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一貫した美意識 エーゲ海に捧ぐ [VHS] チッチョリーナ 池田満寿夫
友達の女性は、ただの猥褻だと言った。果たして卑猥なのだろうか?登場する女性は時代を超えて美しい。「一貫した美意識」を持ちつづけるところが、天才の天才たる所以なのである。下世話な例だが、70年代の日本のアイドル歌手を見て、現代のアイドル歌手に通じる一貫した身意識を感じることが出来るだろうか?すでに美意識は大きくブレている。この映画が古くないのは、ここである。比喩が多用される芥川賞受賞の同名書籍を読まなければ、いまいち理解は深まらない。版画を製作していた初期の池田先生は、天才ともてはやされ時代の寵児となった。ただ、版画製作から次第に陶芸、日本美術へと活動領域が広がっていくのと反比例して、才能は徐々に磨耗していったように感じる。胸、尻、頬、ハイヒールなど、女性の象徴的な部分をデフォルメした作品の数々。先生がテレビに出演していた頃、私はまだ子供だった。もちろん美術のビの字も知らなかった。遠い空の向こうのエーゲ海で繰り広げられていた官能について知る由もない。これを単に卑猥の一言で片付ける女は、その程度の器の持ち主でしかない。版画製作と映画製作、歌手におけるアルバムリリースと、ライブ活動のような関係ではないか。今の映像が入手しがたい状況というのは、方手落ちの状態である。早期のDVD化を切望する。
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