エイダは、幼少時代に原因不明で声を失った未婚の母である。そんな娘に不安を抱く父に見合いを勧められ、彼女は会ったこともない相手と結婚することになる。その相手とは、アボリジニの土地の売買を生業とする買人。エイダは幼い娘と2人、彼女が唯一の表現手段としてこよなく愛するピアノと共に、未開拓の土地へと嫁ぎに行く。なかなか心を開こうとしない母子に、夫のスチュアートは誠意で挑んでゆこうとするが、あるとき、原住民との通訳を務めるべインズの土地とピアノとを交換する取引を結んでしまう。その事件を起点に、エイダの運命は静かに動き始める。
何と言っても圧巻なのが、エイダを演じるホリー・ハンターの美しさ。舞台はオーストラリアの大自然で、開拓者として居住している彼女らは、泥まみれになりながらも独自の美徳を突き通します。その両極的な美のコントラストが幻想的な映像をもたらし、そこに、口のきけないエイダのかきならす、痛々しいほど繊細なピアノの響きが重なる・・。正に女性監督ならではの官能世界。女性の方はもちろん、男性の方も必見の価値ありだと思います。