカ国旗。
そんな風景の中に立つサラ・ポーリー(良かった!)の諦念を含んだ哀しい笑顔。
ブロンドの髪。ワイン色のジャケット。青い骨壷。
すべてが完璧なハーモニーを奏でている。
ただ、この邦題の付け方はいかがなものかと思うが・・・。
最高傑作です アメリカ、家族のいる風景 [DVD] サム・シェパード
たまたま母と一緒に劇場で鑑賞しましたが、親子で涙が止まりませんでした。
ある特定のテーマを押し付けるような厚かましさはなく、見る人それぞれが、それぞれの感覚で「家族」を感じられる作品となっています。
感動するところを述べたらきりがありませんが、私は娘が父親に大して純粋に気持ちを打ち明けるシーンにとても感動しました。彼女の素直さがアール(息子)の気持ちを溶かしたのだと思います。
それにしても、なぜベンダースが老人を描くとこんなにも素晴らしいものになるのでしょう。
日常忘れがちですが、改めて老人に敬意を感じることができました。
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