エンターテイメント界の寵児、福井晴敏氏による
ノベライズの後半部第二巻である。
こちらはアニメ版とだいぶ趣が違うが、
この方が冨野監督の初期プロットに近いと云う。
ここでは「黒歴史」として、未来の人間たちが
破壊戦争の後、地球環境を再生/温存するために
一部の管理者を除き、自らとその科学技術を
封印する姿が語られている。
これは宮崎駿氏の『風邪の谷のナウシカ』(漫画版)
のラストに展開する構成ととてもよく似ている。
アニメ界の両巨頭が、その長い創作活動の末
同じような設定の物語と、そこから展開する
またたく生命を至上のものとする価値観を
ともに表現するに至ったことは極めて興味深い。
わたしは、ガンダム世代ではありませんし、ファンの方には申しわけありませんが、福井晴敏の作品として手に取りました。福井氏の作品のなかには世界の浄化そして再生を熱望されているかのような表現が多く流れている。しかし、変化を望まない常識人によって、それは妨げられる、時に作者の主観は、ヒ−ル(悪役)にあるのでは?と思わされることも多い。しかしこれは、SFである。TVシリ−ズの結末を私は知らないが、ここでは、福井氏の望む”世界の浄化そして再生”が、実現されている。その意味でも、もしかしたら、これが、歴史や常識の足かせがはずれた結果の作者の理想の結末なのでは?この作品がなければ、”終戦のロ−レライ”は無かったとは、言い過ぎだろうか。