エディターレビュー
主人公たちがモビルスーツで戦いながら禅問答をするアニメ…。富野由悠季監督による一連のガンダム作品は、時としてこう評されることがある。直訳すれば、それだけ難解であるということなのだが、同時にガンダムにおけるメッセージ性の高さの表れでもある。本書は副題を「富野由悠季発言集」とし、富野監督がテレビおよび劇場版「機動戦士ガンダム」の製作過程で発言した文言、執筆した文章を多数収録。中には未発表の初期企画案や殴り書きのようなメモ、絵コンテといったものまで含まれており、「なぜ『アムロ振り向かないで』なのか」「ランバ・ラル登場の理由」「ザンボット3とガンダムの関係」などにも言及した、極めて資料的価値の高い本となっている。だが、本書が他の富野由悠季関連本と一線を画すのは、「ニュータイプ論」に拘泥するのではなく、富野監督の「ものづくり」の姿勢、その演出論をクローズアップした点にある。アニメという一種の閉塞した世界を、20年の時間さえも超越した作品を再検証しつつ、21世紀への想像力をかきたてる良書。(中家佐世)
カスタマーレビュー
ファーストガンダムに託したもの ガンダムの現場から―富野由悠季発言集 (キネ旬ムック)
ファーストガンダムの企画段階から、富野監督が何を思い、何をこの作品に託そうとしたか、何を人に伝えようとしてつくりあげていったかがよくわかる。それは感動すらおぼえる。当時小学1年だった自分には難しかったがそれでも富野監督の意図したことはおぼろげにではあるが感じていた気がする。
はじめに全部を見通していたのか ガンダムの現場から―富野由悠季発言集 (キネ旬ムック)
私は「熱狂的」ガンダムファンではない。昔を思い出して購入した程度だ。しかし、一読してみて驚いた。ファースト・ガンダムTVシリーズ、当たり前なのだろうが、企画の段階で著者は全部を見通していたのだ。シリーズの骨格を書き留めた直筆走り書きのメモが本書に掲載されている。読み進めることで、ガンダムのコンセプトが素描から何度も練り直され肉付けされていく思考過程を追体験できるだろう。
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