カスタマーレビュー
サウラの美学ここにあり ゴヤ [DVD] フランシスコ・ラバル
紅、血の紅、
切り落とされた牛の首から滴り落ちて染み込んだ砂地
皮を剥がれて内蔵を取り去られた牛の胴体
その内部へとどんどんカメラは近づき
腹腔部のしわがアップになると
そこへ老いたゴヤの顔が重なってドラマが始まる
ゴヤの寝室は壁も赤、床も赤、
対照的に純白なベッドリネンとゴヤの寝間着
そして蒼ざめたほどの顔色
彼は追い求める
最愛の人、カエターノの死因を
愛娘のロザリートはもういない父の愛人を妬むかのように
老いた父を惹き付けるために情熱を燃やす
ゴヤにとって妻とは
最初の妻も、死をみとった最後の妻も
かけがえのない女性でありながら
それは彼を守る「母」だった
彼の想像力の源となったのは
いつの日も「マハ」ことカエターノ、solo de Goya
彼女は権謀術数の中に飛び込み、そして殺された
その圧政をゴヤは憎み
それを告発すべく虐げられた民衆を描いた
苦しみ、悶え、安住を許されない民衆とその屍を
それにしてもサウラの画面はいつも通り
彩りといい構成といい
ひとつひとつがそのまま絵になるようなカットの美しさ!
その美しさに見とれてストーリーなんかどうでもよくなってしまいそうだ
ゴヤの夢 ゴヤ [DVD] フランシスコ・ラバル
真っ赤な屠殺された牛の映像から始まるこの映画、赤、白、青、黒とさまざまな色が効果的に使われている映画である。
死の直前のフランス滞在のゴヤ、彼は夢うつつの中今までの人生を振り返る。
聴覚を失い絶望の中名声は高まり、アルバ侯爵夫人との情事、そして夫人の死、フランスの侵略、最後の家での「死」を見つめた連作。
レンブランドとベラスケスに憧れ、近代絵画の旗手となった彼の人生が非常に幻想的に描かれているので、1回見ただけでは少々わかりにくいが、ゴヤの代表作と共に進むストーリーは彼の絵が好きな人だったらたまらないであろう。
ゴヤの絵とは知らないで今まで見てきたものもたくさんあり、図書館にいって彼の画集を紐解いてみた。
監督からゴヤの研究家だった兄に捧げられた映画。監督の思いが伝わってくる。
ただ、アルバ侯爵夫人役のマリベル.ベルドゥ、いい女優さんなのだが、気高い侯爵夫人という雰囲気には程遠かった。それが残念。
幻想と現実のはざまで画家が振り返る人生とは ゴヤ [DVD] フランシスコ・ラバル
80歳を越えたフランシスコ・ゴヤは自由主義者に対する弾圧を逃れて故国スペインを後にした。現在はフランスのボルドーで亡命生活を強いられている。それでも一連の「黒い絵」を描くなど、創作意欲は衰えていない。しかしやがて現実と過去との境がおぼろになり、かつて愛したアルバ公爵夫人カイェターナが姿を現す…。
ゴヤとカイェターナ、そして時の宰相ゴドイの物語としては、ペネロペ・クルスが出ている「裸のマハ」(ASIN: B00006G90Q)が有名ですし、そちらのほうが三者の関係や時代背景が細かく描かれているので、19世紀初頭のスペイン宮廷をめぐる権謀術数については理解が進むかもしれません。ですから「裸のマハ」を見てからこの「ゴヤ」を見るほうが良いでしょう。
本作「ゴヤ」は、最晩年の画家が来し方を振り返り、波乱万丈の人生の中で愛したカイェターナという奔放な女との逢瀬を懐かしむという物語です。カイェターナは時の王妃に毒殺されたという説が今も伝わる女性ですが、これを「天国の口、楽園の島」のマリベル・ベルドゥーが演じ、惜しげもなく裸身をさらしています。ゴドイの愛人でもあった野心的な女を演じるにはマリベル・ベルドゥーはうってつけの女優であることを見事に証明してみせています。
監督はカルロス・サウラ。ストーリー展開よりも映像美に重きを置く傾向が強い作家で、この「ゴヤ」でも画家の作品「マドリード、1808年5月3日」や「アントニオの奇跡」を、役者陣に書き割りの前で再現させるなど、凝った演出が随所に見られます。そうした作家性を楽しめるならば、この映画を見る価値はあるでしょう。
手堅くも芸術的 ゴヤ [DVD] フランシスコ・ラバル
スペインの映画の巨匠カルロス・サウラが描く、絵画の巨匠ゴヤの生涯。やはりスペイン人はスペイン人が描くべきであろう。アメリカ映画的なぬるい娯楽性はなく、手堅く静かにゴヤの生涯を見つめることができる。激動を時代を生きた天才画家の生涯は必見。スペインに行きたくなる作品であった。
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