皆さん御存知の通りの『モーリス』のDVD化作品です。
フォースターの原作は英国の「奇怪な迷信」に基づく法律のせいで、著者の没後まで公刊されることはなかったという“いわく付き”の小説ですが、映像はアイボリー監督お気に入りの「旧き良き」前世紀イギリスの世界をノスタルジックに描いた佳作となっています。
エドワード・カーペンターが労働者階級の若者と同棲している事実に触発されて書かれたという原著を比較的忠実に映画化している上に、監督の思い入れがたっぷりと盛り込まれていて、なかなか素晴らしい出来映えになって居ります。劇場で観た人も観なかった人も、自宅では出来る限り画質の優れたDVDで見て頂きたい作品です。たんなるゲイ映画としてではなく、映像芸術としても魅力的な一本でありましょう。