エディターレビュー
ビョーク扮するセルマは、チェコからの移民。プレス工場で働き、唯一の楽しみはミュージカルという空想の世界を創りあげること。遺伝性疾患のため衰えていく視力と闘いながら、同じ病に侵された息子の手術費用を稼ぐため身を粉にして働く毎日。そのセルマにあまりに残酷な運命が待ち受けていた…。 「非の打ちどころのないすばらしい音楽の美と、不完全で醜悪な現実が並列して描かれている。同時に演奏する2つのオーケストラのように」と同名の書で評されているように、これほど観る人のあらゆる感情を暴力的なまでに呼び覚ますミュージカルはほかにない。ラース・フォン・トリアー監督が「ビョークはセルマであり、セルマはビョークだった」と述べたように、ビョークはセルマを演じるというよりも、セルマに心を宿したビョーク自身がメッセージを投げかけているようにみえる。 洗練されすぎたカメラワークを嫌う監督が、100台のカメラを駆使して撮りあげたトリアーワールドは絶対に見逃せない。本作は2000年カンヌ映画祭でパルムドールに輝いた。(野澤敦子)
カスタマーレビュー
元気な時に見てください ダンサー・イン・ザ・ダーク【日本語吹替版】 [VHS] ビョーク
セルマは女手ひとつで息子のジーンを育てながら工場で働いている。彼女に対して理解と愛情を持つ人々に囲まれ満ち足りた生活を送っていた。しかし、彼女は遺伝性の病のため視力が失われつつあり、ジーンも手術を受けない限り同じ運命を辿ってしまうのだった。そのために、内職もしてジーンの手術費用を貯えていた。が、ある日工場を解雇されてしまい、貯めていたお金まで盗まれていた……。
この作品はきっと評価が分かれると思います。周囲からこの作品は素晴らしいと聞いていましたが、残念ながら僕には合いませんでした。
ミュージカルのシーンがふんだんに盛り込まれていましたが、僕にはそれがまず合いませんでした。
おまけに主人公の女性が何かあるとすぐに妄想の世界に飛んでしまい、親切な周りの人の言うこうとを聞かず、思考回路が飛んでいて作品の世界観に最後まで馴染めませんでした。
正直言って、自分が落ち込んでいたり、気持ちが塞ぎ込んでいる時は見ないほうがいいと思います。
見ようと思っている人は元気な時に見ることをおススメします。
映像&音楽&ビョークだけなら文句なしに★5つ ダンサー・イン・ザ・ダーク【日本語吹替版】 [VHS] ビョーク
なんですけど……^^;
神秘的なオープニングのあと、冒頭からラストまでほとんど全編通して貫かれる手持ちカメラで登場人物を追ってゆく撮影方法、それにジャンプカットによって目まぐるしく変わってゆく映像は、それだけでも観る者の感性に強く訴えかけてくるものがあります。
また色調の抑えられた画の中に、突如として挿入される70年代アメリカのテレビドラマ風(?)ミュージカルシーンは、ビョークによる楽曲の質の高さとも相まって、とても素晴らしいものになっていると思います。
このミュージカルシーンだけを抜き出してみてみるのも楽しいんじゃないでしょうか。
監督自身による「ビョークはセルマであり、セルマはビョークだった」という言葉通り、このセルマという登場人物、ひいてはこの映画自体がビョークのための映画である、というとらえ方もできると思います。
それほどまでにこのセルマというキャラクターは、ビョークにとって当たり役だったといえるでしょう。
時には感情をむき出しにし、怒り、泣き、また切なげな表情を見せるビョークには、文字通り鬼気迫るものを感じました。
先に述べた事柄だけなら素晴らしい作品であった、と声を大にして言えるのですが、個人的にはどうも登場人物、特に肝心のセルマの行動付けが中途半端すぎて最後までどうしても感情移入できませんでした。
なんというか、全体を通して自己中心的で、その割に中途半端な他者への愛のようなものも持っているような、本当によく分からないキャラクターになってしまっているように思います。
これだけ中途半端なキャラクター設定では、せっかくのビョークの熱演も台無しになってしまいます。
また肝心のストーリーの方も、ただただ主人公に襲いかかる悲しすぎる出来事を見せつけられているだけで、そこから何を伝えたかったのか、ということが全然伝わってきませんでした。
