この年僕はまだ生まれていません。ですので、記憶にはありませんが、史料的な価値を求めて聴いてみました。驚くのはダウンタウンブギウギバンド、ラップのさきがけであると同時にサザンロックやロカビリーの要素をうまく消化してサウンドに取り込んでいる様は驚きに値する。一時はラリーカールトンを目指していた野口五郎さんや、地方のテレビ曲でドラマで良く見かける中村雅俊さん、パンチパーマが印象的な黒沢年男さん、タイトルにどきっとする山口百恵さん、暴走していた西城秀樹さん、ラジオ番組を持っていた甲斐バンド、いい声してた伊藤咲子、ゴーゴーズみたいなキャンディーズ、ジャクソンファイブみたいなフィンガーファイブ。全体的に演歌調サウンドとフォーク調が多いのが特色。ずばり50代のかたにざっくりジャストミィート。まるで飲み屋さんのカウンターに座ったまま、店のママさんと人生相談している錯覚に陥りました。演歌歌謡の情念は深い。わたしばかよねえええ〜〜、の出だしはなんかすごい。 (7点)
この頃オレは、家が学区外へ引っ越したことから、これまで(「それまで」ではなく、「これまで」)の自分史々上最高といってもいいほど楽しい日々を送っていた小学校からの転校を余儀なくされ、本当にブルーであった。ま、そんなことはどうでもいいんだが、そんな思い出にひたるまでもなく、前年に続きどうも暗い、あるいは、くすんだような色合いの曲が多い(実際、景気も悪かったしな)。キャンディーズ「年下の男の子」、郷ひろみ「誘われてフラメンコ」あたり、逆に目立ちまくり、といった感じである。
そんな中、もともと歌手志望だったという《コント55号の二郎さん》が、その美声と歌のうまさを天下に知らしめ、なおかつ役者として活路をひらくきっかけ−この後、先生役でドラマに主演−も作った「学校の先生」(前年暮れの発売。この年の卒業シーズンにヒットのピークを迎えた)、そしてこのアルバムのラストを、大盛り上がり大会のオーケストラ、そしてコーラスと共に飾る「乙女のワルツ」。はじめてこの2曲を聴いた時の感動、ブルーだった心にシンクロしまくってボロ泣きしたことは、いまだに忘れられない。今でも色あせない感動を与えてくれるこの2曲のためだけにでも(もちろん、ジーンとくる曲は他にも収められている)、手に入れる価値のあるアルバムだと思う。
なお75年の『続・青春歌年鑑』も、名曲が多いのでおすすめ。
Disc1
1.シクラメンのかほり(布施明)
2.昭和枯れすすき(さくらと一郎)
3.想い出まくら(小坂恭子)
4.港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ(ダウン・タウン・ブギウギ・バンド)
5.カッコマン・ブギ(ダウン・タウン・ブギウギ・バンド)
6.心のこり(細川たかし)
7.我が良き友よ(かまやつひろし)
8.冬の色(山口百恵)
9.スモーキン’ブギ(ダウン・タウン・ブギウギ・バンド)
10.「いちご白書」をもう一度(バンバン)
11.私鉄沿線(野口五郎)
12.いつか街で会ったなら(中村雅俊)
13.やすらぎ(黒沢年男)
14.面影(しまざき由理)
15.夏ひらく青春(山口百恵)
Disc2
1.恋の暴走(西城秀樹)
2.木枯しの二人(伊藤咲子)
3.学校の先生(坂上二郎)
4.年下の男の子(キャンディーズ)
5.裏切りの街角(甲斐バンド)
6.誘われてフラメンコ(郷ひろみ)
7.雨だれ(太田裕美)
8.酒場にて(江利チエミ)
9.夢よもういちど(真木ひでと)
10.今はもうだれも(アリス)
11.みかん色の恋(ずうとるび)
12.純愛(片平なぎさ)
13.バンプ天国(フィンガー5)
14.サボテンの花(チューリップ)
15.乙女のワルツ(伊藤咲子)