エディターレビュー
主人公はイタリアのジェノバに住む少年マルコ。アルゼンチンに出稼ぎに行った母親から音信が途絶えたのを不安に思ったマルコは一人、母親に会うための旅に出る…。1976年放送、日本アニメーション制作の「世界名作劇場」としては2作目。監督が高畑勲、画面設定・レイアウトとして宮崎駿という、後の「ジブリ組」がスタッフとして参加していたことでも有名な作品である。原作はエドモンド・デ・アミーチス。 マルコはいろいろな人に出会いながら成長し、そして出会った人にも影響を与えていく。マルコが最初に乗り込んだ船、フォルゴーレ号の乗組員たちとの間に芽生える信頼、お金を無くし途方にくれるマルコを救う旅芸人ペッピーノ一座の人情家ぶり、居酒屋「イタリアの星」で受ける多くの善意、そしてインディオの少年パブロとの友情…。どのエピソードもよくできていて、どこから見てもじんわりと心が熱くなる。 主人公がどちらかと言えば悲観的で、後期シリーズに多い「持ち前の明るさで苦境を切り開いていくタイプ」でないのは面白い。ちょっぴり暗めだが、ただひたすらに正直で、働き者で、信じたことにはまっすぐ。そんなキャラクターが魅力的な時代だったのかもしれない。 蛇足ながら、マルコとともに旅する猿のアメデオは筆舌に尽くしがたいほどの愛らしさ。「世界名作劇場」シリーズ中には多くのマスコット的動物がいたが、愛嬌という面ではこのアメデオがピカイチではあるまいか。(安川正吾)
カスタマーレビュー
「おかあさーん!」 母をたずねて三千里(1) [DVD] 松尾佳子
衛星放送での最終回を、つい先ほど見ました。
大好きなお母さんに会うためにマルコは旅立ちます。
旅の途中で苦難が待ち構えていますが、助けてくれる仲間もたくさん現れます。
お母さんに出会ったのち、お世話になった仲間と再会しながらジェノバに戻るシーンが良いですね。
ウルウルきました。
家族や仲間がそばにいるというのはとても幸せなことです。
子どもの表情、声優さん、どれをとっても大好きなアニメです。
ジブリの皆さんは天才です。
高畑勲の最高傑作 母をたずねて三千里(1) [DVD] 松尾佳子
「ハイジ」に続く高畑勲の長編テレビアニメの本作は、前作が色調も鮮明で、日常生活の理想化を具現したものに対し、セピア色の色調、暗い題材、徹底したリアリズムを追求していて、「ハイジ」よりは人気が無く、視聴率も奮わなかったが、あえて言いたい。「三千里」は高畑アニメの最高峰だと。 イタリア、アルゼンチンでロケハンを行い、そこで生活する人達の詳細な生活様式を調べ上げ、宮崎駿という天才レイアウトマンが設計するリアリズム溢れる画面、哀しく切ない音楽、そして、ジェノバ、リオデジャネイロ、ブエノスアイレス、バイアブランカ、ロサリオ、コルドバ、ツクマンヘト至るマルコの壮大な冒険物語。
根っからの悪人は登場せず、その場の状況で、善人にもなれば悪人にもなってしまう、それでも旅人であるマルコに精一杯の事をしてやろうとする無力な人間達。高畑のエッセンスが全部詰まった(必要以上に登場人物を苛めるのもそうだけどね)本作は、アニメのクリエイター達に多大な影響を与えているだろうし、現在このような情報量、エピソードを備えた作品を作り出す事は、もはや不可能であろう。
マスタリングに疑問 母をたずねて三千里(1) [DVD] 松尾佳子
キャラが動いた時などに残像が凄く目について観づらいです。 大好きな作品なだけに残念です。 リマスター版を強く希望します。
アメデオ!さぁ、出発だよ。 母をたずねて三千里(1) [DVD] 松尾佳子
「母をたずねて三千里」の主題歌、「草原のマルコ」がOPで流れるとなぜか目頭が熱くなります。
