エディターレビュー
1971年のセカンド・アルバムで、言わずと知れた日本ロックのマスターピース。「風をあつめて」「はいからはくち」「夏なんです」といった代表曲がそろい、演奏、ヴォーカル、ソングライティングのいずれも前作より完成度が高く、彼らの到達点といえる作品。歌詞は“〜なんです”という独特の言い回しを多用して、文学的な表現に磨きがかかっているし、演奏にしても、後のティン・パン・アレー〜ジャパニーズ・ソウルに通じる、ほのかに揺れるグルーヴ感がすでに散見される。ヴォーカルも大滝詠一が流麗でウェットな声を聴かせ、細野も朴訥(ぼくとつ)とした味の歌で活躍。各メンバーとも個性を十分に発揮し、それらがからみ合って、夏の陽炎のような白くまぶしい音像を生んでいる。日本語によるロックの確立というだけでなく、そうした独自の音世界を築いたところに、本作の価値がある。だからこそ名盤として受け継がれ、数え切れないほどのフォロワーを生んだのだ。(小山 守)
カスタマーレビュー
日本語の新しい風景 風街ろまん はっぴいえんど
はっぴいえんどは日本語のロックを革新したと言われているが、もっと具体的にいうとどういうことか。
海外のロックをそのテイストを損なわないように置換的に日本語化したわけではない。
そうではなく、海外で育まれたロックおよびフォーク、カントリーのサウンドに、日本人独自の心象を表現する歌詞を日本語的な歌い回しで乗せる事で、全く新しい心象風景を立ち上げる事に成功したという点で日本語のロックを革新したと思う。
日本語のロックには日本語の歌い回しを外国語のニュアンスに近づけようとする試みが多く見られるが、はっぴいえんどの音楽はそう聴こえないし、前述のはっぴいえんどの革新性を考えればそうしなかったからこそ日本語ロックの金字塔と成り得た。
そして、この独特の心象風景こそが現在ポストはっぴいえんどと呼ばれるロック音楽に受け継がれているものであろう。
さらに言えば、非日本文化との融合によって新たな日本的心象風景を獲得しようとするプロセスおよび類い稀なその成果に、現在までのポストはっぴいえんどの音楽家のみならず我々リスナーも”おもしろい"、"あたらしい"と感化され励まされてきたはずである
日本初のコンセプトアルバム 風街ろまん はっぴいえんど
日本語ロックの原点はっぴいえんどのおそらく一般的に最高傑作と認知されているアルバム。前作から1年後の作品とは思えない完成度。前作の曲と比べると明るい曲がふえ、イメージ的には1stが冬、今作が春・夏という感じか。しかし歌詞の面では独特なアイロニーは健在で(暖房装置の冬が行くと冷房装置の夏が来た、春は来やしない「春らんまん」)、アルバムのコンセプトも当時の日本をヤンワリと批判し、想像の都市"風街"に想いをはせるというもの。細野さんのソロもそうだがバッファローの影響と共にTHE BANDの影響が大きいように感じる。また、ボーナストラックの手紙(風をあつめての原曲)は必聴
ハマります 風街ろまん はっぴいえんど
多くの方がきっとそうであるように、私もやはり「風をあつめて」が好きでこのアルバムを購入。(以前テレビで耳にして以来ずっと気になっていたので。)
聞き始めの頃は、わずか数曲のみ好きだと感じたのですが、その数曲が聞きたくて毎日のようにかけていたら…他の曲たちも好きになってしまいました。噛締めていくうちにその味わいを楽しめるようになってきた感じ。
音楽に関しては素人なのですが、素人なりに、これはやっぱり名盤だなって思うわけです。
音と詞で、美しい情景とロックな心情が描かれています。
心ににじむ、力強い一枚。
細野さんのベース以外 風街ろまん はっぴいえんど
細野さんの例えば「風をあつめて」
あの印象的なオルガンを弾いてるのも細野さん。
あれがロックじゃない??
大滝さんもロックだし、細野さんのあんなオルガンやアコギをきいても
あんな印象的なフレーズを引いてる時点でロックなのでは?
ロックって新しいものを生み出すチカラがロックなんでしょ?
形はロックンロールでも昔のやり方で古典的な方たちはいくらでもいます。
バンドとしての一体感とオリジナリテイが結実した最高作 風街ろまん はっぴいえんど
うなるベース、タイトなドラムス、切り裂くギター。グルーブするビートに乗って歌われる日本語の歌詞。一曲目の”抱きしめたい”(I Wanna Hold Your Handとは同名異曲)から、リマスターされたサウンドの素晴らしさに驚く。ナチュラルかつパワフルな音像だ。ハッピイって実はこんなにファンキーな乗りのバンドだったんだと知って変に納得されられる。
無骨だがほのぼのしたボーカルが、レイドバックしたリズムセクションに支えられて、松本隆の歌世界を構築する。シュールでカラフルな心象描写が見事な”風をあつめて”。字余り的な歌詞をうまくロックさせた細野さんの作曲能力にも脱帽する。
多羅尾伴内を演ずる大滝さんが、激しくロックするストーンズみたいなカッコイイジャンプナンバー”はいからはくち”にノックアウトされる。
細野さんのジェームステイラー的なアコースティックな世界にどっぷり浸り、子供の頃のあの夏の日にトリップさせられる”夏なんです”。
鈴木茂のスクイーズするギターボーカルが鮮烈な印象を与える”花いちもんめ”・・・
全曲に渡り、4人の素晴らしいミュージシャンが彼等の個性と力量を発揮しつつ、バンドしての一体感とオリジナリリティが損なわれていない。一枚目ではところどころ不自然に思えた日本語とロックの結びつきもぐっと完成度を増した。誰も文句がつけられないジャパニーズロックが生み出した希有の傑作だ。
このアルバムが初めてリリースされた約35年前、一部の支持者を除いて今ほどに一般大衆から高く評価されてはいなかった。バンドの演奏能力は高く、独自の唄世界を持った歌詞があり、アルバムとしての構成力も見事だ。だが、フォークソング全盛時の1970年代初頭では、ロックは英語で歌われ、日本語の歌は演歌かフォークというのが当たり前だった。そのどちらにも明確に属さないバンド”はっぴえんど”には、人々はどうしてもある種の違和感を抱いた。その不調和こそが彼等が狙ったところでもあるのだろうが・・・やはり時代の数歩先を進んでいたバンドだったと認めざるを得えない。日本語ロック、ポップが当たり前になった現在でこそ、このアルバムはより正当に評価されるのだろう。
最新レビュー 風街ろまん はっぴいえんど
収録曲・トラック
Disc1
1.抱きしめたい
2.空いろのくれよん
3.風をあつめて
4.暗闇坂むささび変化
5.はいからはくち
6.はいから・びゅーちふる
7.夏なんです
8.花いちもんめ
9.あしたてんきになあれ
10.颱風
11.春らんまん
12.愛餓を ※〈CDエクストラ〉
風街ろまんを買った人はこんな商品も買っています
関連ページ
|