著作権の問題をどうクリアしたのか分からないけれども、良くぞこれ掛け、集めたと思う。特に高田渡の「日曜日」を別にすれば、1960年代後半から70年代の「フォーク」の歌手たちの代表曲が集まってる。
なのに、どうして、竹内マリヤかが分からない。僕は、彼女自身のファンだけど、この企画に乗ったのは、彼女の人生の中での失敗だと思う。
でも、これ、お買い得です。ほんと。特に「日本のフォーク」にこれから親しもうとする人には・・・
「伝説」の名に恥じない、手に入りにくい名曲がテンコモリの、選曲に携わった方々の気概を感じる名コンピレーションです。まず「竹田の子守唄」!この曲は赤い鳥の最大の名曲でありながら、とある事情でこれまでベスト盤に収録されず聴くのが困難でした(現在では12枚組みボックスで聴けます)。またALFIEのビクターからのデビュー曲である74年8月の「夏しぐれ」も入っています。売れずに契約を切られ後にキャニオンから名前を変えて再デビューした、あのALFEEの曲です。更に77年の長渕剛のビクターからのデビュー曲「雨の嵐山」も入っています。これまた売れず、翌年東芝EMIから「巡恋歌」で再デビューしていますが、「雨の嵐山」はデビュー・アルバム「風は南から」にも入っていない幻の曲です。
他にも、なかなかファンでないと聴く機会がない名曲がまとめて聴けます。フォークの神様;高石友也の「受験生ブルース」や69年の岡林信康の「友よ」あたりは知っていても持っていない人も多いんじゃないでしょうか?69年5月発表(初演は67年4月のフォークコンテスト)の五つの赤い風船の代表曲「遠い世界に」、ソルティー・シュガーの70年の大ヒット曲「走れコウタロー」、ジャックス解散後の早川義夫の69年11月のアルバム「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」からは「サルビアの花」、吉田拓郎の71年の名曲「人間なんて」、加川良のはっぴいえんどがバックを務めたことでも有名なデビュー・アルバムである71年6月の「教訓」収録の「教訓1」(初演は70年の全日本フォーク・ジャンボリー)、71年9月のチェリッシュのデビュー曲「なのにあなたは京都へゆくの」小室等がリーダーであった六文銭の72年2月の「面影橋から」・・・・・などなど。
個人的には、あんまり日本の古い歌を聴く機会がなかったので、いい勉強になりました。
1960年代に思春期を過ごし、ここに収録されている曲をリアルタイムで聴いてきた者です。
高石友也が歌う「受験生ブルース」は、その時代を生きた人の大半が知っているというぐらいに愛されました。また、岡林信康の歌う「友よ」は、大きな集会では必ず合唱したという反体制の匂いを振り撒いていた曲でした。今でも好きですよ。
ラヴ・ゼネレーションという曲が個人的に好きな早川義夫の「サルビアの花」は、感情が込められていて重いですね。後に、もとまろの歌でヒットしましたね。
吉田拓郎の「人間なんて」を聞くと、パッションの塊です。LP「人間なんて」もお勧めですよ。
五つの赤い風船が歌った「遠い世界に」は、昭和40年代半ばの世相を抜きにしては語れません。日本の高度成長と共に多くの影響力を世に与え続けてきた「団塊の世代」にとっては多分一番口ずさんだ歌だと思います。国民的フォークとでも言うべき名曲ですね。もっと言えば、当時の若者の「国歌」だったのかも知れません。
サッカーの応援歌として蘇った赤い鳥の代表曲「翼を下さい」のB面が「竹田の子守唄」でした。豪華なカップリングでしたね。彼らの代表曲である「竹田の子守唄」は、その成立の背景に「部落問題」があり、放送局がその理由をもって自主規制をし、放送されなくなっていきました。100万枚以上売れて大ヒットした名曲でしたが。ここに収録されていますので、是非若い世代の方に聴いて欲しいと思います。
今は時代を反映するような曲は生まれなくなりましたね。個人的な関心に分散し、若者が何か大きなうねりというものを生み出すことも無くなりました。
多くの若者に愛された「フォークソング」をもう一度しみじみと聴いてください。懐かしい思い出が本当に走馬灯のように蘇ってきます。