“いま売れているクラシック”の縮図がここにはある。堅苦しい理屈はここでは一切無用。何となくかけっぱなしにしているうちに、どこかで聴いたことのある流行のフレーズが耳に飛び込んでくる。あるいは、初めての曲でも、ふっと耳にとまるものがあるかもしれない。そんな出会いを楽しむことができる気軽なディスクである。
たとえば、ボンドのビジュアルに惹かれてはいても、実際購入するのはちょっと気がひける、という向きにはありがたい。あるいは、クロスオーヴァー・ヴァイオリニストとして鮮烈なデビューを果たした fumiko がどんなものなのか気にはなっている人にもちょうどいい。
このなかには、1996年にアンジェラ・ゲオルギューが録音した「私の名はミミ」のように、最新のものとは言い難いものもかなり含まれているが、そこはご愛嬌。現在ユニバーサル・ミュージックが抱えている旬なアーティストの代表作をみんな盛り込みつつ、BGMとしても完成度の高いものを狙おうというよくばりな企画なのだから。ガーディナー指揮モンテヴェルディ合唱団によるタヴナー「子羊」のような渋めの流行曲もきっちり押さえられているのはさすが。
ここで何と言っても発見だったのは、1980年代に一世を風靡(ふうび)した「100年に一人」のボーイソプラノ、あの懐かしいアレッド・ジョーンズがいまはテノール歌手としてイギリスで再び大活躍しており、驚くべき立派な歌を披露していることだ。2003年7月に日本でも発売されるアルバム『アレッド永遠の歌声』(本国イギリスではゴールドディスクに輝く大ヒットを記録)よりも先に、本作でいち早くその声に接することができる。(林田直樹)
豊富なヴァリエーションでとにかく聞き応えがありました。
収録されている曲は前もって分かっているので興味のある方は是非ご視聴になれば良いと思います。
こういうオムニバスを聞いて自分のジャンルを広げれるとしたらそれは一つの機会なのではないでしょうか。
それぞれのピアニストにファンが居るだろうし、彼ら彼女らのアルバムが出ることはファンにとって嬉しいことだと思います。
曲が好きな人、ピアニストが好きな人、色々な聞き方が出来ると思います。
もういいかげん有名人(技巧や精神面の高さとは全く関係なく)を使ったこういう中途半端なオムニバス形式を出すのはやめた方がいい。聞く側もこの程度のサワリを聞いて自分の好きな分野を選択しようというのはやめた方がいいですよ。
「クラシック」なんて名前をつけていますがいろいろなジャンルで多様な活躍をしている方もたくさんいるのですから演奏家にも失礼です。例えばボンドを私はクラシックジャンルの演奏家とは全く思っていませんが、彼女達が全く新しい分野を切り開こうとしている(曲はクラシックがベースですが)ことに対して注目しています。こういう人をクラシックの裾野を広げるために安易に使うのは反対です。高嶋ちさ子あたりのどうでもいいのを使うのはご自由にという感じなんで!すが・・・。
Disc1
1.フェーゴ/ ボンド
2.星は光りぬ(プッチーニ/ 歌劇《トスカ》)/ラッセル・ワトソン
3.ラ・カンパネラ(リスト)/ユンディ・リ
4.ノクターン第20番 遺作 (ショパン)* 「戦場のピアニスト」/ジャン=イヴ・ティボーデ
5.ピエ・イエス(ラター)/アレッド・ジョーンズ
6.アヴェ・マリア(マスカーニ)/プラシド・ドミンゴ&シセル
7.ザ・バトル(グラディエーター)/ハンス・ジマー
8.「屋根の上のヴァイオリン弾き」〜人生に乾杯(ジェリー・ボック)/ラカトシュ・アンサンブル
9.スパニッシュ・キャラバン/ナイジェル・ケネディ
10.もう飛ぶまいぞ、この蝶々(モーツァルト/ 歌劇《フィガロの結婚》)/ブリン・ターフェル
11.恋とはどんなものかしら(モーツァルト/ 歌劇《フィガロの結婚》)/マグダレーナ・コジェナー
12.エターナル・エコーズ/ジョン・バリー
13.オ・ソレ・ミオ(ディ・カプア)/3大テノール
14.さあこの腕の中においで(iロッシーニ/歌劇《泥棒かささぎ》)j/フアン・ディエゴ・フローレス
15.誰も寝てはならぬ (プッチーニ/《トゥーランドット》)/ホセ・カレーラス
16.トロイメライ(シューマン)/フジ子・ヘミング
Disc2
1.ボンド/シャイン
2.君と旅立とう(コン・テ・パルティロ)/ナナ・ムスクーリ
3.スター・トレックのテーマ/ラッセル・ワトソン
4.テル・グローボ/fumiko
5.ニュー・シネマ・パラダイス(モリコーネ)/高嶋ちさ子
6.《月光》(ベートーヴェン)/近藤嘉宏
7.私のお父さん(プッチーニ/ 歌劇《ジャンニ・スキッキ》)/ルネ・フレミング
8.カルーソ/パヴァロッティ
9.人知れぬ涙(ドニゼッティ/《愛の妙薬》)/ロベルト・アラーニャ
10.私の名はミミ(プッチーニ/《ラ・ボエーム》)/アンジェラ・ゲオルギュー
11.さようなら、ふるさとの家よ(カラターニ/歌劇《ワリー》)/ルネ・フレミング
12.《展覧会の絵》より抜粋(ムソルグスキー/ラヴェル)/ゲルギエフ
13.プレリュード/アンドレス・セゴビア
14.The Lamb/ガーディナー、モンテヴェルディ合唱団
15.白鳥(サン=サーンス)/ジュリアン・ロイド・ウェッバー