カスタマーレビュー
娯楽映画ですね 突入せよ!「あさま山荘」事件 [DVD] 役所広司
娯楽作品として鑑賞する映画としてはよいできで、アクションなどもリアルで楽しめると思います。
ただし、ノンフィクション作品としての評価は星1つ(本当は0.5にしたい)です。
確かに連合赤軍は、あさま山荘にたてこもり警官と銃撃戦をくり広げ、警官を射殺したのは事実です。でも、この事件を理解するには、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を観なければこの事件を正しく理解できないからです。
「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」をみればこの事件の罪は、国家に対するテロ活動等ではなく人に対する反人道的な犯罪(最近の拉致監禁殺人事件のような)として理解し裁かれるべきものだと感じるはずです。
連合赤軍事件は、なぜ彼ら彼女たちがそのような行動に至ったか、彼ら彼女たちがどのような人物なのかを知る必要があるのではないでしょうか。
私は、この映画で描かれているように彼ら彼女たちが冷酷無比な過激派ではなく、単に利己的な未成熟な子供の集団と感じています。
両方の映画を観れば、そんな彼ら彼女たちにムキになって相手をした警察が、子供相手に本気でけんかした独善的な大人にみえて滑稽にうつるでしょう。
人質籠城事件ではなかったわけですから...
原田眞人監督へ・・・ 突入せよ!「あさま山荘」事件 [DVD] 役所広司
他の方のレビューの点数が高いのに驚いた。この映画を観たのは中学生の頃だったが、出来に失望したのを今でも覚えている。あれ以来、原田監督の映画は全く観ていないし観たくもない。あの事件を警察(国家権力)側から描くとここまでお粗末になると理解でき良い勉強になった。何も一方的な視点から描くなと言っている訳ではない。しかし、「あの事件を映画化」するならば、せめて中立的視点に立つべきではなかったか?立てこもった彼らを「悪い奴ら」と言い切るのは極めて簡単なことだ。なぜ彼らはそういう行動に走ったのか?彼らはどういう表情で立てこもっていたのか? 全くこの映画では描かれない。窓からちらりと覗き見える銃口のみだ。この極めて単純化した演出に深い憤りを感じる。誠実に事件に向き合わず、喜劇にもしてしまう。実際にあった事件を映画化することの責任感の欠如。低い次元、思考能力で映画を作ってしまった事は、中学生であった私にも少なからず分かった。「映画製作で重要なことは、観客を見くびらない事だ」とは尊敬するクリストファー・ノーラン監督の言葉である。「原田監督、あなたは映画のプロセスを大事にし、観客を大切にされてますか?」
単純に警察内部の権威主義や無能ぶりを描いたエンターテイメントとして見ることをお勧めします(当時の社会情勢とか犯人側の事情は知っていることが前提です) 突入せよ!「あさま山荘」事件 [DVD] 役所広司
「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を鑑賞した際に、若松孝二監督がこの「突入せよ!あさま山荘事件」を見て、この映画の内容に怒っていたことを知り、さっそく見てみることにした。
若松孝二監督が怒るのも無理はない。しかし、この映画は連合赤軍を主題にした映画ではない。単に5人の男たちが人質を取って立てこもった事件に対する警察の対応と混乱を描いただけの映画である。したがって中途半端に連合赤軍の思想や背景を説明せず、徹底的に警察側から描いたのは潔いし正解である。(逆に「実録・連合赤軍」では警察側からの描写がほとんどない)
そう割り切って娯楽映画として見れば、まあまあ良く出来ている。主人公一人がとても有能で、長野県警は徹底的に愚か者の集団であり、主人公以外の警察庁内部の人間の多くが官僚主義で、現場の人間が苦労させられるという恐ろしく単純な構図も観客にとっては判りやすい。
しかし、随所に挿入されるユーモラスな描写は緊張感を緩めてしまい、逆効果だと思う。唯一、面白かったのは、爆弾処理の危険手当よりも、牛や馬の種付けの時の危険手当の方が高いことをボヤいているエピソードで、この当時から日本の役人の税金の無駄使いがあったのが笑える。その他のエピソードも実際にあったことなのかもしれないが、もっと徹底的に作戦の詳細や現場の描写を描いた方が面白くなったような気がする。作戦遂行よりも警察内部の混乱を主題にするならば、いっそのことコメディにしてしまってもよいのではないかとも思ったが、実際にこの事件で亡くなられた方もいるので無理なのだろう。
脚本・監督の原田真人は、若い頃はアメリカ在住の新進気鋭の映画評論家で、少し変った視点からの論評やキネマ旬報の現地レポートが大変面白かった記憶があるが、映画を作る側になってからはときどき70点ぐらいの映画を作る平凡な中堅監督になってしまったのが残念。
ヘキサゴンの三択 突入せよ!「あさま山荘」事件 [DVD] 役所広司
長野県警と警視庁の内部抗争によって指揮系統がメチャクチャになってしまう、警察組織内部の問題点にスポットをあてた半ドキュメンタリー作品だ。熱い男たちのプジェクトX物語というよりは、『踊る大捜査線シリーズ』のノリにかなり近い。お互いの面子にこだわって、人質の安否は確認はもちろんのこと、犯人の特定も遅々として進まない。ここが米国ならば事件発生後ただちにSWAT部隊が派遣され強行突入が敢行されていたであろうに、ライフルを乱射する連合赤軍に大盾と放水のみで対抗するというアナログ戦術しか許されていない日本警察の捜査が歯がゆくてならない。そんなじれったい攻防の合間挿入される、短いカット割のシーンがリズムの変化を生んでおり、とても印象的だ。
はじめは周囲に気を使っていた実質上の指揮官・佐々淳行(役所広司)が、犠牲者が出はじめ事件が深刻化してくるあたりから、無能な長野県警幹部たちに高圧的な態度をとりはじめる。なぜ組織というのはこんなにも無駄が多いのだろう。組織が大きくなればなるほど、無能な輩が足をひっぱり合い、結果がわかりきっている業務遂行に支障が生じてしまう。殉職者2名・民間犠牲者1名・負傷者24名を出した「あさま山荘事件」。こんなにアホなTOPの犠牲になった若い機動隊員がかわいそうでならない。人質の女性が生きていたのがせめてもの救いである。
映画は、そんな警察の大混乱ぶりをさんざん映し出した後、佐々監察官の活躍により大団円を迎える。今までライフルの銃身のみで姿をまったく見せなかった犯人たちに対し、観客は機動隊員と同じ憎しみと達成感を得られる仕組みになっている。ヘラクレスの選択というよりヘキサゴンの三択に近い日本警察の恥部をさらしたこの作品に、羞恥心の上地君が登場しています。
組織の問題として 突入せよ!「あさま山荘」事件 [DVD] 役所広司
娯楽としても充分面白いが、それは他の人は書いているからいいとして。
組織の問題としてどのように指揮命令が混乱していったかを内側からの目で描かれている点が非常に面白い。「 踊る大捜査線」がお笑いとして作られたのに対して、この映画はかなりシリアスに作られている。
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