エディターレビュー
舞台は1960年代末のヴェトナム。ウィラード大尉(マーティン・シーン)は、ジョングルの奥地で王国を築いたとされるカーツ大佐(マーロン・ブランド)を暗殺する命令を受け、部下4人を引き連れてナング河を溯っていく。その過程でウィラードが遭遇するさまざまな戦争、そして人生の狂気。やがて彼はカーツと対峙し…。 フランシス・コッポラ監督(この作品よりしばらく彼はミドルネームをクレジットから省略)が己の映画生命のすべてを投入し、文字通り狂気の沙汰を繰り返した果てに完成させた戦争超大作。単にヴェトナム戦争ものというよりも、戦争そのものの本質や、そこから浮かび上がる人間の内面を鋭くえぐったものととらえた方がよく、そのクオリティは映画史のみならず、20世紀の芸術史に残るべきもの。 1979年度のカンヌ国際映画祭グランプリを受賞。それから20年の歳月を経た2001年には、約50分の未公開シーンを追加再編集した『特別完全版』を完成させている。(的田也寸志)
カスタマーレビュー
とりあえず見とくべき映画 地獄の黙示録 特別完全版 [DVD] マーロン・ブランド
飛び回るヘリとドアーズから始まる見事すぎる。
あの有名なワーグナーの曲を空からガンガン鳴らしながら来るヘリ部隊。
圧倒的な迫力の戦闘シーンと、戦場なのにどうしてもサーフィンをやるときかない
イカれた大将。統率も何もあったもんじゃない、狂気の戦争これがベトナム。
終盤、なんだかオカルトちっくになってしまったのはちょっと残念。
最後までリアルに狂った戦争を表現して欲しかった。
しかし原作がそうなってるならしょうがない。(読んでないけど)
見終わった後、重苦しい気持ちになるが、それもまた良し。
マーティン・シーンのストイックなかっこよさがたまらない。
こないだ「白い家の少女」を見たのでギャップがw
それに、マトリックスでモーフィアス役の
若きローレンス・フィッシュバーンが出てるのに驚きました。
映画の持つ底力。 地獄の黙示録 特別完全版 [DVD] マーロン・ブランド
これを最初に観たのは高校生の時だったか(もちろんオリジナル版)。その時は全編鳥肌立てて観てました。観終わった後も頭ピキピキしてどうしようもなかった。今回、ギルゴア中佐のエピソードを爆笑しながら観る僕...時は流れますね。でもエンディングでなんか泣けた。いろいろエピソードが追加された事で、オリジナル版の異様なテンションは薄まっちゃったような気がするが、物語としては1本スーっと繋がった感じ。コッポラが自分で落とし前をつけた以上、これからは完全版を観るべきでしょう。どっちにしても傑作です。これと「フルメタル・ジャケット」は永久に不滅ですよ。「パール○ーバー」で泣けるようなアホは、一生観なくていいです。って最初から観ないわな、そういう人は。笑
なにも言うことなしの傑作 地獄の黙示録 特別完全版 [DVD] マーロン・ブランド
映画公開時に観ました。終わった後、観客が暫く席を立たなかった記憶があります。圧倒的な迫力の映像、音楽、演出。これこそが映画だと今でも思う傑作です。内容はどうでも関係ありません。マーロンブランドは、役柄と全く違う体型で現れ、脚本を替えてしまう荒技でコッポラと向き合い、存在感をアピールします。ブランドの一本勝ちです。恐らく、ブランドなりのアポカリプスナウの表現方法を取ったと思われます。マーティーシーンもいい味だしてますね。初めはスティーブマックイーンにオファーされましたが、当時で300万ドルプラス収益の5%という途方もないギャラで断られ、アルパチーノ、ジャックニコルソンにも断られたそうですが、やはりブランドの迫力に恐れをなしたのでしょう。その中でも光っていたのが、ロバートデュバルですね。いかれた大尉役で見事にはまり役です。ブランドとの絡みがないのが残念です。あとは、デニスホッパーも脇をしっかり固めています。この人もいかれた役をさせると右にでる者なしです。また、若き日のハリソンフォードもちょい役ででていますが、スルーしても問題なしです。2002年に完全版を映画館で観ましたが、50分の長さは気にならなかったですね。ベトナムがフランスの植民地だった事がよくわかります。ベトナムは、アメリカにもフランスにも怯む事がなかった凄い国だった事が理解できますが、未だに途上国である事はいかに戦争が愚かでダメージが大きいかこの映画は教えてくれます。永らく廃盤のようですが、メーカーも何を考えているんでしょうねー。まともに買えるのが、ゴッドファザーとドラキュラですって!去年、ボストンに行ったおり、DVDショップでコッポラのコーナーに山のように置いてありましたよ。何と4ドル75セントで。リージョンフリーの装置で観てますが日本盤に較べて画像のよさは格段に美しいですよ。それが10分の1で手に入ります。英語がわかると尚可です。勉強しましょう。
20世紀最大のテーマHORRORを掲げて 地獄の黙示録 特別完全版 [DVD] マーロン・ブランド
暗示的な映画だからいろいろな見方があります。この作品は表面的にも面白いのですがその深みをつかんでいただく助けになればと自分の勝手な思いこみを以下に公表します。立花氏のは読んでません。コンラッドと特典映像だけが本作の参考書でした。「地獄の黙示録」はオリジナルも完全限定版も十分理解可能だというのが私の結論です。この映画のテーマは「20世紀最大のテーマHORROR」=みんなが平和を求めても戦争がなくならないシステムの存在
