カスタマーレビュー
NHKドラマ黄金期の名作 天城越え [DVD] 大谷直子
和田勉監督作品の中でも珠玉の名作
この時期の清張シリーズは清張版ヒッチコック劇場とも言えるシリーズで
各作品にさりげなく、尚且つ、今作品のように、
大事なシーンと台詞を担っている場合があることろが映像作品オリジナルとしての
深み面白味を増しています。
清張は頭の固い作家にありがちな
「原作と違う」という愚かな指摘をなさらない方だったようです。
原作と映像は違って当たり前、そこに新たな息吹を与えてこそ、が
むしろ必須条件とも言えます。
それに見事応え続けたのも和田勉の威力と底力。
フリーになってからマスコミに汚され
その評価を得る大事な機会を失っている和田勉ですが
彼の作品は宝石です。
今こそ、再評価しても良いのではないでしょうか。
彼が存命中にやらなければ意味が無いと思います。
カメラワークも今回も実験的で
動と静を効果的に利用しています。
また、和田作品の特徴ですが、音楽がいい!
このドラマも、音楽が絶妙です。
前半の少年心理の描き方は
後世のデビット・リンチの「ブルーベルベット」の少年の描き方と重なる部分もあります。
未見の人は、是非。
松本清張本人も出ています 天城越え [DVD] 大谷直子
はっきりと言葉に表現できない殺人動機を、映像だけで見事に描ききっています。
その点だけでも高レベルな上に、役者が皆素晴らしいです。
子役の鶴見辰吾も、茫洋とした雰囲気の男を演じた佐藤慶も、
ドロッとした女を演じた大谷直子も、
そしてワンシーンだけの登場ながら松本清張本人も、
とてもいい演技を見せています。
NHKアーカイブスで放送されたときに、
脚本を書かれた大野靖子さんという方が、執筆当時のことを語っていました。
曰く、
「この少年を救えるものは、もう森羅万象とか、
そういった神の領域にあるものしかないと私は思ったんですね」。
最後に松本清張自身が扮する旅人が放つ一言は、
彼女の言葉通り、主人公の少年の思いを唯一包み込んであげる効果を発揮しています。
映画版ばかりがクローズアップされがちですが、こちらも是非見てみてください。
映画版よりも上かも 天城越え [DVD] 大谷直子
和田勉演出と聞いただけで引く人も、今では多いことでしょう。 NHKでテレビドラマを撮っていた頃の和田演出は、良かったんですよ、マジで。 『天城越え』には三村晴彦監督の映画もあり、そちらも良いのですが、このドラマでは被害者の過去を大胆に脚色しています。 松本清張ファンなら、この被害者が、別の作品に登場する少年が大人になった姿だと気付くでしょう。 少年が大人になることの意味が、ドラマ版では二重に語られ、抑えた描写の中に深みがある。 この点では、むしろ映画版より出来が上かも知れません。
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