ウィンチェスター大聖堂聖歌隊は、ソプラノをボーイが担当し、アルトは男声のファルセットによる。このため、ソプラノは表現的にやや拙い面もあるが、全体的に抑制された音楽の作りによってそのことは目立たなくなっているし、内に秘めたエネルギーが満ち溢れているアルトの歌声が、抑制された音楽の中に激しい祈りの響きを醸し出すのである。
演奏もさることながら、大聖堂を舞台にすばらしく演出された映像は見ものである。音楽の響きと映像が一体となり、祈りが画面から噴出するかのような錯覚にとらわれる。藝術音楽DVDであると同時に、芸術的映像作品DVDでもある。