前作「眩惑のブロードウェイ」でついにガブリエルが脱退、4人になってしまったジェネシス。一番のフロントマンであった彼の脱退で絶体絶命になったかと思われましたが、ドラマー・コリンズの声質が奇跡的にガブとそっくりで、違和感なくサウンドに溶け込むことができました。
アルバムの内容ですが、今までのアルバムに比べても全く遜色の無い名盤と言えるでしょう。
「Dance on a Volcano」「Squonk」でのリズムを強調した曲調、マイクのうねるようなベースの音が彼らの成長を表わしています。「Entangled」「Mad Man Moon」でのバンクスとハケットのたおやかな叙情性、「Ripples」「Trick of the Tail」のその後を予感させるポップ感覚。そしてなにより圧巻なのが「Robbery, Assault and Battery」曲中中盤でのバンクスとコリンズによる超絶ポリリズムや転調につぐ転調を繰り返す「Los Endos」でわかる彼らの数段アップしたテクニック。
ポップ期とピーガブ期に挟まれて微妙な時期ですが、両方の良いエッセンスを抽出したような、さらに76年というプログレ衰退期を感じさせないようなハイクオリティーなアルバムとなりました。
6.リプルス
7.ア・トリック・オブ・ザ・テイル
8.ロス・エンドス
中でもリプルスは、わかりやすいメロディ、写実的で美しいアレンジと、
GENESISの曲の中でも、らしさが際立つ名曲。
アルバムタイトル曲も、また別の面でらしさが際立ち、これも代表曲。
ピーターガブリエルのカリスマ性と、フィルコリンズのポップ性で2分されがちなGENESISであるが、このアルバムはそのどちらにも明確には当てはまらず、もうひとつのGENESISらしさを創りあげたといえよう。