カスタマーレビュー
ありえなさそうだが何故かリアルさを感じる こぼれる
グラビアアイドルから女優へと変貌した酒井若菜が書いた処女作である今作。
タレントが書いたというフィルターが有るのである程度読めるが、物書きのレベルにはまだまだ達してはいない。が、内容はなかなか面白かった。
同じ時間軸を4つの視点から書き、少しずつ物語が明らかになっていくという所はどこかで見た事ある風であるものの、島田の章の途中であれっ、そう来たか、と裏切られる所なんかはちょっとニヤリとさせられた。
視点が
雫(不倫女性)→大介(浮気した旦那)→島田(不倫女性のストーカー)→千尋(浮気した旦那の奥さん)
と移っていくのだが、はっきりとした主人公は分からない。
最初、不倫女性の雫が主人公なのかと思ったがどうやら最後の視点である千尋の方が物語の中心と感じた。
最後、あの空を飛んでいる鳥の正体は不明のままでも良かったような気もする。最後をうまくまとめられていたら、よりよい作品になっていたであろう。
この物語はフィクションなのであろうが、もしかすると…などと想像すると更に色々興味が湧いてくるかもしれない。
蛇足感が惜しい! こぼれる
アイドルとしてのデビュー時から応援しているので購入した。
正直、タレントの小説家デビュー第一弾ということで小説としてのデキには期待していなかった。
しかしなかなか予想外に事によく書けている。
不倫をテーマとしたありきたりな恋愛小説と思って読み進めていくと、おそらく誰もが予想しなかったであろう事態に物語は急展開する。
そしてひとつの出来事を複数の主人公の視点から見ていくという手法で、関わったすべての人たちの再生が並列的に描かれていく。
この小説のテーマは恋愛ではなく、むしろこのそれぞれの再生の方にある。
だからこそ序章と終章にルービックキューブの話が出てくるのだ。
あとがきでもやはりこの多面性こそが創作上の絶対条件であったと述べている。
処女作で相当な難産だったようだが予想外に凝った構成も文学作品としての質も評価できる。
ただ、惜しかったのは終章の蛇足感だ。
余韻だけを残して読者にゆだねるべきだったのではないかと思える。
最後の最後の蛇足感がマイナスで☆は4つ。
黄色 こぼれる
恋愛についてはどの登場人物に注目して読むかによって違うだろう。
批判するって事に少しあこがれを感じていたし、後味悪いとも感じてた。
こころを広げるとほんとに楽になれる。
明日から、自分もちょっと立ち止まってちがう考え方しようと思う。
この本をいいと思ったのは、もしかすると自分が望む面(多角的にみようとする大切さ)を見せてくれていたからかもしれない。
一番求めていた本☆
単純に感動 こぼれる
感動しました。この一言に尽きます。 初めは少女がタレントになって元恋人に再度アタックするという在り来たりなストーリーかと思いましたが、物語は意外な方向へ進んでいきます…。結末をハッピーエンドと捉えるかバッドエンドと捉えるかはその人の考え方次第で、読者に考えさせる楽しみを与え、広がりがある作品です。
アンチヒーロー&アンチヒロインの誕生。 こぼれる
おれなりの解釈をひとつm(__)m
ヒーローものの漫画や青春ドラマで、
強くもなく、正しくもなく、カッコよくも美しくしくもなく、
そんなヒーローがいたら、そんなヒーローは苦悩しているに違いないのだけれど、
その苦悩により、その苦悩の物語が生じて、情けないけれど、切ないけれど、とても侘びしいけれど、
そんなヒーローが苦悩の戦士となって、そこで必死に生き切る姿、ひるがえってそれは、
まるで逆さまなのですが、そんなヒーローが、「苦悩することによって」
とても力強く、正しく、美しく、何にもまして生き生きと見えてくる、
してみると、そんなヒーローにとって、従来のヒーローの資質である「強く、正しく、美しく」が
たいして良いことだと思えなくなってくる。
「完璧」それは終着駅のようにさみしい。
酒井若菜さんは、不倫、恋愛というテーマを通して「苦悩」の本質を書き切ったと思う。
生の喜びが満ち溢れた作品です。
小説の冒頭とあとがきで「物事を多角的に見る」ということの大切さを読者に語りかけています。
人にとって「苦悩」は「永遠の安泰」よりも、なくてはならないものなのかなと思いました。
女優、酒井若菜さんの書き下ろし初小説、情熱の一書です。
とても感動しました。
ロシアより愛を込めて(^^)
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