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人は工藤栄一と言えば、 大殺陣 [VHS] 里見浩太朗
「十三人の刺客」を最高傑作に推す人間も多いが、個人的には「大殺陣」こそ集団時代劇の最高傑作と信じる。 エキスパート集団「十三人」に対して、大殺陣の彼らは志を持って集まった仲間(戦闘力問わず)……が計画半ばで頓挫して崩壊寸前になって、官憲の手に落ちて拷問されまくって、もオやってられない状態に突入した直後から物語がスタート、どいつもこいつも「極めて自分本位」。 その究極は稲葉義男なのだが(ネタばれ系)、やはり画面上でのインパクトは山本麟一先生……何といってもかつての上司を売り飛ばすわ、仲間(宗方奈美)を強姦するわ、二度目に拒まれたら殺しちゃうわ、で鬼畜の限りだが、こいつが主人公側メンバーで戦闘力ではナンバーツー、おまけに最後まで特に悪いことをした報いなんか受けないアナーキーぶり。河原崎長一郎も自分の兄の復讐に燃える若者かと思ってたら最終襲撃作戦の前には壁に自分の名前をイジイジ彫ってたりするヘタレぶり、大坂志郎だけはいつものやさしいおじさんで「常識人だなあ」とか思っていると、あれよあれよと「お父ちゃ〜ん!(詳細は画面で)」に突入、ビックリすること請け合いである。 そんなしょーもない奴らが立ち向かう相手は、大友柳太朗・大木実という自信満々コンビ。しかも部下は熱湯拷問なんか平気でしちゃったりする超強力な冷血武家組織。絶対に勝てない感まんてん。 しかし、しょーもない親友・中島君(自分の死を覚悟する時のウルウル目がたまらん)の乱入を受けて、妻・三島ゆり子を殺された里見浩太郎の行動の足跡をたどれば、テロリストへの階段を着実に登っていくビルドゥングスロマン! 当初の「なんで俺が」状態から、ラスト前の「明日は死んじゃうからなあ」まで、巻き込まれ型の主人公としての成長が著しい! そして、里見の死によってスイッチが入る平幹二朗。「行動だけが人を動かす」というハードボイルドの命題がここにある。
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