マルコって子供ですよね。DVDを見返して思うのは、おとうさんの仕事のせいでおかあさんがアルゼンチンにいくはめになったとなじったり、大好きなんだけどトニオ兄さんにつっかかったり。可愛くないよなぁ、なんて思ったりします。
監督の高畑勲は「三千里」を演出するにあたり、「必ずしも安心して観ることの出来るような子供の姿でなく、現実的な姿を見せた」といっています。
名作アニメは子供に安心して見せられる、と一般的には言われます。ですが「三千里」はどこかに刹那的なものを感じます。高畑勲が演出をして、宮崎駿がレイアウト。椋尾美術のすばらしさも、小田部洋一のかわいいキャラクターも魅力です。絵描きとしての馬車馬のごとく仕事をしていた頃の宮崎駿の仕事でもあります。
ものがたりとして「三千里」の魅力は、無力な少年が思慕の気持ちから、はるかな旅路を歯を食いしばって成し遂げるまでの過程を丹念に描いたところだと思います。おとうさんの仕事の意味、兄さんの思いやり、おかあさんの愛情の深さ、旅先で出会う貧困に窮した世の中の現実と機微を旅を通じて理解するようになる姿が私たちの胸を打つのです。
現在の日本のアニメは作画や演出が特化して技術の向上はめざましいと思います。でも、どこか痩せている気がします。OPの「草原のマルコ」の姿に目頭を熱くする自分もどうかと思いますが(笑)三千里の放送から四半世紀を過ぎても目頭を熱くさせてくれるアニメが現在何本あるのでしょうか。小説は行間を読め、という評論家の言葉がありますが、フィオリーナの寂しげなところや、どんなに辛いことになっても病気のおかあさんを心配して一歩、また一歩と歩むマルコの描き方に胸を打つ演出者の意図を汲むのも本作の魅力だと思います。
最終回だけが、感動するのではなく旅の過程でのマルコの成長こそが本作の
魅力であると私は思います。是非ごらんください。
オープニングの歌を聴いただけでもう・・・ 母をたずねて三千里(1) [DVD] 松尾佳子
母をたずねて三千里って、子どものころ、再放送で、なんだか地味〜なアニメだな、と思ったら次第に手に汗握る展開に なって見てた…そんな記憶があります。 実際、DVDを全巻揃えてみてみると、なるほど、アルゼンチンにただ一人旅立つのは4巻のラストなのですね。 もしかしたらそこまでは少しだけ退屈かもしれません。でも、どんどんどんどん手に汗握る展開になっていきます。 これでもか、というほどお母さんに会えないマルコ、それでもめげずに、めげても色々な人に励まされながら、 旅を続けるマルコに本当に励まされてしまいます。毎回毎回オープニングの音楽を聴き、映像を見ただけでドキドキしてきて しまいます。あの、オープニングに出てきた酒屋で励まされるマルコ、実際にあのシーンが出てきたときに泣かずには いられませんでした。流行歌を使う現代アニメでは味わえないゾクゾク感ですよね。 マルコはすごい勇気です。でも、旅の中で出会う優しい人々の励ましに、もう熱い気持ちを抑えられなくなります。 話自体はとってもシリアスで、登場する舞台もアルゼンチンの寂れた町や乾燥したパンパばかりです。 でも、そんな展開に華を添えてくれるのが旅芸人のペッピーノ一座です。フィオリーナは垢抜けないやさしさがあります。 ペッピーのさんは本当に大好きになってしまいます。声優さんも、未来少年コナンのダイス役の方で、とっても いい声をなさっていて盛り上がってきます。 何度も何度も繰り返し見るタイプの作品かどうかはわかりません。実際、私はカトリやラスカル、ルーシーなど、 他の名作劇場作品のほうが繰り返し何度も見ています。でも、一度目の感動、期待は裏切りませんよ。
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