エディターレビュー
ある地方都市、中学2年生の雄一(市原隼人)は、かつての親友だった星野(忍成修吾)やその仲間たちからイジメを受けるようになる。そんな彼の唯一の救いはカリスマ的女性シンガー、リリイ・シュシュの歌だけであり、そのファンサイトを運営する彼は、いつしかネット上でひとりの人物と心を通わしていくが…。 岩井俊二監督が、インターネットのインタラクティヴ・ノベルとしてスタートさせた企画を発展させて成立させた異色の青春映画。美しい田園風景の中、イジメや援助交際などなど現代の少年少女たちにまつわるさまざまなダークな問題を、これまでにないほど身近なものとして織り込みつつ、彼らのリアルな心の声を繊細に描き上げていく。そして、それでも「どんな子どもでも、光る時間を過ごすのだ」といった岩井監督のメッセージが痛切に伝わり、胸をしめつける必見の秀作である。(的田也寸志)
カスタマーレビュー
リアリティがない リリイ・シュシュのすべて 通常版 市原隼人
雰囲気づくりや演出はさすが岩井監督。これに関しては最高点をつけたいところですが、やっぱりストーリーがちょっと・・・
話自体は暗い内容。別に暗い話だから★二つということではなく、なんというか、リアリティがなくって感情移入ができなかったからですかね。
「14歳のリアル」ってうたってますけど、そうかなーという感想。
まず、中学生がみんな18か19歳ぐらいにしか見えない。担任の女の先生なんかは、生徒と同い年くらいに見えてしまいます。
かなり大人びいた不良な中学生はいるとは思うけど、現実の中学生はもっと幼いような気がします。少なくても自分の中学時代はそうでしたね。「18歳のリアル」なら多少は納得できるかな。
万引き、レイプ、カツアゲのシーンは、なんかドタバタな感じでリアリティがなく、安っぽいtvドラマを見ているようでした。沖縄のエピソードも全体のストーリーからはずれて浮いている。映画全体のバランスをくずしていると思います。
などなど、突っ込みどころ満載の映画ですね。岩井監督は遺作にしたいとおっしゃってますが、自己満足映画の良い例だと思いました。
虚無感 リリイ・シュシュのすべて 通常版 市原隼人
今まであった
すべての虚無感
混沌
埋めた 作品
この監督は
宇宙人だ
圧倒的な喪失感 リリイ・シュシュのすべて 通常版 市原隼人
この作品を初めて観たのは中学生くらいでした。
その後今まで、5,6回ほど見たような気がします。
はじめはその見終わりの、圧倒的な喪失感に打ちのめされ、考え込んでしまったのを思い出します。
人と人のつながりは周りが思うほど、確かではなく、脆弱なものなんだと思った気がします。
登場人物は皆、心揺れていて、繊細で、残酷で、そしてそんな不確かな世界を、狂おしいまでの美しい映像で表現する、岩井俊二の感性はどこか村上春樹の小説を思い出しました。
岩井俊二がこの作品を遺作にしたい、と言われたのを何かで聞いた気がします。
自分は岩井俊二作品ではこの作品が一番心に響きました。
岩井リサイタル リリイ・シュシュのすべて 通常版 市原隼人
美しいほどに残酷。
そんな陳腐な言葉でくくれるほど、この映画は
“たやすく”ないが、故・篠田昇カメラマンによる
田園風景はやはり美しく、そして残酷だ。
題材やストーリーには賛否両論あるが、とにかく
この映画の持つ圧倒的な説得力は、篠田映像と、
主要人物たちそれぞれの人生に隣り合わせる、
小林武史の作り上げた劇中の架空アーティスト、
リリィ・シュシュの存在。
憧れの久野からリリィの存在を知る星野。
星野の家に泊まるほど仲良くなり、彼からリリィの
存在を知る蓮見。
ひょんなきっかけで蓮見と行動をともにし、彼の
持っていたリリィのCDを聴く津田。
彼らは魂を消耗し、来るべき未来を見失い、そして彷徨う。
そんな少年少女たちの機敏な心を、時に救い、
時に突き放すリリィの音楽。
「音楽に救われ、音楽に絶望する彼ら」を描写できて
いる奇跡。
久野の弾く「アラベスク」。
混声合唱で奏でるアカペラ版「翼をください」。
映像と音楽、ではなく、映像の中の音楽。
これを構築できる映画監督は数少ない。世界規模で。
■14歳の不安定な世界観を、一瞬でも定位した傑作。 リリイ・シュシュのすべて 通常版 市原隼人
■14歳のリアルは、不安定が常態なのだけれど、
いくつかのエピソードを重ねながら、見る人に、こうした世界観を、
うまく転移させることに成功した傑作。
人間の強さと弱さ、美しさと醜さ、喜びと悲しみ、
愛と憎しみ、被虐と加虐・・・・
支配する者と支配される者、虐げられる者と虐げる者、
愛する者と愛される者、憎む者と憎まれる者・・・・
一見、二律背反するようなこれらの事象が、
実はコインの表裏であること、いとも簡単に意味も立場も反転することを
巧みなストーリーで展開している。
映像や音楽の美しさを、悲劇性に添加させ、一縷の希望に昇華させていく
岩井さんの感性と力量が、見事に作品作り、世界観の成立に発揮された、
監督作品の中でもベストな作品だと思います。
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