エディターレビュー
1968年12月に発生した3億円強奪事件。犯人の可門良(沢田研二)は、孤児院の先輩だった元刑事・野々村(藤竜也)の経営する高級クラブ「日蝕」で歌手として働いているが実は脳腫瘍に冒されており、余命いくばくもない身体であった。時効まであと半年となった時、金目当てに良をつけ狙う男、良の不思議な魅力に惹かれる女、3億円事件解決に執念を燃やす刑事たちが現れ、彼の運命を狂わせていく…。 良と野々村の関係がホモセクシャルを思わせ、沢田の持つ退廃的な雰囲気がフルに生かされた作品。加えて久世光彦(プロデューサー兼演出)の挑戦的な演出が随所に見られ、大胆なヌードシーンや多量の血しぶきが飛ぶ暴力シーンの数々は鮮烈にして強烈。劇中、3億円を命がけで守る良が野々村に「この金は、俺の青春なんだ!」と叫ぶシーンが印象的。この作品は、もう若くはない男と女が、青春の夢を果たした青年に自分の夢の残像を重ね合わせた末、命を落としていく哀しい物語なのである。(斉藤守彦)
カスタマーレビュー
スタジオドラマだからこそ、久世光彦だからこそ・・・!! 悪魔のようなあいつ DVDセット2 沢田研二
フィルム作品命の私ですが、この生々しさを30年以上経った今、まるで当時に帰ったかのように味わえるのはビデオ作品ならでは。沢田研二を魅力的に見せるため”だけ”に多過ぎるくらいの設定をぶち込んでます。(頭痛とともに流れる音楽と字幕、私は全然陳腐とは思いません。「久世ワールドだなあ!」とニヤリとしました。)かつて沢田氏とエレベーターに乗り合わせただけでドキドキし、「僕はホモッ気があるのかなあ。勿論精神的にだよ」と語った久世氏の心情を代弁するかのように、加門良の周りの人物は彼に狂わされ、破滅していく・・・。
本作が久世氏の”背徳への憧れ”を満載させた作品であることは、書物などで有名で、私個人からみれば残酷めいた描写さえも、何もかも美しい。
良の退廃美を表現しきった沢田研二は大天才である(あの俳優もこの俳優も、私には沢田氏の影響を受けてるモノマネ演技としか思えないのだが、言い過ぎ・・・ですよね)。
野々村の藤竜さんがまた良いんだ、これが。日活ニューアクション時には笑い方で、「時間ですよ」では声の震えで、そして今回は手振りで、独特の個性を表現している。
ポール・シー・ハーパー・ジュニア(島の名前)の話に良は間をおいて、答える。
「野々村さん・・・その話、もう飽きたよ」
研ぎ澄まされた感性の良が次に何を言うか、私は息を詰めて見守ったものだ・・・。
可門 良よ、永遠なれ。 悪魔のようなあいつ DVDセット2 沢田研二
ジュリーの妖しい魅力にすっかりメロメロになり、やはりディスク2も購入してしまいました。ドラマの内容的には後半バタバタと駆け足で過ぎて行き、最後は血みどろの戦いで終わってしまった感があるが ドラマの中にいかにも久世光彦ワールドを感じて 痛快で懐かしかった。三億円の金より良(ジュリー)を愛してしまった、野々村(藤竜也)山川静枝(篠ひろこ) 八村ふみよ(安田道代)の最期が哀れであったが、良は結局は誰も愛さなかったのではないか、、やはり愛したのは三億円事件という青春だけだったと思う。配役的には白戸刑事役の若山富三郎がさすがにうまい演技を見せたし 最期までダメ男だった八村(荒木一郎) 味方のフリをして裏切った王(細川俊之)のねんねこ姿が妙に面白かった。
全17話見終えた今、素晴らしい余韻が残っています 悪魔のようなあいつ DVDセット2 沢田研二
廃盤売り切れで手に入らなかったBOXセット2を帰省中の札幌で偶然見つけました。そして全17話を見終えました。今では最上級の文学作品を読み終えた後の様な感慨にひたっています。紛れもなくこのドラマは日本のTV界が作り得た傑作の1つです。 BOXセット1での世界観を動かしているのは間違いなく白戸刑事(命名が『逃亡者』のジラード刑事からきているという新事実に驚嘆)なのですが、2では唐突に登場する王礼仁が作品世界を完全にピカレスクに染めていきます。ノノが絞殺されてからは前半の作品世界が崩壊し、ドラマの主要人物が死んでもおかしくない雰囲気になり、最終回のカタストロフィへと堰を切った様になだれ込んでいきます。ドラマ故の宿命なのか、最後の2、3話は丹念に張り巡らせた伏線を無理矢理収束させている感じがします。視聴率が順調なら時効成立までもう1山も2山もドラマを作って行けそうな環境設定が揃っていたのですが、今となってはそれが無念と言うしかありません。しかし『俺たちに明日はない』等がそうだった様に、前半の青春の彷徨ストーリーが血みどろの壮絶な結末を迎えてしまうというのは極めて時代的なテーマだったとも言えましょう。ロマンティシズムで始まったものが狂奔し、むしろ救済であるかのような「死」へと向かっていく。これもまた1つの素晴らしいフィナーレだったと思うのです。 それでもなお、全17話を見終えた今でも主人公達の一挙手一投足が爽やかな感触で心に残っています。それはこのストーリーが3億円という金をめぐる愛憎劇なのにも関わらず、彼らが「金」というもの以上のものを求めて悩み、苦しみ、自分の生きている意味を見つけていくその姿に共感するからです。良、野々村、白戸刑事、静枝、ふみよ…。「私の初めての青春なのよ」(静枝)「こいつはもう金以上のものなんだよ」(良)。彼らの魂の痕跡が今でも私の胸の中にこだましています。
時の過ぎ行くままに 悪魔のようなあいつ DVDセット2 沢田研二
あたしが高校生のころ「悪魔のようなあいつ」はカリスマドラマだった。あまりに美しくはかないジュリー。デイブ平尾のママリンゴの唄。安田夏代(だっけ?)は官能的だったなぁ。ドラマ全体の絶望的なムードはあの時代ならではのもの。ジュリーの役名はりょう。そのままのファッションで六本木の今はなきパブカーディナルでお見かけしました。原作劇画は上村一夫さん。手に入れたくて検索中にこのDVDの存在を知りました。70年代の製作者の方々の熱い気持ちのこもった、人間の哀しさあふれた愛しいドラマです。
ジュリーの色気にうっとり 悪魔のようなあいつ DVDセット2 沢田研二
このドラマが放送されていた時、私はまだ小学校にあがる前でした。 当然そんな子供がこのドラマを見ている訳はありません。 しかし、私の大好きな小説を書かれた作家さんが、その小説の主人公のモデル(と言うかイメージとした人物)になったのが、この「悪魔のようなあいつ」の沢田研二さんだったとのこと。 私はただそれだけの理由でどうしてもこのドラマが見たく、でも過去に一度も再放送もビデオ化もされておらず、ようやく手に入れることが出来ました。 そうして、実際見てびっくりです。 私は沢田研二さんが歌手として活躍していたことはよく知っていますが、その頃とはまたひと味違った、見ている自分が何だか恥ずかしくなってしまうような少年じみた色気がある。 このジュリーの色気を見ちゃったら、今時の若いタレントなんか目に入らなくなってしまうこと間違いなしです。
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