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息子を思う父親・妻の気持ちと国家に対する怒りを描いた秀作 ミッシング [DVD] ジャック・レモン
南米という地域はなぜいつまでたっても民主的で、平和にならなのでしょうか。この話は実話です。40年近く前、チリに初の社会主義政権が生まれました。しかし、そのアジェンデ政権はあっという間にクーデターで倒され、アジェンデは殺害されました。その最中、チリにいた若い作家志望の米国青年が行方不明になります。息子の行方不明の知らせを受け、父親が駆けつけます。そして、息子の妻と懸命な捜索を行います。明らかに軍によって検挙されたのに行方がようとしてしれません。米国大使館も全面協力と口では言うのですが、腑に落ちないことばかり。この悪名高きクーデターでは何万とも10万とも言われる人たちが虐殺されています。息子はそれに巻き込まれたのです。しかし、なぜ?どこを探しても、死体をすべて検分しても見つからないのか。ちょっと世間知らずの青年が大意なくとったちょっとした行動から非情な仕打ちを受ける。国民を守ってくれると思っていたのに国家に裏切られる親子の悲劇。いまでは、だれでも知っているこの歴史的事実、善良なる米国市民の父親役のジャック・レモンが「国家」に対する怒りを熱演しています。若い妻を演じたシシー・スペイシクも良かった。とてもシビアな内容の映画ですが、こんな映画も米国はつくったのです。
残念ながら米国人では撮れなかった強烈なプロテスト映画 ミッシング [DVD] ジャック・レモン
1970年、民主的な選挙によって史上初めて誕生したアジェンデ大統領率いる社会主義政権の実験は、世界各国の知識人から注目される中、わずか約3年でピノチェト率いる軍部クーデターにより崩壊します。このクーデターの背後には国際的コングロマリットであるITT社と米CIAの介在が後々取りざたされることになりますが、この間、世界から集まった知識人を含む多くのアジェンデ協力者が失踪し、その後長く続くピノチェト独裁体制に対して世界の批判が集中することになります。このクーデターの顛末中、実際に失踪した米国人青年と、その捜索のために米国から渡ってきた家族の絶望的な日々を力強いタッチで描いたのが本作品です。「Z」や「告白」で、人権を踏みにじる政治権力に対する激しい異議申し立てをスクリーンに叩きつけたコスタ・ガブラス監督(本作は共同脚本も担当)が初めて、米国資本により撮りましたが、製作は「スパルタカス」でドルトン・トランボを実名復帰させたほか、フランケンハイマーとのコンビ作で知られる気骨漢のエドワード・ルイスです。1982年のカンヌ映画祭で作品大賞と主演男優賞(ジャック・レモン)を受賞しました。
最新レビュー ミッシング [DVD] ジャック・レモン
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