エディターレビュー
1950年代中期から1960年代初期にかけてアメリカのヴォーカルスタイルとして定着していた「ドゥー・ワップ」をベースに、山下達郎がひとり多重録音で作り上げたアカペラ・アルバム『ON THE STREET CORNER 1』を、ボーナストラックも加えてデジタルリマスター盤として新リリース。ヴォーカルグループ、デュプリーズがドゥー・ワップ・スタイルでリヴァイバルヒットさせた、ジョー・スタッフォードのロマンティックバラード<1>、神聖なコーラスが心を和ませるクローヴァーズのカヴァー<9>など、山下達郎が趣味でレコーディングした曲から、ライヴでもおなじみのナンバーまで、1950年代〜1960年代の名曲の数々が温かいヴォーカルで鮮やかによみがえる。(武村貴世子)
カスタマーレビュー
12月の1,2,3 ON THE STREET CORNER 1 山下達郎
12月はこのアルバムを聴くのに絶好の季節だ。
先ずは1から始まる。1曲目で、山下さんの世界に引き込まれ、自分は3曲目でノックダウンされ、そのまま最後まで聞き入ってしまう。
短いけれども、エッセンスが詰まった作品だ。
いいんだけど・・・ ON THE STREET CORNER 1 山下達郎
86年版をラジオで耳にして愕然としたことが。初盤のレコードを持っていて「close your eyes]の吉田美奈子さんのハモリがなくなっていたと記憶しています。達郎氏のコーラスワークは好きなんですが、あの美奈子さんとの絶妙のハーモニーを私は聴きたい。
日本の無伴奏スタイル(ア・カペラ)はここから始まった! ON THE STREET CORNER 1 山下達郎
20年前にCDが出た際、60分カセット片面に1と2を連続録音し、
テープが伸びるまで聴き込んだ作品だ。
『ON THE STREET CORNER (街角にて)』のタイトルの通り、街角で仲間が集まると
会話が自然と歌になり、ハーモニーになる時代がアメリカにはあった。
バーバーショップ・スタイルと呼ばれ、散髪屋が街の気軽な社交場になってもいたのだ。
そうした時代に流行した名曲が、達郎の美声と、彼の趣味で作っていた一人多重唱方式でカヴァーされたものだ。
その方式もバーバーショップ・スタイルも影響を受けたドゥーワップスタイルで、
セカンドテナーがいわゆるリード・ヴォーカルをとる。リード・テナーと
呼ばれる所以である。
シリーズ第1作目の本作は特に王道ともいうべき、ドゥーワップの代表的な土臭いナンバーを揃え、
彼の趣味を前面に押し出した、文字通りの佳作である。
文句なし!の☆5つである。
人間の歌声こそ最高のメッセージ力 ON THE STREET CORNER 1 山下達郎
山下達郎を好きになると、こういうアイテムに出会えるのかとまるで特典を得たような気分が、僕のようなボーカル好きにはある。といっても達郎さんの“ソングブック(TOKYO-FM)”を聞いていたわけでもないし、オールディーズにはとんと詳しくない。だが、ここで知ればいいじゃないか。
その第一作にはスタンダードが選ばれたようだ。伝わるのは、まずハーモニーの楽しさを最初に感じる。その次に甘美さ、技術の凄さの順だろうか。技術に舌を巻くのは最後にしたい。何故なら達郎さん本人の生き生きした空気感が伝わってくるからだ。
甘美さはドゥーワップの真髄のようなもので、人間の声こそ究極にフロンティアされてゆく楽器なのだなと思う。そして音楽にはやはりコーラスがないとな、と実感する。アメリカにせよイギリスにせよ原始、POPSというものにはコーラスによる高揚感、音楽の幅があった。黒人霊歌のルーツからもわかる。
そしてライナーにもある通り、ただの娯楽として街角で奏でられていたアカペラ。それは日常レベルにおいてもコーラスとは音楽の基礎・原点だということだと思う。そのコーラスの精度を高めることが音楽性の向上であり、高みを極めたものだけに鳴る音も存在するのだ。その技術探求への深さを、最後に今作からじっくりと考えさせられる。コーラスというのは、一定の技術を要求されるし、だからこそそこで生れたハーモニーというのは、リスナーにとっては1人の歌手に対する嗜好を超え、純粋に音楽の楽しさの部分を教えてくれるからだ。
おそらく、その辺りのコーラスワークの重要性は、達郎さんの考えるロックンロールというものにも繋がってゆくと思う。
“うたをうたう”ことの発見がたくさん詰まった作品だった。
アカペラの記念碑アルバム ON THE STREET CORNER 1 山下達郎
山下達郎のア・カペラの「On the street corner」に出会ってから、もう四半世紀が経ちました。 当時、合唱関係者以外には「ア・カペラ」という言葉に馴染みがなかったわけで、まして一人で全てのパートを歌う「ア・カペラ」は非常に珍しい試みでした。 普通、どんなコーラスグループでもメンバーの声質は異なりますから、ハーモニーの響きを合わせるのは、結構難しいものです。ただ、達郎は、自分の声を4パート+アルファの声部を重ねて録音しているわけですから、当然良くハモリます。 人間の音域というものは、そんなに広くありません。4パートのコーラスを歌うとなると相当広い音域が要求されます。達郎はテナーですから、ベースは無理して出しています。でもそれなりに胸に響かせて雰囲気をかもしだしているのは、立派です。 このCDは、1950〜1960年代の「ドゥー・ワップ(DOO‐WOP)」を中心とした曲のカヴァーです。どの曲もノリがよく、聴き込めば聴きこむほど、細部までよく練られたアレンジとボーカルだと感心します。 山下達郎も50歳を超えました。日本の音楽シーンに彼は様々な影響を与えてきました。いつまで突っ走っていくのでしょうかね。
最新レビュー ON THE STREET CORNER 1 山下達郎
収録曲・トラック
Disc1
1.ユー・ビロング・トゥー・ミー
2.クローズ・ユア・アイズ
3.スパニッシュ・ハーレム
4.アローン
5.モースト・オブ・オール
6.ジー
7.クローズ・ユア・アイズ(オール・タツロー・ヴァージョン)
8.リメンバー・ミー・ベイビー
9.ブルー・ベルベット
10.ザ・ウィンド
11.ドリップ・ドロップ
12.ザッツ・マイ・ディザイアー
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