カスタマーレビュー
黒澤現代劇のピカ一 野良犬 [DVD] 三船敏郎
封切から十数年経った頃新宿の名画座みたいな映画館で初めて見た。圧倒された。この映画はやはり映画館で見るべき映画だ。志村刑事が撃たれた時、近くの小父さんが大きな嘆声を発した(今は私もそれ以上の小父さんだが)。まったくね、ここで彼が死んだらたまらん。何かの本に“怪演!千石規子”とあったがほんと凄いものです。三十過ぎで誰が「笛吹童子」の堤婆ができますか。未だご存命とは慶賀の至りです。彼女に限らず脇役が皆巧い(演出もあるだろうけど)。今時なら助演賞かそれ以上の演技を、往時の多くの役者は平生やっていたのかと思う。好きなシーンの一つは、喫茶店コンガで三船と千石が初めて会うシーン、バックの音楽とともにスリル満点…気がつかなかったなァ、ピストル屋の親玉には。あれやこれやで、これは黒澤現代劇のピカ一の作品だと思う。
戦後まもない日本を垣間見られる 野良犬 [DVD] 三船敏郎
拳銃を奪われた新米刑事(三船敏郎)がベテラン刑事と組んで犯人を追い詰めていくシンプルなストーリーで、びっくりするようなどんでん返しや派手なアクションはない。
しかしながら戦後間もない時代に撮影されたこの映画に描かれる戦後日本の熱気には圧倒された。特に印象的なのが真夏の東京の暑さだ。登場人物は常にハンカチで吹き出す汗を拭っている。冷房が一般的となった現代社会とは大違いだ。
復員兵に変装して東京の街を歩きまわる三船敏郎の姿が執拗に描かれるシーンがあるが、わずか60年前の東京はこんな情景であったのかと画面にひきつけられました。
とても面白かったです♪ 野良犬 [DVD] 三船敏郎
画面いっぱいの蒸し暑さ、戦後日本の風景、
当時の風俗と圧倒されるエネルギーがあった。
18ぐらい、白い背広、昨日は雨、泥だらけの靴と、
村上(三船)が推理してから息もつけない緊張感!
ピアノの音色や子供たちの歌う蝶々の歌も粋、
犯人が叫ぶ場面も言葉にならない迫力があった。
当時の日本の雰囲気が生々しい。あの時代に
生きる人々の暮らしに思いをめぐらせました。
50年以上前の映画とは思えないサスペンスで、
グッとくるシーンが多く、とても面白かったです。
実直っていいもんだ。 野良犬 [DVD] 三船敏郎
黒澤作品の中では、どちらかというと、マイナーな方に属する作品だろうが、私の中では現代劇では、「生きる」や「天国と地獄」などと並んで、大変印象に残っている作品のひとつである。
この作品をそれほどに際だたせているもの・・・、それはひとえに、主演の三船敏郎演ずる刑事の一途なまでの実直さであろう。
特に、時代は、実直というものの存在自体、許せないほどに荒廃した世相であり、それだけに、その時代の中で、敢えて、融通が利かないほどに実直であり続ける若き三船の姿は強く印象に残った。
見終えて、こう呟いたのを覚えている。
「実直っていいもんだよな」と。
志村・三船見事な共演 野良犬 [DVD] 三船敏郎
戦後の日本を舞台に、コルト拳銃を盗まれた新米刑事(三船)とベテラン(志村)の暑い夏の日々を描く黒澤初期の傑作。志村、三船がほぼ同じスクリーンタイムを分け合っていて、二人のファンには嬉しい限り。己のコルトを求めてさまよう三船の姿の背景に流れる当時の日本。猥雑なまでのエネルギーと、戦後の虚無感が同時に感じられる凄い映像。そして二人の流す汗、汗。もはや凶器にさえなりそうな逃げ場のない暑さにいよいよ追い詰められていく三船。三船が最期に犯人の遊佐(木村功)を追い掛けるシーンは圧巻だ。丸腰で必死に追う三船。逃げる木村。二人は自然界と振興住宅地の出会う雑木林で格闘する。手錠をかけられ、号泣する木村。その絶望に呼応するように肩で息をする三船。このシーンはその後内外の監督たちにさぞやインスピレーションを与えたことだろうと察する。
若き日の三船がいい。そしてなにより志村がいい。愛と、突き放した人生観が見事に融合したベテラン刑事を説得力をもって演じきった。
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