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映画ブエノスアイレスをこよなく愛してしまった人には、究極の贈り物 ブエノスアイレス 摂氏零度 [DVD] レスリー・チャン
映画ブエノスアイレスをこよなく愛してしまった人には、究極の贈り物ともいえるカットされてしまった映像と、製作秘話。この映画には40万フィートのフィルムが回され、7つの結末が用意されたとは聞いていました。完成版とはならなかったエンディングはどんなストーリーだったのか、その疑問への答えがあります。
さまざまな支障のため撮影が長引き、とうとう、レスリーが自分のコンサートのために香港に帰らなくてはならないことに。WKW監督は、本来のトニーとレスリーの2人の物語を大幅に軌道修正しなくてはならない事態になってしまう。頭を抱える監督。いつ終わるとも分らない撮影。誰もが望郷の思いで行き詰まっていた当時。そして誕生した新しいエピソード。関係したスタッフ全員にとって分岐点となる作品となったこと。仮説だけど、もしもレスリーが香港に帰ってしまわなかったらどういう結末になったのか、それはそれで想像するのも面白い。
それにしても、完成版には入らないで惜しげもなく捨てられた映像の何と幻想的で美しいことよ!結局全部カットされてしまったけど、旅先でファイことトニーが出会う女性と遊園地で遊ぶシーンも背景に流れる甘いパロマの曲と共に何時までも心に残る。ブエノスアイレスの夜の風景、汽車の窓の外を流れる木立と木漏れ日。どれもこれも、息がとまるほど素晴らしく、「華麗」としか言いようのないカメラワークです。WKWの映画の中では一番大胆で実験的な映像を作っているという気がしました。
このドキュメンタリーを見て、ブエノスアイレスの映画としての素晴らしさを、改めて再確認しました。
ずーっと見とれていたい・・・。 ブエノスアイレス 摂氏零度 [DVD] レスリー・チャン
ブエノスアイレスでハッピーバースデーの歌声のなか、そっとキャンドルを吹き消すレスリー・・・。トニーと笑顔で肩をくんだり。タンゴのレッスンでの高貴ささえ漂わせる立ち姿・・・。レスリーとトニーの醸し出す世界に幻惑されます!!それにしても香港にコンサートのためレスリーが帰ってしまった後の酔いが醒めてしまったような虚しさ、つまらなさ。レスリーはいてくれるだけでよかったのに!!
せつない台詞 ブエノスアイレス 摂氏零度 [DVD] レスリー・チャン
レスリーの笑顔を見たとき、彼が死んだなんて信じられなかった…。 『ブエノスアイレス』自体もすごく好きなんだけど、これはまた違った意味での傑作。 未公開シーンでの、シャーリー・クワンの台詞がいい。 「これは口実 一緒にいたいの」 この台詞に出会えただけで、幸せだった。
「ブエノスアイレス」が "最果ての地" なら「摂氏零度」は "何かが終わる時" ブエノスアイレス 摂氏零度 [DVD] レスリー・チャン
「ブエノスアイレス」のアナザーストーリー+メイキングだが、本編に採用されたなかったカットが次々と披露されていて、そのひとつひとつの完成度の高さもさることながら、ウォン・カーウァイ監督がこの映画のためにいかに多くの素材を用意し、またいかに多くの映像とストーリーの選択肢の中から本編を編み上げていったのかがうかがい知れて改めて驚嘆させられる。 たったひとつのストーリーを紡ぎ出すために、自らが模索しながら作り上げた部品の多くを削ぎ落としていく作業はさぞかしつらいものではなかったのだろうか。そんな作り手側の苦しみや飢餓感がひしひしと伝わってくるドキュメンタリーであった。本編「ブエノスアイレス」では、最後にたどりつく場所としての「行き場のなさ・地の果て感」が漂っていたが、この「摂氏零度」では時間の流れのなかでの「先のなさ・終極感」とでもいうべきものを感じた。
NO TITLE ブエノスアイレス 摂氏零度 [DVD] レスリー・チャン
映像にはスタッフが主に登場する。 彼らは撮影現場を回り、映画への思いを口にする。 それに監督・俳優のコメントやメイキング、登場人物の知られざる背景などを織り交ぜて物語は進んでいく。 特筆すべきはレスリーが監督の指示でトニーとタンゴを踊るシーン。 それまで個々に練習していた二人が一瞬で恋人同士になる。 レスリーの憂いを含んだ表情に、それだけでこの作品を観る価値があると思った。 「ブエノスアイレス」は色を感じる映画だったけれど 「摂氏零度」は体温を感じた。
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