のちの『ドッグヴィル』などではそのあたりが明確で、文句なしの傑作と呼べるものになっていたのですが……。
いずれにしても、トリアー監督の演出、映像構成に、ビョークの熱演と素晴らしい音楽だけであれば文句なしの出来栄えだったのですが、キャラ設定やストーリーの貧弱さがそれらをぶち壊しにしてしまっている作品のように思いました。
ただ、何も考えず2時間目と耳で映像を追っているだけならばこれほど美しく、儚い映画も他にはなかなか無いようにも思います。
じわじわと・・・ ダンサー・イン・ザ・ダーク【日本語吹替版】 [VHS] ビョーク
盲目の主人公の現実が暗い。
それでも生活の中のあらゆる音をミュージックにして、空想の世界にふける。
行ったり来たりする世界が心地良い・・・
と順調に見ているところに、すでに見たことのある同居人が
「ビョークのPVみたいでしょー?」
と横やりを入れてきてからは、
何だかそんな風に見えてきてしまった・・・うーむ。
しかしクライマックスに向かうにつれて、いつの間にかまた見入っていた。
最期に完全な沈黙の中、歌い出す主人公の姿には涙してしまった。
終わった後は、確かにおもーい気分になるが、
エンディングのメッセージが重みを解消させてくれるような気がした。
作家の責任とは・・・ ダンサー・イン・ザ・ダーク【日本語吹替版】 [VHS] ビョーク
ビヨークが好きで、試写会で学生の頃、観ました。
あれから何年も経ちますが、なぜこの作品を作者が作ったのか理解できませんでしたが、今となっては理解したくないと思うようになりました。理解するにはひどい作品を思い出さないとならないためです。
まず、救いようのない弱者なだけでなく愚かさを与えられた主人公の設定にイライラさせられます。それから発砲してしまう場面で変にリアルなカメラに吐き気がします。あれは誰の目線なのでしょうか。救いようのない悲劇の連続にももちろん腹が立ちます。社会の暗さや人生の生き難さを描くとしても、なぜこの方法を選んだのか、理解に苦しみます。
いい解釈があるとしても、それは観終わった人が独自に解釈するしかなく、そのガイドラインになるようなストーリーも感じられない。作家として不親切きわまりません。映画祭に出品するとしても、部門を考えるべきでしょうし、日本も賞をもらった作品だからと言ってどこでも上映していい作品でないことをよく考えるべきだったでしょう。「ある視点」という限定があれば、この作品もアリかな、と思えたかもしれません。
デンマークは、安楽死についてなどかなり踏み込んだ姿勢を持っている国ですし、かなり過激なテレビ番組が制作されていると聞きます。そのような背景からこの作品が生まれたと理解するようにしています。とはいえ、この作品を世に送り出した監督には、ちょっと待ちなさい、と言いたいです。彼の良心とは非常にわかりづらいものだったと優しく理解するしかないように思います。彼は、世界に対してとても暗くて重たい責任を負ったと思います。
結局、わたしはあまりに辛くてラストシーンは目を閉じ、耳も塞いでしまいました。生涯観ることはないでしょう。怒りを湧かせる作品を作った、という部分にだけ特徴があるとし、☆を1つつけようと思います。
映像や脚本は素晴らしいが…… ダンサー・イン・ザ・ダーク【日本語吹替版】 [VHS] ビョーク
人間味にあふれているし、ミュージカルのシーンも叙情的で面白い。
主人公にイライラするのは、作品にのめり込まされている事実だとも言える。
しかしクソ映画であることも事実。
いっそ、主人公も開始早々に死んでくれた方が見てる方も幸福だった。 小説だったら面白いだろうけど、この表現は映画じゃあないと無理だろうし……
主人公の行動に共感をしようとする人は、主人公の頭をどつき回したくなっても仕方ないんじゃあなかろうか。 ハリウッド映画に出てくるテンションばかり高いバカキャラの黒人が、死なないで最後まで主人公にちょっかいを出し続けてきたら嫌だなぁと思う人は観ない方がいい。
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