戦略立案に必要なステップを、演習形式で訓練できることに価値があります。従って一通り戦略とはどういうものかを知っているが、身についているかどうかわからない人にお勧めします。当然ですが演習なので筆記用具は必須です。通勤中の電車の中で読むよりも、デスクで紙と鉛筆を持って解いていくほうが効果的です。
「戦略」と名の付くビジネス本が数多くある中で、本書は、真に読む価値のある良書であるといえよう。
本書の特徴は、第一に、実践的であるという点である。本書では、経営コンサルタントである著者が、実際のコンサルティング事例を題材として議論を展開させている。そのため、フレームワークの合目的的な使い方を学ぶことができるのはもちろん、問題発生・市場構造の解明から戦略オプションの策定・評価までの、一連の戦略策定プロセスを体感できる内容の濃さを持っている。
第二の特徴は、これは類書には見られない特徴であるが、演習問題の解説が非常に充実している点である。とかく、演習というと、問題の出しっ放しやヒントを出したに過ぎないものばかりだが、解答例を導き出すまでの思考プ!ロセス・観点の解説が詳細であるため、非常に解き応えのある構成となっている。
第三の特徴は、コンサルタントが、自身の経験・考え方に基づいて説明しているせいか、文章が非常に平易となっている点である。内容的にはかなり高度な部分も扱っているが、読みやすいため、すんなり理解できてしまうのも特徴の1つといえよう。
以上、私の考えた特徴を3つ挙げてみたが、経験豊富なビジネスパーソンにとっても十分読み応えがあると思われるし、また、これから本格的にビジネスを勉強しようとする学生にとっても、入門書として最適であろうと思われる。