カスタマーレビュー
自然と人間のつきあいを丹念に描く文化記録映画 柳川堀割物語 [DVD]
映画の内容は高度経済成長下、瀕死のドブ川となってしまった福岡県柳井市の堀割。悪臭とヘドロを隠すために、コンクリート敷設が実行されようとしたが、市長に異議申し立てをして、立ち上がった一人の行政職員がいた。当時の都市下水路係長である、広松伝さん。彼は400年続いた堀割の歴史を調べあげ、その機能を確信した後、地道に努力をして、浄化運動に取り組む。住民の誰もが水路の復活を願っており、住民は浄化運動への自主的参加を惜しまず、歳月を経てついに堀割は復活するのだった…。と言う自主製作ドキュメンタリー映画で監督、脚本は、火垂るの墓、太陽の王子・ホルスの大冒険、セロ弾きのゴーシュ、じゃりン子チエなどの日本が誇るアニメーション界の巨匠、高畑勲監督作品でアニメーションが専門の彼が、実写映画を手掛けると言うのは少し、奇異な感じがするが改めてこの作品を観ると何故実写作品をドキュメンタリー映画でなければならなかったのかが解る。高畑監督の扱うテーマには必ず自然問題、人つぎあい、過去、歴史、農業、文化 等などの現実問題的な内容の作品が多いがこの映画にしても環境の美化を伝えるのではなく、リアリティー重視でもなく、あくまでも解りやすく客観主義的に丹念に描いており、約167分の長丁場だが飽きさせない。この作品の本質的な物語のテーマは自然、動物、そして我々人間が絶対に生きるためになくてはならないものである水がテーマで最近でも、水俣病の問題や汚染など他人事ではない事件が起こっておりこの作品もその一例で水路、川、池、海、沼地、水道、を含めて当たり前のように水を使い、飲み、洗濯、花に水をやり、米をとぎ、プール遊びにと常に利用されており、人間、動物、植物も水分をとらなければ死んでしまいますし、水とは切っても切れない存在なのです。この映画の舞台である、柳川の堀割は勇気ある一人の水路埋め立て計画に反対した当時の都市下水路係長さんの行動が住民たちを決起させ自治意識の回復に結び付き、様々な努力の結果、柳川堀割は大復活する。ここまでくるのには相当なご苦労があったようで、本当に頭が下がる想いで感服致します。だが、この素晴らしい柳川の堀割の水路をゴミだらけにし、ここまで汚れるまで放置していたのか?その答えは紛れもなく、人間が悪いのである。誰が悪い、誰が正しいの問題ではないのです。言葉よりも行動する事が大事、それがこのお話を通じて、高畑監督が1番伝えたかった事だと思います。そして、この柳井市に住んでおられる住民の方々の生活風景も祭りや川下り船、行事、水遊び、春夏秋冬の場面など、とても興味深い。当初は柳川を舞台にした青春アニメを製作する予定だったと聞いた事がありますが、取材の過程で変更したそうです。できればアニメーション版の柳川堀割物語も観たかった気がしますが、この作品にもアニメーションで視覚的に柳川の筑後川が有明海へと注ぐ河口部になる、水を有効に使うために知恵を働かせて昔の人々は水路にどんな工夫をした等の場面が解説を挟んで解りやすく説明されています。私個人の意見としましてはこの映画を観て水を一滴でも無駄にせず大切にし汚さないようにしていきたいと言う気持ちが芽生えました。人間と水と自然との長いつきあい。これこそがこの作品の原点だと思います。
製作ノートとして見る 柳川堀割物語 [DVD]
撮影は85年から86年とバブル景気のころであるが、それとはまったく無縁の地方都市の田園地帯の堀の歴史的な発展と管理の科学的な話で進めて行くドキュメンタリーである。
時間ががかなりたっているので、違うと思うが「千と千尋の神隠し」を彷彿させる。だが、両方を見比べてみると全体の話はこれと重なる点が多く、製作ノートとして見るのも面白いだろう。
ただ、あまりにも長いので☆1つマイナスとした。
市役所の一人の係長の執念が、地域の力を結集させ、国家的資源を守った 柳川堀割物語 [DVD]
住民の力で地域が再生していく過程、その中における人と人とのドラマ、一人の執念から始まった地域住民の努力で、いかに重要な国家的資源が保全されたのか、地域再生の永遠のテーマとその効果を科学的に検証した非常に優れたドキュメンタリーです。柳川物語無くして東京日和(竹中直人監督)無し。広松氏という個人が生きた証しは永久に残っていくのでしょう、人間一人一人の力がいかに偉大かということ、働くということはどういうことなのか解るという点でも、全ての公務員と若者達にオススメ。
誰もがナウシカになれる日を謳う 柳川堀割物語 [DVD]
他のレビュアーの方も仰っているが ジブリファンには是非見てもらいたい実写ドキュメンタリーの傑作である。 3時間もの長い時間を 映画は 柳川の水のように とうとうと 流れていく。なんとなく 寄り道するかのごときエピソードを挟みながら しかし 確実に話は 柳川で起こった「奇跡の復活」に収斂していく。映画としては 他のジブリ作品、特に宮崎作品が「剃刀のような切れ味」抜群なのに対し 本作は一見「鈍い」が ナタのような感じでぐいぐいと心に食い込んでくる。「もう一つのナウシカである..」というのが 宣伝のコピーであったが 本作は実話でもあり ある意味で より心に迫るものがある。もっと言うなら「我々も頑張ればナウシカになれる」という風に思える。 繰り返しますが いささか長いし 冗長な部分も否定できないが 是非皆さんには見てもらいたい作品です。
ドキュメンタリー作品の傑作 柳川堀割物語 [DVD]
ジブリ作品に通底する環境問題への視点が最も明確に表れた作品といえる。 掘割を荒廃させた大量消費社会へのアンチテーゼとして、先人の水との関わり方が提示される。掘割自体が実はそうした知恵の具体化なのである。作品は掘割が生まれた歴史的背景やその根底にある思想をアニメや図を交えて平易に解説し、過去の知恵を現代に蘇らせて掘割を復活させた市民の奮闘を描き出す。間尺が長すぎるのは難としても、質の高いドキュメンタリーに仕上がっていると思う。 少々気になるのはその後の柳川がどうなったかである。地域共同体が崩壊状態にある現代において未だ「川とのめんどうな付き合い」は続いているのだろうか?
最新レビュー 柳川堀割物語 [DVD]
柳川堀割物語 [DVD]を買った人はこんな商品も買っています
関連ページ
|