この白鳥を見たのは今から13年以上前ですが、今でもお気に入りです。ミハリチェンコは体全体を使って踊っているので見ていて気持ちがいい。この時も結構な年齢にもかかわらず素晴らしい踊りを披露している。体は決して華奢ではないが、脚にも表情があって全体的にカッコがいい。他はロッド・バルト役のヴェトロフの脚もカッコがいい。様々な白鳥があるが、ミハリチェンコの白鳥は他と比べ物にならないくらい優雅で、黒鳥のアダージォは格調高い雰囲気を出している。
はっきり言って、表現力は他のプリマは足元にも及ばないと思う。
世界最高のバレエ作品であり、不滅の人気を誇る名作、チャイコフスキー作曲の「白鳥の湖」。
この作品は今までの伝統的なプティパ=イワノワの振り付けの長所を生かしながら、ユーリコ・グリゴローヴィチが新しい解釈を加えて振り付けたものです。普通は4幕仕立ての物語なのですがこの作品では2幕仕立てになっています。でも全然無理が無く、むしろ話の展開がスピーディーになっていて今まで以上にストレス無く見れます。またどちらかというと形式的になりがちなバレエの踊り一つ一つに意味を持たせて、よりリアリティのある物語となっています。何よりも今までどうも影の薄かった王子が、今回主役としてその内面の描写にかなりスポットが当たっています。
ダンサーもさすがボリショイとうならせるぐらい最高のダンサーをそろえています。
道化役のM・シャルコフの跳躍と回転には圧倒されます。
全く踊らないのに王妃の威厳を身体全体で見事に演じきったI・リエパも素晴らしかったです。
何よりも群舞の美しさは、ボリショイの真髄ここにありという感じでした。
そして主役のA・ミハリチェンコの踊りは彼らの頂点に立つのに相応しい踊りです。
白鳥の湖はオデットとオディールという全く性格の違う二つの役を一人二役で踊るところに見所があるのですが、彼女は見事に演じ分けていました。一瞬同一人物と信じることができないぐらいです。
誰が良いというのではなく、全体的な完成度の高さとして、これは史上最高の「白鳥の湖」です。