エディターレビュー
U2が以前に「A Sort of Homecoming」(故郷への帰還、の意)というタイトルを用いていなければ、スタジオアルバムとして通算10枚目の本作こそがそのタイトルにふさわしかったかもしれない。本作のサウンドは、さまざまな点でU2の過去のアルバムに似通っている。まるでバンドが過去に極めたさまざまな音楽的領域からポストカードを送り返しているかのようだ。幸福感に満ちたオープニング曲「Beautiful Day」では、エッジのトレードマークであるディレイを多用したギターワークが再び導入され、これは『The Unforgettable Fire』以来久々のことだ。このほかにも「Stuck in a Moment」では『Rattle and Hum』で見られたゴスペル色が再び姿をあらわし、「Elevation」のダンスビートには、1997年を代表するポピュラー音楽の収穫であるプロディジーの影響がうかがえる。これらどの曲をとっても、この驚くほど働き者のバンドがアイディア不足になる懸念はなさそうである。 スタジアム・ロックバンドによる90年代で最も奇抜で野心的なアルバム(傑作三部作『Achtung Baby』、『Zooropa』、『Pop』)を経た今でも、バンドは自分たちが常に全身全霊を傾けてきたものの本質を見極めようとしている。本作が証明するように、バンドの強みである叙事詩的な楽曲は健在で、同時にボノの書く詩では対象への親密度がより増している。「Walk On」と「Peace on Earth」は、ボノがこれまでに書いて歌った中でも最高の2曲である。本作はU2が成功を収めた今でも以前と変わらぬ衝動につき動かされていることを確信させてくれるものだ。(Steven Stolder, Amazon.com)
カスタマーレビュー
魔法の一枚 All That You Can't Leave Behind U2
このアルバムには嘘がなく、不思議と等身大の彼等を感じることが出来ます。何か理屈ではない「魔法」のようなものがある一枚に感じました。 味わい深い粒ぞろいの曲のなかで、それぞれの心の名曲が発見できるかもしれません。
最強! All That You Can't Leave Behind U2
ヨシュアトゥリーが最高傑作だと思いますが、良く聴くのはこれです。疲れているときに聴くと元気になる。持っている人は、たまには聴いた方が良い、というアルバムです。英語がよく分かんなくても「ビュリフォデイ」は最強。
完璧な作品 All That You Can't Leave Behind U2
このアルバムは発売当時はU2の原点回帰作と言われたが一聴して解るとおり原点回帰ではなくU2にとって全くの新境地を切り開いた作品である。ポップでメロディの美しいナンバーが並ぶが一ひねりも二ひねりも加えられていて全く飽きさせない。「New York」はこのアルバム発売後に起きた同時多発テロ事件の影響もあって非常に重い印象を与えるナンバーになっている。「Stuck in a moment」はボノの友人で今は亡きInxsのマイケルハッチェンスに、「Walk on」はミャンマー民主活動家のアウンサンスーチー氏に捧げられたものだが聴く人それぞれにとっても大切な意味を持つ曲になるだろう。「進化を止めてしまった」「大衆化した」などという批判は全くの的外れなものであるのは明白だろう。ロック・ポップス史上に残る大傑作である。
一番すき All That You Can't Leave Behind U2
彼らのアルバムの中で、最も好きなアルバムの一つです。力みがなく、リラックスした、どこか吹っ切れたような感があります。1曲目から5曲目は、ライブでもおなじみでしたが、特に「カイト」は最高だと思います。彼らのライブDVD「ゴー・ホーム」でも、曲のラスト、ボノが目を潤ませるのが印象的です。「ウオーク・オン」と共に、隠れた名曲だと思います。
身軽なところに大いなる至福があることを示した21世紀ROCKへの手紙 All That You Can't Leave Behind U2
世紀末的な憂鬱さと華々しさに別れを告げ、21世紀の幕開けにROCKの明るさを高らかに示した作品。 BONOはロックが市民性を得て、POPS勢が占めるチャートの上位にくいこむことに、ロックの価値を見出しているようです。それは次作の「Vertigo」にも感じられます。「的のど真ん中を射た気分」。ここにある幸せを感じ得るかどうかがこの作品を分けるポイントかもしれません。 さて、ROCKの未来を指し示した作品という意味では、同時期に登場したRADIOHEAD「KID A」と性格的に対をなす作品ではないでしょうか。 「KID A」。チャートやポピュラリティなどおかまいなしに、トムヨーク独自の荘厳な世界にいっちゃった作品。このROCKの形態を残していない音の洪水が未来だとしたら・・?と、ある意味「鬱」の警鐘を彼らに鳴らされていたときに、別の回答を、しかもとんでもなく希望に満ち溢れて、もう一度ROCKがヒットチャートのなかで火花を散らす必要があるとして、U2により提示されたのがこれだと位置付けてみます。 この「ATYCLB」の素晴らしいところは、ファンが望むものと、U2の望むものが、かつてなく著しい合致をみたところにあると思います。両者の距離が近く、コミュニケーションが図れているからこそ、あんなに売れ、またこんなにも強力に支持されているんだろうと思います。また音が「高揚感」に溢れていることがその要因ですよね。この構図は「名盤」たる要素そのものでしょう。 「KID A」も勿論セールスをあげました(特に北米)。しかしこれが「名盤」とだけでなく「問題作」ともいわれる所以は、そこに鳴っていた音は絶望しろとは言っても、リスナーの膝を立ち上がらせる「高揚感」がないことでした(まさに「KID A」には「WHERE THE STREETS HAVE NO NAME」がないのです)。これは思想性の違いによるものですが、ロックにはシニシズムの要素で表現する容易さはいくらでも存在する代わり、逆に理想というものを安易に掲げにくい面もあります。U2の今作は「高揚感」を90年代のように皮肉で綴る必要がなくなったのです。 また、「KID A」は作り手側からの一方的ベクトルが大きすぎることも挙げられます。トムが天才だから、受け取る側には深いインスピレーションを残しますが、この「ATYCLB」のように20年以上ファンと押したり引いたりしてきた歴史から生まれた今作とは、同じ年に発売され、未来のROCKを指し示す意味合いを持った作品としては、全く対照的なものになったと思います。
最新レビュー All That You Can't Leave Behind U2
収録曲・トラック
Disc1
1.Beautiful Day
2.Stuck in a Moment You Can't Get Out Of
3.Elevation
4.Walk On
5.Kite
6.In a Little While
7.Wild Honey
8.Peace on Earth
9.When I Look at the World
10.New York
11.Grace
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