エディターレビュー
浪人生の誠(浜田光夫)は入院した病院で道子(吉永小百合)と知り合い、お互いを意識するようになる。しかし誠が大学に入学して2年目、久々に再会したふたりだったが、道子の病状は思わしくなく、やがて彼女の病気が軟骨肉腫という難病であることがわかる。ふたりは文通を続けながら、お互いの思いを確かめあっていくのだが…。 実在の恋人同士の書簡集を原作に、斎藤武市監督がメガホンをとった純愛映画の国民的大ヒット作。若者たちの純粋な想いと、重苦しい死の影とが巧みに合わさって、その悲劇性はますばかり。ついには顔半分を切除されてしまうヒロインの姿は痛々しく、それでも画面からこちらを真摯に見据える吉永小百合の瞳には、ただただ圧倒されるのみである。(増當竜也)
カスタマーレビュー
事実の力 愛と死をみつめて [DVD] 浜田光夫
作品の出来具合と作品の観客の心を捉える力は全く別物であることが良く分かる映画。 吉永小百合は現在の女優と比べても美人だが、演技の方は下手ではないが巧いと言う程ではない。最近の女優なら仲間由紀恵に当たるだろう。 演出は誇張が強過ぎ、興醒めな場面が多過ぎる。例えばミコさんが苦痛に頭を抱え崩れ落ちる描写は悪趣味以外の何物でもない。吉永の美貌と若さを使えば間接的だがハッキリと軟骨肉腫の恐ろしさを表わせたはずだ。 好意的に解釈すれば、ミコさんの御遺族とマコさんへ配慮し敢えて現実的にせず演劇的(=誇張)にしたとも取れる。 事実の基づいた物語は作る方だけでなく観る方も簡単には楽しめない。実際に我が子を失い泣き崩れた母親がいるという重い現実があるだけでなく、事実と物語を区別しにくい。誇張が強過ぎる演出の利点は作品に感情的に巻き込まれるにくいからこの二点に煩されない事。犬童監督が撮った広末涼子版を観るとこの点の違いがよく分かる。 「ミコさん=吉永」でなければ、つまりこの映画からミコさんとマコさんの人柄と生き様という事実を抜き、大袈裟な演出と吉永の美貌と魅力だけでこれ程ヒットしたとは考えられない。
良い、悪いなど下衆なこと考えずに、作品に内在化して観られたし。 愛と死をみつめて [DVD] 浜田光夫
組織論の研究をしている途中で、組織社会学者の横山知玄氏が『現代組織と制度』文眞堂(2005)の中で、大島みち子氏に注釈で触れておられるのを知った。どうも気になるので、本DVDを購入し、鑑賞した。
何が、何ゆえに、絶望のうちにある人にすら生きる意味を与えるのか。苦しい現実の経験にもかかわらず、その現実に意味を与え、その現実を説明するものは何なのか。
吉永小百合さんの主演である。激しい痛みに耐えながら、明るく病院の電話に出るみち子。「時には 悲しい嘘をつかねばならない」。医師の推測する余命との一日刻みの戦い。恋人に話す電話の声。テーブルセンターの話題。「素敵な図案考えたから きっとマコのお気に召すのができると思うわ それからね お部屋のかた 昨日一人 明日一人 退院するの 急に寂しゅうなるから マコ どんどんお手紙ちょうだい」
最後に、宇野重吉さんが車椅子から、怒鳴ってくれた。泣かせてくれたね。私も東京オリンピック(1964)をテレビで見た世代だが、その年の芸術祭参加作品。当世のニタニタした時代にご不満のご同輩、是非、ご覧いただきたい。
モノクロだけど一見の価値がある映画 愛と死をみつめて [DVD] 浜田光夫
テレビドラマで「愛と死をみつめて」に興味を持ち見たのですが、
一言で言えば、とても良かったの一言です。
私にとって吉永小百合は、すんごい年上の女性なのですが、
みち子さんになりきった吉永小百合は、とても美しく可愛く感じました。
微妙に原作と違うところはありますが、気にならない程度です。
悲しいお話なのに、主人公の「ミコ」の生き様に圧倒され、
色々な事を考えさせられる内容です。
モノクロだけど一見の価値がある映画です。
いつまでたっても色あせない 愛と死をみつめて [DVD] 浜田光夫
1960年代に思春期を迎えた人間で、この原作を読み、映画を見なかった人はいなかったのではないかと思う。
最近、テレビでドラマ化されるようだが、私は期待していない。時代が違いすぎるもの。
この物語は、「いつまでたっても色あせない」けれど、リアルタイムで経験したか否かで、印象は全く違うと思う。
不治の病の主人公とたまたま同じ病院に入院した中央大学生(僕の母校だ)が、今と違って、メールではなく手紙で〜しかもタイムラグがある〜切々とほのかな愛情を伝える物語は、原題を基準にすれば、もどかしすぎる。
僕は、ボロボロになるくらい原作を読み、映画館に通い、主人公の「マコ」の大学の後輩になって飯田橋あたりの名画座にこれがかかると見に行っていたが、吉永小百合さんが完全に「ミコ」になりきった鬼気迫る演技にいつまでも、飽きることはなかった。
この作品を、全く新規に見る方には、相当の違和感があるかもしれない。特に、この作品が製作された後の世代には、まどろっこしい作品かもしれない。しかし、かつて、日本でもこういう心情を持った人が多数存在して、圧倒的な支持を受けたことを、頭の片隅においていただき、今の日本を考えてくれたら嬉しいなどと、中学一年のときにこの原作を読んだおじさんは考えるのです。
怖いけど最後まで引き込まれました 愛と死をみつめて [DVD] 浜田光夫
以前TVでみて忘れられなかったので、購入しました。 60年代初頭の大阪の雰囲気ってこんなだったのですね。 最初は「ミッチーとヨシリン」状態だった二人が、見る見る内に離れて行ってヒロインが死に向かい合うあたり、鬼気迫るものがあります。 いっしょに見ていた10代の娘が吉永小百合の美しさと展開の「ありえなさ」に仰天してました。この頃の死生観は隔世の感があり、純愛メロドラマとして人気を博したことが信じられませんが、一見の価値あり、おすすめです。
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