カスタマーレビュー
嘘つきが劇作家の始まり 自家中毒―ある劇作家の肖像
過去の自分より発せられた質問に対し、現在の自分が回答して行くという形式が、まず目を引く。設定だけでも秀逸だが、中身がこれまた面白い。声を出して笑った書物は、久々。ひと粒で2度美味しい、グリコアーモンドチョコレートのよう。しかも、ここにはアーモンドばかりでなく、ありとあらゆる種類のナッツがぎっしり。知らないことが知らないといえず、出来ないことも出来るふりして、教師に怒られ友達から笑われた、嘘つきでお調子者の自意識過剰な小学生。中学、高校、大学と本質的な部分は変わることなく、長じて劇作家となり、文化庁の留学制度で1年間ロンドン生活を満喫(この滞在記も、収録されてます)、自分好きも極めれば、他人を楽しませることが出来るといういい見本。ただし、類まれなる才能を持つ著者のような人間に限られる。我々凡人は、真似しないでおこう。
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