カスタマーレビュー
05年の邦画最高傑作 カナリア [DVD] 石田法嗣
「黄泉がえり」をひとまず置いて、あの「害虫」の塩田明彦が帰ってきた!というインパクトだ。しかも「害虫」では、やや舌足らずだった部分が、本作品では格段に成熟し、確固たるものになっている。そんな作品の強度が素晴らしい。終盤、伊沢が光一に「自分自身に押し潰されずぬに生きろ」という一連の長台詞にそれが表れている。まさしく言わんとするメッセージがそこにある。主役の二人だけの物語だけに収めす、カルト教団とは何だったのかもストーリー上に投げ掛ける広がりのある世界観。「害虫」のそれを受け継いだ、子供の視点での大人世界の不条理。光一の祖父が彼の妹を自分の娘(すなわち光一の母)のやり直しのように育てようとする身勝手さ。(しかし、言句に尽くせぬ程のイヤガラセや中傷を浴びてきた事も説明されているので、やや同情的なニュアンスも伺えるが)、その母は自分と妹の存在など無視するかのように勝手にオトシマエをつけて自死してしまう。そんな愚かな大人達を忘れるな、力強くお前達の時代を生きろ。と言わんばかりのポジティブなエンディング!更にトドメをさすかのようなZAZEN-BOYSのラジカルなテーマ曲が一際鮮烈だ。
ユキの老人との交流に癒される カナリア [DVD] 石田法嗣
いつか死ぬまでの「自立」という果ての見えない旅を始めた若すぎる2人(最後には3人)が
自力でその入り口にすら辿り着くのはほとんど絶望的な事でしかないだろう
映画を見終わり現実に戻ってそれを思うと暗澹としてしまうのだが
物語前半,何かと闘うように喋り続けだったユキが
コウイチや真っ正直に不器用に生きている他人との関わりの中で
段々と穏やかになっていったのは印象的だった
お婆ちゃん子だったらしい彼女が劇中
3人の立場を異にする老人と穏やかな交流をする場面は印象に残る
(最後の一人を除く)老人達へのいたわりの場面に癒される
子供も大人も迷ってる カナリア [DVD] 石田法嗣
後だしジャンケンなので信じてもらえないかもしれないが、
ボクも、蓮實重彦と同じように贅沢に作られた作品だと思った。
とはいえ、それは蓮實氏の云うような深い部分でなく、もっと浅い部分についてである。
それはかつて塩田作品を彩ってきた俳優たち(水橋研二、つぐみ、りょう)や、
楽曲を提供した向井秀徳らが再集結していることや、なにより
『害虫』の監督とは思えないほど饒舌な数々の台詞について感じたことだ。
ボクとしては、もう少し言葉少なく映像で語るような従来の作品の方が好みである。しかし、
邦画メジャーでヒット作を演出する経験をして、監督にも心境の変化があったのかもしれない。
いや、子供のみならず、大人たちも体面を気にすることなく迷うような時代には、
大人が子供にかけてやるべき言葉や、子供たちのそんな大人たちに対する抵抗の言葉、
そして子供たちが明日へ向かう決意を抑制せずに表現すべきだと監督は考えたのかもしれない。
今、大人は「大人」であることより、「個人」であることを選ぶようになった。
そんな大人たちを見て、子供たちの出した結論が、この映画のラストだったのかもしれない。
((なお、ルール違反かもしれませんが、星の数に意味はありません))
りょう×つぐみ カナリア [DVD] 石田法嗣
映画内容は除外すると、
りょうサン×つぐみチャン の、同性愛シーンが『良く撮れていた』と思う。
つぐみチャンは、名作『月光の囁き』から塩田監督と撮影を共にして、本作にも登場!
なので、
ひらがな三文字の女優サンを『相方』に探して、りょうサンが起用されたのだと思う。
それから、
腕ひしぎ逆十字固め、裏アキレス腱固め の『技』が、正確に再現されており、
前作の『紀雄の部屋』で、プロレスマニアの彼女/役を演じてるので、レスラー直伝だと思う。
映画内容は、星2つ
りょう×つぐみ は、星5つ
ズシンとくる重さがありました。 カナリア [DVD] 石田法嗣
ファンタジーの快作『黄泉がえり』の後は、またガキタレ
映画ときいて、正直がっかりしました。しかし、観終わっ
て自分の考え違いに気づきました。この監督は、時代の
歪みをストレートに映してしまう子供を、敢て主人公に据
えているのだと思い直しました。それだけに、元信者の
伊沢(西島秀俊)が主人公の少年(石田法嗣)に向かっ
て言う「自分が何者であるか、自分自身で決めなくては
ならない。自分が自分でしかないという、その重荷に負
けるな。」という言葉には、重みがありました。それは、
直接にはカルト集団の刷り込みを解くことを意図したもの
でしょうが、さらに考えると、どこかのタイミングで大人で
ある親が子供に言わねばならぬことであり、しかも往々
にして言いそびれてしまう言葉です。今の時代を生きる
全ての者への普遍的な人生の助言として、監督が親に
代わってメッセージを発してくれました。
以前、来春中学校を卒業する長男と一緒に、『どこまで
もいこう』や『まぶだち』を渋谷の映画館で観ました。反
応はイマイチだったと記憶しています。懲りずに本作を薦
めてみようかな。
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