エディターレビュー
『鉄男』で知られる塚本晋也監督が江戸川乱歩の短編を、世界から高く評価をされる独自の映像で映画化した作品。美しさと醜さ、異形の世界と高貴な世界、2つの世界を往来するアイデンティティの不確かさを、本木雅弘が静と動の両極端を描き分けて見事に演じきっている。また、りょうのピュアな演技にも注目したい。 時代は明治末期、父から病院を継いだ大徳寺雪雄は、美しい妻りんと共に幸福な日々を送っていた。そこに双子の弟と名乗る捨吉(本木・二役)が現れる。捨吉は、りんを狙って雪雄と入れ替わろうとするが…。捨吉の育った貧民窟と対極にある大徳寺病院のたたずまいなど、美術での描き分けも見どころである。(堤 昌司)
カスタマーレビュー
主演・本木の神々しい役作り 双生児〜GEMINI〜 特別版 本木雅弘
封切の時に映画館でこの作品を見た。この映画は、2つの点で素晴らしかった。1つは主演の本木雅弘が、役に、強烈な神を注入していて、尋常でない役作りをしているのだ。彼を見ていると、この映画に出演する彼以外のすべての役者は、狂気を装った演技をしているに過ぎず、まったく凡庸にみえる。ちょい役で出演していた、あの竹中直人でさえ、本木雅弘に比べると凡人にみえるほど、本木の役作りは、狂気そのものだった。
捨吉と雪雄を演じる、本木の神々しいまでの役作りに加えて、2番目の素晴らしさは、塚本監督の超現実的なカメラ移動が、すごい点だ。『鉄男2』でも駆使した、低視線での走るカメラ移動の採用は、おどろおどろしさを増幅している。また明治時代の木造家屋の不気味さを描くことにも成功している。十分に原作の江戸川乱歩の世界を再現しているといえるだろう。
とっても残念なのは、本木雅弘と狂気を共有せねばならない相手役の女優が、メイクはともかく、黙っているうちはまだよい!しかし、彼女の台詞を伴う部分になると、役者が演技しています!という、振り切れない何かが残っていて、本木にとって相手に不足という点がとても残念だった。
しかし、僕自身が熱心に見ていたものの、一般受けは、できないようで、上映中、8組のカップルのうち2組は上映開始後20分も経たずに、途中で退席した。さらに、映画が終了し、最後の文字がスクリーンから消えたとき、振り向くと、僕自身を含めて、たったの5人しか残っていなかった。
塚本晋也監督失敗作代表! 双生児〜GEMINI〜 特別版 本木雅弘
高円寺駅前の新星堂(今はもうない)にて、ジャケ買いしたが、買って損した感たっぷりの一品。ハッキリ言うと失敗作。 江戸川乱歩の原作で、塚本晋也監督で、モッ君主演で、眉なしメイクで、むっちゃ期待するシチュエーションで、どおおしてここまでつまらない代物が出来上がるのか、ほんまに不思議である。 パッケージには「私の中に二人の男がいる」と書いてあるが、大嘘。「りょうの中に二人の女がいる」が正解。その、りょうなんだけど、やっぱ単なるモデルだから演技が下手。勘違いして自分の肩書きを「女優」にしているとしたら、相当なバカだと言えよう。モッ君も可哀想にねえ。頑張れば頑張った分、全部が空回りしちゃって。ほんま、気の毒。竹中直人も浅野忠信も、存在の必然性全くなし。別の役者で十分。 よくこんなモン、海外の映画祭に出したよな。別の意味で勇気のある行動だったと思うよ。
美しい 双生児〜GEMINI〜 特別版 本木雅弘
たくさんの賛辞同様私も最高の映画のひとつであると胸を張っていえる作品だと思います。本木好きで塚本好きな私にとって良かったなぁと感じさせられる作品です。どんなに高い実力を持つ役者でも旬の時期に良い監督や良い映画に出演する機会は本当に少ないものです。本木さんがそうでした。気品があり妖艶な本木さんがようやくその魅力を全開に出来た作品といえます。塚本晋也監督もやや開けた感じがして最高に良かったです。柴崎コウを三池さんが取る時代だから塚本監督にもどんどんメジャー映画を撮って欲しい。出来れば今度は北村一輝を撮って欲しい。
いい映画なのかもしれない。でも、怖いよぉ〜 双生児〜GEMINI〜 特別版 本木雅弘
〜あまりネタばらしをしてはいけないと思いますが、急患2名が同時に医院を夜訪ねるシーン、むちゃくちゃ怖いです。私はあまりに怖くて、耐えきれず、DVDをそこで一旦止めました。それ以外にもいろいろ、暗くて、じめじめしていて、なんだかなぁ〜、というシーンもあります。 〜〜 もっくんは名演技ですし、浅野君も良くやっていると思います。ホラー系が得意な方には恐らく5★なのかもしれません。私はダメでした。心臓の悪い人は見ちゃだめでしょう。ということで2★。〜
「中央と周辺」を取り巻く愛憎の物語−ポップな塚本版乱歩 双生児〜GEMINI〜 特別版 本木雅弘
明治以降都市部に存在した「貧民窟」は、「疫病」の巣窟たる異界として社会の周辺に位置づけられていたが、特に問題になったのは「瘴気」すなわち「異臭」であった。当時、病原菌は「異臭」を媒介して伝播すると考えられていたが、そんな偽科学的俗説は医学者によって権威付けられ世間一般に流布された。これはたぶんに世紀末的現象であったが、この件については、丹治愛の「ドラキュラの世紀末」や三橋修の「明治のセクシュアリティ」に詳しい。 映画自体は「6月の蛇」「バレットバレエ」などに比べると格段に娯楽性が増しており、セットも大掛かりでお金もかかっている。独特の映像感覚で乱歩をなかなかポップに仕上げている。塚本の本音は「6月の蛇」や「鉄男」などにもっと直接的な形で出ていると思うが、本作品のほうが判りやすい分だけより幅広く受け入れられることになるだろう。
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