エディターレビュー
世に知られた曲であればあるだけ、演奏家はそれをどのように弾いたらいいか苦心するものだろう。だが千住真理子の場合、リスナーにそんな苦心のあとを見せることはない。迷うことなく曲の中に入り込み、ただ自分の思うままを弾いているようにしか思えない。彼女の演奏からは、おしゃれに弾こうとか、テクニックを見せつけようとか、可愛く弾こうとか、優雅に弾こうとか、そういった邪念がほとんど感じられないからだ。お高くとまることなく率直。ナマな感情をぶつける。当然、味付けは濃い。体質にもっとも合っていると思われるのが、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」やドヴォルザークの「わが母の教えたまいし歌」のようなクラシック界のソウル・バラードだ。一方、ドルドラの「思い出」は軽めに弾かれることの多い曲だが、これもまた思い切り歌いこんでいる。前作『カンタービレ』に続き、1曲1曲、「どこまでやってくれるのか」と楽しみの絶えないアルバムだ。(松本泰樹)
カスタマーレビュー
千住さんのヴァイオリンとピアノによる名曲集、説得力あるんだ、これが。 愛の夢 千住真理子
どこかで聴きなれた小品といえるものばかり。それがこれだけ美しい。千住真理子さんのソロにつき、技巧がしっかり聴ける。それだけ真剣勝負な作品。
私たちは聴いて楽しむだけですが、名器を弾きこなす千住さんが、そこにいるような、臨場感。
多彩な技巧もとりまぜて、アップテンポなものから、ゆったりした白鳥まで。
こういったアルバムは嬉しい。きっとヴァイオリンのファンを増やしてくれる。
そんな、シンプルで欲張ったアルバム。
聴き応えのある作品です。
千住真理子の表現力の素晴らしさを感じる名曲の数々 愛の夢 千住真理子
高度なテクニックを要するサラサーテの「スペイン舞曲集サパテアード」の音色の変化に驚きました。艶やかでどこまでも伸び倍音の豊かな高音とまるでビオラのような温かくて豊かな低音を響かせる千住真理子の表現力に惹かれました。技巧的な楽曲ですが、奏者の思い入れを感じないとリスナーの心の奥深いところまでは届きません。これは一聴に値する演奏です。
ラフマニノフの「ヴォカリーズ」のような有名な曲をリスナーに満足してもらうように演奏するのは結構難しいものです。音色もそうですが、曲の表現も奏者の感性に左右されますので、好き嫌いが分かれますが、これくらい感情移入をしてもらうと満足します。よく歌うヴァイオリンです。そして知性を感じさせる演奏でした。
ドヴォルザーク作曲、クライスラー編曲の「わが母の教えたまいし歌」も何回も聴き堪能した演奏でした。抒情的で哀愁を感じさせ、聴いているだけで切なくなってくる感情が押し寄せてきました。これはデュランティの良さもあるのでしょうが、千住真理子の演奏解釈がより自身の感受性を大事にして表現することに没頭した結果だと思います。
ポンセ作曲、ハイフェッツ編曲の「エストレリータ小さき星に」も気に入りました。甘い豊かな音色を十二分に響かせています。本当に高音も低音もよく鳴っています。通俗的な曲と言われていますので、万人を魅了するような演奏というのもまた難しいものですが、この演奏には高評価を与えたいと思います。
行間の行間に潜む情感を描ききるという演奏 愛の夢 千住真理子
女性バイオリニストの演奏は今までいろいろ聴いてみました。
五嶋みどりは大学教授の模範演奏的演奏で聞きやすい。
諏訪内晶子はオーソドックスで完璧なマーシン的演奏。
千住のストラスバリウス・デュランティは行間の行間に潜む情感を描ききるという演奏。
デュランティは、オーディオラックに入れると微振動を拾いまともに再生できない楽器だ。アンプを、高さ5cmの切り出しブロック4片にラスクのインシュレーターの上に載せ、その上にラスクのインシュレーターをかませてCDを置いた。そのうえ電源・RCA・スピーカーなどは6Nコードに換えてみた。アンプ、CDともs10−3である。デュランティは、鳥肌が立つような美しい高音を聞かせてくれた。それでもデュランティは、300年間眠っていたためか、低音弱音部の弓の切り返しで、微妙なノイズを拾ってしまう。デュランティは、千住の行間の行間に潜む情感を描ききるという演奏にマッチして見事に蘇ったことは確かだ。諏訪内晶子がデュランティを弾いたらどうなっただろう。諏訪内は化け物デュランティに潜む魔性を描ききることができるだろうか。化け物デュランティは千住の演奏と完全にマッチしつつあると言えるだろう。
ジャズファンの私がノックアウトされた1枚 愛の夢 千住真理子
ジャズしか聞かなかった私をクラシックに振り向かせた1枚。ジャズ流に言うと本当に良くしゃべるバイオリンです。聞けば聞くほどさまざまなメッセージが聞こえてきます。デュランティのせいもあるでしょうが、私には千住真理子が鳴っているように聞こえます。クラシックには素人ですが、これからバイオリンを聞こうと思っている人には自信を持って薦められる1枚です。
日々の生活に追われているかたに是非!愛がささやいています 愛の夢 千住真理子
移籍後の2枚目のアルバムです、個人的には1枚目や3枚目よりも気に入っています。ピアノとヴァイオリンだけなので、聞いていると家に来てくれて演奏してくれているような錯覚がありました(オーケストラは家に呼べないでしょ)一音一音やさしくタッチしてきてくれます。楽器との甘〜いデュエット、ランデブー・・上手く表現できないが聞いているとこっちが照れるような愛があります。朝、聞くと1日幸せな気分が持続しますよー
最新レビュー 愛の夢 千住真理子
収録曲・トラック
Disc1
1.愛の夢(リスト)
2.無言歌~春の歌(メンデルスゾーン)
3.14の歌曲~ヴォカリーズ(ラフマニノフ)
4.思い出(ドルドラ)
5.わが母の教えたまいし歌(ドヴォルザーク/クライスラー編)
6.歌劇「皇帝サルタンの物語」~くまんばちの飛行(リムスキー=コルサコフ/ハイフェッツ)
7.アヴェ・マリア(シューベルト/ウィルヘルム編)
8.子供の情景~トロイメライ(シューマン)
9.シチリアーナ(フォーレ)
10.「白鳥の歌」~セレナード(シューベルト)
11.スペイン舞曲集~サパテアード(サラサーテ)
12.組曲「動物の謝肉祭」~白鳥(サン=サーンス)
13.花の歌(ランゲ)
14.エストレリータ~小さき星に~(ポンセ/ハイフェッツ編)
15.ラスト・ナイト~想い出~(千住明)
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