映像がとてもきれいで十分楽しめるし、特に色彩、衣装など。音楽も合っていると思う。音楽のおかげで感動的な作品になっているかもしれない。ストーリーは、編集のせいか、三回みてようやくつながりをつかめた。しかし香港女優たちの憂いさ、セクシーさ、そして男優たちのカッコよさは欧米人には真似できないものがある。私はこの映画が大好きでレンタルしたあとにLDを買ってしまったくらい。
とても印象的な作品です。
ウォン・カーウァイお得意の、配役や脚本の変更、撮影の遅延
撮影終了後もなかなか編集に取りかかららず(その間に後発の『恋する惑星』の方が先に完成しちゃったりして)
ようやく公開に漕ぎ着けたと思ったら「傑作だ」「ワケの分からん駄作だ」「武侠映画としては失敗作だ」と極端な賛否両論を浴びたり(香港では公開時に、内容に怒った観客が、上映中にアチコチで席を立ち、その光景をパロディシーンとして挿入した映画まで出来たとか)
でも、実は、私はウォン・カーウァイ作品の中では、この作品が一番好きです。
「楽園の瑕」は決して、難解な映画では無いと思います。
歐陽峯、黄薬師、盲剣士、燕、桃花、陽峯の嫂、洪七、狐女…
中国圈で大ヒットした、金!庸の武侠小説に登場する老人達の若き日の、それぞれの恋愛をひたすらシンプルに描いているだけです。
自分の愛を拒絶される事を恐れ、先に他人の愛を拒絶する者。
自分の親友と過ちを犯した妻への、愛と憎しみの狭間で放浪を続ける者。
世間の風習に捕われず、妻を連れて過酷な修行の旅に出る者etc
何よりも、単にクリストファー・ドイルの作り出す美しい映像と
ウォン・カーウァイのエキセントリックな演出、
そして各々の出演者が纏う不思議な質感の衣装などを
ボンヤリと眺めるだけでも、充分楽しめる作品だと思います。
ただし「香港テイストの武侠映画」だと思ってご覧になるのだけは、余りオススメ出来ません。ちょっと…違うかも。
この映画、どうしてDVD化されないのでしょうか。「大英雄」がされてるのに・・・。
話によると、どうやらこれは気まぐれなウォン・カーウァイが途中で撮影を止めてしまったいわくつきの作品らしい。それでだろうか、あんまり意味が分からなかったといえば分からなかったけれど・・・。
でも、いい作品だと思う。なんでって聞かれても困る。
グルグル回って交わることのない、剣士たちの切ない愛がテーマなんだよね、多分。こんなに分かってない私ですが・・・
レスリー・チャンの老成した演技がいい。
レスリーとブリジット・リンの、互いに違う人を想いながらのふれあいが、いたって官能的で、美しい。
そういうわけで、この映画は好きです。
本当に早くDVDにならないかな。