愛の歌と聞いたとき、ドヴォルザーク、ヤナーチェク、マルティヌーというのは即座に思い浮かぶ名前ではないが、この魅力的なコレクションは、われわれが失ってしまって寂しく思っていた喜びをちょっぴり味わわせてくれる。曲目は、ヤナーチェクが19世紀から20世紀の変わり目に収集したモラヴィアの7つの民謡から、マルティヌーが1942年にアメリカで書いた歌まで収められている。さらにまた、1920年にスロヴァキアで集めた歌を含むマルティヌーの初期作品に加え、1940年アメリカへ向かう途上にフランスで書いた歌曲集「わが祖国の友人に捧げる歌」の世界初録音も入っている。これらの歌はどれも興味深く、3人の作曲家の仕事のもうひとつの側面を教えてくれ、さらに多くのものを与えてくれる。多くの歌はせつないほど美しく、とくに、ほぼ20年前に書かれた歌曲集から4つの歌を選んで手直しした作品2や、同じ歌曲集からの8つの歌に手を加えた「愛の歌」をはじめとするドヴォルザークの曲はすばらしい。1886年の歌曲集「民謡調で」からの“お休み”は、これだけでもこのCDを買う価値がある。このプログラムを構成したマグダレーナ・コジェナは澄んだ魅力的な声で歌っている。グレアム・ジョンソンのピアノ伴奏もみごとである。(Richard Fawkes, Amazon.co.uk)
先のMET公演「ドン・ジョバンニ」でのツェルリーナ役など今やオペラ歌手として有名な彼女ですが、オペラ出演以上に力を入れているリサイタル活動を堪能するに最高なのが本CDです。自らの出身地であるチェコの作曲家(ドボルザーク、マルティーヌ、ヤナーチェック)の作品を取り上げたアーティストとしてのこだわり、何より彼女が一番歌いたい歌曲の数々が詰まっているのですから。彼女の気持ちが、心(ハート)が伝わってきて感動的です。とにかく美しい歌声に酔いしれて下さい。個人的には、彼女のおかげで、ずいぶんと自分の聴く音楽の世界が広がったことに感謝しています。とにかく素晴らしいアルバムです。演奏形式は、グレアム・ジョンソンのピアノ伴奏のみです。
Disc1
1.歌曲集「愛の歌」op.83 B.160(ドヴォルザーク)
2.歌曲集「新シュバリーチェク」H.288(マルティヌー)
3.フランスの女友達に捧げる歌(マルティヌー)
4.4つの歌曲op.2,B.124(ドヴォルザーク)
5.黒人の詩による2つの歌曲~子守歌(マルティヌー)
6.1ページの歌曲集H.294(マルティヌー)
7.「新しいスロヴァキア民謡集」H.126~第2曲 言っておくれ(マルティヌー)
8.「新しいスロヴァキア民謡集」~第8曲 私のきれいなブラウスを(マルティヌー)
9.「歌によるモラヴィア民族詩」~第17曲 だれに花束を(ヤナーチェク)
10.「歌によるモラヴィア民族詩」~第5曲 あの人の絵姿(ヤナーチェク)
11.「歌によるモラヴィア民族詩」~第19曲 花束(ヤナーチェク)
12.「歌によるモラヴィア民族詩」~第16曲 変わらぬ愛(ヤナーチェク)
13.「歌によるモラヴィア民族詩」~第1曲 愛(ヤナーチェク)
14.「歌によるモラヴィア民族詩」~第38曲 別れ(ヤナーチェク)
15.「歌によるモラヴィア民族詩」~第18曲 あの人の馬(ヤナーチェク)
16.4つの歌曲「民謡調で」op.73~お休み(ドヴォルザーク)