原作の発表、ベトナム戦争、映画の封切、特別完全版の発表と1世紀にわたるコンラッドからコッポラまでの共同作業がここに完成。オリジナルのド派手なエンディングクレジットを気に入ったのだがそれで観客が結末を誤解したため特別完全版では変えられたことを知り驚いた。satisfactionをバックにランスが使ったボードの由来、プレイメイトの悲しい結末、移植したフランスの人々に関する話が追加されて映画は個々の関連が明確になり『ゴッドファーザーのコッポラ』らしい作品に変化した。しかしこの映画の本質はもともと戦争映画の枠を超えて極めて哲学的でありこれらの変更においてもなんらそれは変わらない。
戦争システム 人間には動物の本能としてhorror(生命の存在も消滅も意図がないこと)が存在する。(カーツはかつての作戦における原住民を見てそれに気づく。)人間は自衛としてhorrorに対して文明を築くが、自然・非文明の営みと合わなくなり不条理が生まれる(たとえば南北ベトナムのイデオロギー対立だ)。そしてその不条理を埋めるため必然的に形成された(カーツ、ヒトラーなどの)宗教やカリスマが本来孤独な個人を戦場へと送り出す。そういう図式ができてしまうと各個人が平和を希求してもなかなか結実せず悲劇が連鎖するようになる。
私たち全員がhorrorを持っているという事実に無関心な指揮官はカーツを理解できず、彼の行為を不道徳的なものとして憎悪する。しかるに彼らは同時に戦争というシステムで非倫理的な行為を遂行する人たちでもある。戦争の本質を露わにするため映画はhorrorを避けられぬものとして描き、horrorの権現であるカーツを主人公とする。かつて極めて知的な人間だったカーツがhorrorにうちのめされhorrorに意識的な言動を続ける(この部分がカーツとクルツが微妙に異なるところ)。「恐怖を友とせよ」、「裁きは敗北をもたらす」という言葉は(クルツではなく)カーツの名台詞であるが戦争の起源とそこから勝利を得る方法をカーツが正しく認識していた証である。さらにheart of darknessにおけるクルツの重要な台詞をそのままカーツの台詞として採用した結果同じ戦争を題材にした「プラトーン」etcに比べて格別の深みをもつ戦争映画になった。、、、プラトーンも名画ではあります。
エンディングクレジットについて「残念なことにオリジナルは深い意味なく入れたセットの破壊映像によってウィラードがカーツの指示を遂行し非武装化した王国を爆破したと観客に誤解された」とコッポラは言っている。つまりウィラードはカーツの指示を遂行せず王国を武装解除したというのがコッポラの意図した筋書きになるのだがどちらの筋書きでも良いのではないか。この映画の難解さは日常の私たちが意識できない心の奥に潜むhorrorを映画の中心としたことにあり、最後にウイラードがとってかわって王国の主人になろうが、何もせずに逃げ帰ろうが、はてまた破壊しようがhorrorと向き合えないウイラードが残るわけで主題に与える影響は大差がない。特別限定版のウイラードはカーツとの対面によりhorrorと向き合った男に変化して武装解除するという点を明確にしたが、それでも制作者の意図に反して「やっぱり平和ってことだよね」という安易な反戦映画と誤解され(それでは文芸作品としてコンラッドの原作にはるか及ばぬものになり)かねない。描きにくいhorrorをいかにしてみせるかで脚本に苦心し撮影中に荒れ狂ったコッポラこそコンラッドに近づいていた男であり、おそらく特別限定版を編集した彼とは別人だった。しかしこの映画の本質は哲学的でありすこしばかり変更されてもなんら影響なく高く評価できる。つまりどちらのバージョンを愛しても同じテーマを享受できるし、人間の脆さに無関心な人にとって永遠に難解な映画であることに変わりはない。
ヴェトナム戦争を舞台としたRPG 地獄の黙示録 特別完全版 [DVD] マーロン・ブランド
初めて見た時は私も中学生でした。全く意味分からずだったけど、あのコッポラの映画だからと必死にこの映画の言わんとすることを考えたけど、よくわからずに大人になってしまった。
しかしその後この長尺版を見て、そうかなるほど!、とこの映画の意味を理解したのは、この映画の公開当時にはなかったビデオゲームのRPGを知ったからと、古今東西の多くの英雄物語が同じ構造の筋になっているということを知ったから。日本の桃太郎もそうだが、主人公は旅に出る→仲間ができる→最後に鬼=王=悪の帝王=ボスを倒す、という構造がこの映画にもあてはまる。どなたかが「小さなボートに乗り合わせた男たちがたどる「旅」を描いたロードムービーだ」とおっしゃっていたのは、正しい理解だ。
主人公の前に次々と現れるユニークなキャラ、それらをクリアして最後のステージでカーツを倒してゲームオーバー。このおもしろさを味わうには、途中現れるキャラを省略しては面白みも半減するし、RPGの意味が分からなくなってしまう。RPGは最後の敵にたどり着くまでが面白いのである。特別完全版で正解です!
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