エディターレビュー
この1時間20分の2枚組アルバムのためにソロのライヴ形式に戻ったキース・ジャレットは、絶好調だ。本作品は2002年に3日を開けて2晩、大阪と東京で録音されたが、2005年になるまで発表されなかったもの。ここでジャレットは事前の計画なしに、録音を3つ行った。それでもエネルギーを自分とその手に移動させて、哲学的、そして物理的な要素がひとつになった場合にのみ見られる域に達している。リスキーな方法だが、彼の40年に渡るキャリアの中で、もっともインスパイアされてチャレンジ精神に満ちたアルバムのひとつとなっている。
普段のジャレットの音楽コンセプトは、クラシックとジャズ、アバンギャルド、そしてダイナミックでメロディアスなアイデアをひとつに収めるところにある。このアルバムの静かなパートの大半でさえも、エネルギーのレベルは弱まることがなく、このパフォーマンスは音符と音符の間も、音符そのものと同様に濃密で重要なのだと証明している。「Part 6」のような微妙な一節から、もっと耳障りな作品「Part 7」まで、ジャレットは彼本人だけでなく聞き手も照らし出すような旅に誘ってくれるようだ。この神々しくて頑固な部分と柔軟性をあわせ持ち、感情を引きだしてくれる音楽が、内なる使命を常に負い続けるミュージシャンから送り出される。昔からのファンはこのパフォーマンスに心躍らせ、先入観のない新しい聞き手はキース・ジャレットの才能と妥協することのないビジョンに驚愕することだろう。(Hal Horowitz, Amazon.com)
カスタマーレビュー
プレーズ第二ソナタの延長上に自らを置いて Radiance Keith Jarrett
2002年10月27日大阪(Part 1-13)と2002年10月30日東京(Part 14-17)のライヴ録音。ECM1960/61。
ソロ・ピアノ故に過去のソロ・ピアノ・ライヴを期待してしまうファンも多いだろうが、ここでのキースははっきり言って別物である。僕の率直な感想は、アーノルド・シェーンベルグやベーラ・バルトークのピアノ作品。そしてピエール・プレーズの第二ソナタの延長上に自らを置いて創り出しているような感覚を覚えた。所謂12音階的なアプローチが随所にある。
この後の2005年9月26日のニューヨーク・カーネギー・ホールでのコンサートを収めた『The Carnegie Hall Concert』と比較するともの凄く現代音楽的である。そんな自分の新しい世界を描こうとする彼を好きか嫌いかでこのアルバムの評価は分かれてしまうと思う。
破格です! Radiance Keith Jarrett
ケルン・コンサートやパリ・コンサートとは又違った趣きです。キース・ジャレットも、年齢を重ねたんだなあということを漠然と感じるアルバムです。 玄人はこのアルバムをみな絶賛しています。そんなに素晴らしいアルバムなのか、確かめてみる良い機会です。個人的には、そんなに凄い出来ではないと思いますが、割と好きで何度も聞いています。
正直なところすべては楽しめない Radiance Keith Jarrett
危険な雰囲気は薄々感じてました。その予感は当たってた ようで、正直なところその全てを楽しめる音楽ではないと思います。 ここで星5つの評価が私には理解できません。星5つのCD は誰が聞いても納得できるものでないといけないと考えている のですが、"Radiance"がそれに該当するとは思えないのです。 確かに聞かせるキース節はところどころ(Part8など)にありますが、 キースファンには薦められても、それ以外の方に無条件に薦められる ものではないというのが感想です。抽象的な言葉でキースの全てを 正当化するのは自分にとっては正直な行為ではありません。 キースが出すものならなんでも星5つになってやしないか?と疑問... "The Melody At Night, With You"ならば聞き手を選ばず推薦できる のですが"Radiance"がそうかと問われるならば否です。良いか悪いか ではなくそういう音楽なのだと思います。
時の流れを感じます Radiance Keith Jarrett
昔、ケルンコンサートを聞いたとき、この弾き手には、神が降りてきて代わりに弾いているのだと思いました。また、数年前、メロディアットナイトを聞いたとき、神を意識しない円熟した人間の温かみを感じました。そして今回は、神に近づきたい、もう一度、神に触れてみたいという人間の欲望を感じました。でも、もう、神は降りてきていません。
ここまでやってしまうものなのか Radiance Keith Jarrett
キースのソロはもう聴くまい、そう思った時期がある。トリオの作品が続き、ソロは実際ブレゲンツあたりで玉切れなんだろうなと解釈していたわけだ。発売されてから何年ものあいだ、「ラ・スカラ」も聴かずにいたのだが、しかし、・・・・。ひょんなことから「ラ・スカラ」を聴くことになった。誰に薦められたわけでもないのだが。(そもそも今ぼくの周囲にはキースのソロに関心のある人がいない。)そんときゃたまげたね。この人はこんな風に進化していくのだ。良くも悪くも聴き手を裏切ることにかけてキースの右に出るものはないんじゃなかろうか。 クラシックの現代音楽を聴くと、ぼくは決まって白けた気分になる。抽象的な音塊があらかじめ書かれたものだというのが何か阿呆らしいから。 「ラ・スカラ」は現代音楽の実践は即興によって試みられるべきことを、クラシックだのジャズだのというジャンルに関わらず示した記念碑となるかも知れない。キース自身の解説に登場するスカラ座の舞台管理人の逸話は多分、額面通りに受け取って間違いではあるまい。 ブレーメン、ローザンヌ、ケルン、サンベア、ステアケース、ブレゲンツ、その当時のソロは確かにメロディアスで聴きやすい。その後はタッチが軟弱で、退屈なものばかりだ。そこに「ラ・スカラ」が革命をひっさげて現れた。これは革命を正当に継承した秀作だ。「ラ・スカラ」と合わせて聴きましょう。
最新レビュー Radiance Keith Jarrett
収録曲・トラック
Disc1
1.Radiance
2.Radiance
3.Radiance
4.Radiance
5.Radiance
6.Radiance
7.Radiance
8.Radiance
9.Radiance
Disc2
1.Radiance
2.Radiance
3.Radiance
4.Radiance
5.Radiance
6.Radiance
7.Radiance
8.Radiance
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