カスタマーレビュー
5時間バージョンの発売望む ファニーとアレクサンデル [DVD] グン・ヴォールグレーン
本作はベルイマンの集大成的作品で、アカデミー賞受賞作のわりにはあまり注目されないのが残念です。
3時間バージョンのDVDですら既に価格高騰で入手困難ですが、日本で上映された5時間バージョンで是非DVDを発売してほしい映画です。
出たら予約して買います。
ベルイマン全作品のリマスターを望む ファニーとアレクサンデル [DVD] グン・ヴォールグレーン
5時間版じゃないのね。岩波ホールで5時間版の方を見ましたが、決して長く感じないの。
確か元々はスウェーデンのテレビドラマ用に作られたものなので、1時間ものが5話連続というだけなのよ。で、映像がこの上なく美しく、ドラマは奥行きがありベルイマンそのもののアレクサンデルから見た世界で、サスペンス映画でもあるの(ラストはスリラーだけど)。
ベルイマンの映画は人類の遺産なので、できるだけオリジナルに忠実にかつ美しさを維持してDVD化してほしい。受注生産でもいいから全作品のリマスター再発を望む。
たのむよ。文化遺産だよ。もっと作品に愛情を持とうよ。
命の輝きと欺瞞の曇りを見事に対比した生きることについての物語 ファニーとアレクサンデル [DVD] グン・ヴォールグレーン
20世紀初頭、スウェーデンの上流一家エークダール家の豪華絢爛なクリスマスパーティから物語は始まり、それぞれが苦悩を抱えながらも楽しい宴を通して家族の絆が描かれます。しかし、家業の劇場を主宰する長男の健康状態の悪化が一族の幸せに不安の影を落としていきます。やがて長男を失ったエークダール家は長男の遺児であるアレクサンデルとファニーをも手放さなくてはならない羽目に。これは、そんな家族の激動の時を少年アレクサンデルの目を通して描いた、華麗かつ憂いに満ちた一家の物語。
さすがに一貫して生きることの意味を問うてきた映像作家ベルイマン監督らしい構成。アレクサンデルとファニーが満喫した実家での幸せなクリスマスと、母親の再婚先である厳しく傲慢な司教宅での暗い生活を鋭く対比させ、人生の多様性を幼い視点を通して浮き彫りにします。どんなに問題を抱えようと明るく前向きに生きようとする実家の祖母と、猜疑心から自分の価値観を押し付けることでしか他と交流することのできない義父のおろかさもしっかりと比較されて、観る者の心と価値観を揺さぶります。前者には命の輝きと、後者には欺瞞の曇りとをそれぞれ見ることができます。
ベルイマン監督はこうした多様な人間の心のありようを、いささかのファンタジーを加えて幻想的に描いていますが、その手法はまさに“ちょうどよい塩梅”の一言につきます。アレキサンデルが時折見る父親の亡霊、サイコメトリーを少年に施す中性的な若者、逃げたはずの子供たちの残像が見えてしまう司教・・・。幻想的なシーンが現実のシーンとほどよい調和を見せて、生きることを問う人間の姿、命の輝きと欺瞞の悲しさがひしひしと伝わってくるあたりは圧巻。近年『パンズ・ラビリンス』を発表し現実とファンタジーが融合した独自の世界観を作り上げたギレルモ・デル・トロ監督も、もしかしたら本編に影響を受けたのではないでしょうか。また祖母が住まう館のたたずまいは筆舌しがたいほど調和に満ちた上品さをかもし出して、一家の主としての祖母のほどよい精神的バランスを見事に表象しています。
まさにこれは豪華絢爛であることから、また現実とファンタジーの融合であることから、さらに生と死の問題にいやというほど切り込んでいることから、ベルイマン映画の一つの集大成とも呼べる作品に仕上がっています。色々な言葉を並べましたが、このフィルムだけが持つ独自の雰囲気は、やはり観た者にしかわからないのではないかと思います。
映画作りの面白さ ファニーとアレクサンデル [DVD] グン・ヴォールグレーン
この作品の凄さは観てもらわないと、中々届かないと思います。
ウディ・アレンの影響で観始めたのですが、彼がベルイマンに熱狂するのが良くわかります。
とても芸術的な匂いのする監督なのですが、突出した演出力は商業的なモノを好む方にも受け入れやすいのではないでしょうか。
「ファニーとアレクサンデル」は5時間盤を観たのですが、ベルイマンが編集したのなら3時間盤も充分楽しめると思います。
(今の日本では3時間盤の作品しか発売されていないようです)
「映画作りの面白さを味わい尽くしたから」と、これを最後に映画界を引退してしまったベルイマン。(舞台へと行っちゃいましたね^^)
とっても細かいところまで、語りだしたら尽きないほど、とても映画的な映画です(巧く伝えられないのが悔しいです)
ベルイマン、ベルイマン、ベルイマン・・・凄い監督です。
悩むより楽しめ ファニーとアレクサンデル [DVD] グン・ヴォールグレーン
ベルイマン映画の集大成のような作品だ。監督自身が編集した3時間の短縮版を鑑賞したのだが、映画冒頭延々と続く幸福な大家族のクリスマスパーティシーンは、『夏の夜は3たび微笑む』などの初期の頃の明るいコメディを想起させる。『仮面』が顔にめりこんではがれなくなった神父の姿は神の存在を問い続けた中期の作品群を、夫と女中の浮気を平然と見逃す妻のシークエンスは、夫婦関係の内面に深く切り込んだベルイマン後期作品を脳裏に鮮やかによみがえらせてくれた。
「悪が世にはびこるのは運命で誰もさけることはできない。だからこそ広い心を持ち小さな幸福を喜ぶのは何ら恥じることではない」二人の赤子を前に幸福感に満たされたグスタフ(ヤール・キューレ)が大家族に演説をふるう。〔悩むより楽しめ〕バブル世代の薄っぺらな享楽主義とは180度異なる、人生のすいも甘いも知り尽くしたベルイマンならではの深い含蓄を感ぜずにはいられない。
以前、『サラバンド』撮影風景のBBCドキュメンタリー番組をTVで見たことがある。インタビュアーの質問に答えて「どうか若い人たちが、自分が今やってることは無駄であるなどとはけっして思わないでほしい」とベルイマンが語っていたのを思い出した。この映画は<小さな幸福>にも喜びを感じる広い心をもった巨匠の嘘偽りのない若者(子供)たちへのメッセージだったように思えるのである。
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