舞台は20世紀初頭、アメリカ北東部の町。心優しい少年スターリングは、ある日森で、母親を亡くしたあらいぐまの子どもを拾う。ラスカルと名づけられたそのあらいぐまは、スターリングのかけがえのない友だちとなるが、近隣のトウモロコシ畑を荒らすようになり、スターリングはある決断を迫られる…。スターリング・ノースが、自らの子ども時代の思い出をつづった「はるかなるわがラスカル」をアニメ化した、1977年放送、第3作目の「世界名作劇場」。
本作の見どころは何と言っても、ラスカルのキュートさだろう。食べる前に何でも洗ってしまう、あらいぐまという動物自体が何とも目新しく、当時の子どもたちの間では一大ブームを巻き起こした。お話のほうは、ラスカルや周囲の人々とのやりとりを通じて成長していく少年スターリングの様子をゆったりとしたテンポで描いた、「名作」シリーズ初期らしい良心的な作品だ。
ウェントワースの森をはじめとする大自然、スターリングが熱中するカヌー作り、食卓に上がるポテトチップなど、随所に登場するアメリカらしいアイテムは、視聴者にとっては「広大なアメリカへの憧れ」を喚起させるものだったのではなかろうか。登場人物たちが、今ではアナクロに感じられるほどに丁寧な言葉遣いなのも、「古きよき時代」っぽさを演出していて良い。(安川正吾)
「あらいぐまラスカル」はスターリングの1年間の成長を見守る物語なんだ、と感じました。
ラスカルの動きはとってもかわいいです。苺ソーダを飲むシーンもいいですし、トウモロコシ畑で狂って食いあさるのも
またまたです。
でも、話はあくまでスターリングの成長に焦点を当てています。ラスカルを育てる中で、檻を作らなければならなくなったり、
早いうちから森に返すことを考えたり、次第に成長していきます。また、自分でお金もためて、半年以上かけて
自分の力でカヌーを仕上げていきます。一話完結ではなくて、何十話もかけてだんだんとカヌーができていくさまに
妙に感情移入してしまいます。一年の間に移り変わる家庭の事情、その中でもスターリングは強さを身につけていきます。
オスカー、アリスとの日常のちょっとした遊び、話、とっても細かい描写もうれしいです。この友情はいいなぁ、と。
世界名作劇場の中でも、ごく普通の少年の日常、しかもこんなにも短い期間をじっくり扱ってくれた作品はあまりありません。
その分、スターリングや登場人物たちの温かさ、細かな性格までが伝わってきて、もう他人のようには思えません。
一年間を見守ってきたスターリングとラスカルの別れ、スターリングの巣立ちはだからこそ涙が止まらなくなるのだと思います。
少しずつ成長していくスターリング少年に大きく励まされてしまいます。
話も派手さはないけどおもしろく、時折深いテーマを丁寧に織り込んでくれています。例えば、スペイン風邪が猛威を振るった時、
アルバイトをしていて出会ったおじいさんとの交流は素晴らしいものでした。是非家族などで見てほしい作品です。
世界名作劇場の中でも、1,2を争う名作だと思います。ラスカルのかわいさや別れのシーンばかりが独り歩きして
テレビなどでもそこだけ放送されることがありますが、一年間見守ってきたからこその共感を味わってほしいと思います。
アメリカの動物学者スターリング・ノースの自伝のアニメ化。原作の翻訳も読んだが、このアニメは、原作のもちあじを損なわず、より年少の観客にも受け入れやすく、話が膨らませてある。スターリングとオスカーの友情。アリスとのほのかな恋。幼くして死に別れた母への思慕。そして、なんと言ってもラスカルのかわいらしさ。大人も子供も楽しめる、いつまでも手許におきたい作品。